ブロガーはFacebookを活用し、向かいあい始めている

2010/12/02 12:10

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebook先に【あなたのブログ歴は?】でも触れている通り、ブログを中心にデータを収集し分析を行うと共に、ブログを検索対象とする検索エンジンサービスを提供するTechnoratiは2010年11月3日、最新のブログ事情を分析・統計した結果を発表するカンファレンス「State of the Blogosphere」の今年版の資料を公開した(State of the Blogosphere 2010)。ブログの現状を把握可能な貴重なデータが豊富に盛り込まれていることで、注目すべき内容といえる。今回はその中から「ブロガーとFacebookとの関係」について見ていくことにする。


スポンサードリンク


「State of the Blogosphere 2010」では市場調査会社Penn Schoen and Berland Associatesによって7205人のブロガー(ブログを書き込み、運営する人)を対象に2009年9月21日から10月8日にかけてインターネット経由で行われたもの。そのうち64.1%は自分の趣味などを目的にブログを行っている「自己満足派(Hobbyists)」。13.5%は自分の専門知識を披露して本職のサポートや宣伝に活用したり収入の一部を賄う「副業派(Part Timer)」。1.0%は社内などで業務としてブログを展開する「業務派(Corporate)」。そして最後の21.3%は「プロのブロガー(Self Employed)」。

まずはFacebookアカウントをブロガーが持っているか否か。これは87%の人が持っていると答えている。ツイッターが概算値で77.4%だから、それより10ポイントほど高い値だ。

↑ Facebookを使っているか
↑ Facebookを使っているか

Facebookでは【Facebookのファンページを創ってみる】にもあるように、アカウントとは別にブログに関する(もちろんブログ以外でもOK)ファンページなるものを創ることができる。要は特定対象をカバーするためのコミュニティなのだが、それを持っているか否かについて聞いたところ、全体ではほぼ1/3が保有していると答えている。「業務派」は特に多く、実に6割を超えた値だ。

↑ Facebookの個人アカウントとは別にブログ用のファンページを持っているか
↑ Facebookの個人アカウントとは別にブログ用のファンページを持っているか

「自己満足派」はブログでの情報展開に満足していることもあってか、ファンページの設立比率はさほど高くない。一方、何らかの形でブログがビジネスに結びついている人たちの、ファンページの設置率は高い。最低でも半数は保有している。

Facebook内での行動も積極的。ブログの更新情報の自動配信のみの人と比べると、更新情報だけでなく独自投稿をもしている人は多い。ただしブログとFacebookとの行動は別個に行っている人の割合も高く、過半数に達している。

↑ Facebookの個人アカウントとブログにはどんな関連性がある?
↑ Facebookの個人アカウントとブログにはどんな関連性がある?

FacebookをブログのRSS的なものとしてのみ利用しているブロガーはごく少数で、Facebookへの配信の有無も合わせ、積極的に使用しているのが見て取れる。

積極的にブロガーに活用されているFacebookだが、そのFacebookの利用法をブログ・管理者のタイプ別に聞いたのが次のグラフ。「副業派」「プロブロガー」、特に後者の活用ぶりが目に留まる。

↑ ブログと連動する形でのFacebookの利用方法(ブログ・管理者のタイプ別)
↑ ブログと連動する形でのFacebookの利用方法(ブログ・管理者のタイプ別)

とりわけ「自分のビジネスの売り込み」では、「プロブロガー」は約2/3が「Facebookでそのような使い道をしている」と答えている。先にブログとツイッターの関係で「プロブロガー」が消極的な利用性向だったことについて「むしろFacebookで同じことをした方が有益そうだから」「Facebookの方がそのような活動をするのに適しているから」という理由があった。その思惑がそのままこのグラフに現れている。

アクセス誘導に関してだけでも、Facebookがブロガーに与えている影響は大きい。

↑ Facebookのブログへのアクセス誘導効果は1年前と比べてどのように変化したと思うか
↑ Facebookのブログへのアクセス誘導効果は1年前と比べてどのように変化したと思うか

「分からない」はブログにアクセス解析を入れていないか、あるいはFacbook経由のアクセスが昔も今もほとんど無い人と思われる。興味深いのは同様の調査をツイッターに関して行った時と比べ、「プロブロガー」への効用がかなりポジティブな値を見せていることだ。

↑ ツイッターのブログへのアクセス誘導効果は1年前と比べてどのように変化したと思うか
↑ ツイッターのブログへのアクセス誘導効果は1年前と比べてどのように変化したと思うか(再録)

「誘導効果があるからFacebookに一層注力する」のか「Facebookに注力しているから誘導効果が高いのか」、どちらが卵でニワトリか的な話だが、恐らくはその双方が正解ではないだろうか。



世界全体の風潮としては、「プロブロガーはツイッターよりFacebook」。これは先にツイッター絡みの記事でも使った言い回しだが、今件データではそれが強く再確認できる。もちろんこれは英語圏の強みによるところが大きく、現時点では日本国内では(日本語で展開した場合、)同じ効果を期待することは難しい。日本の場合は日本語圏という独自の言語圏を形成しているためだ。

そのため、世界に対して一律に門戸を開けるFacebookの強みを活かすことは難しく、残念ながら日本語で展開している限り、今件と同じような傾向は難しい(手は無いわけではないが、今件とは筋違いの話になるので、別の機会にでも)。逆に日本におけるFacebookの展開で、今後どのような勢力バランスが日本国内で形成されていくのか。気になるところではある。


スポンサードリンク


関連記事


このエントリーをはてなブックマークに追加
▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー|Twitter|FacebookPage|Mail|RSS