ブログで自分の正体隠すの重要? 「別に隠さなくても」は7割近く

2010/11/29 12:20

秘密ブログを中心にデータを収集し分析を行い、ブログを検索対象とする検索エンジンサービスを提供するTechnoratiは2010年11月3日、最新のブログ事情を分析・統計した結果を発表するカンファレンス「State of the Blogosphere」の今年版の資料を公開した(State of the Blogosphere 2010)。ブログの現状を垣間見れる、貴重なデータが豊富に盛り込まれているのだが、今回はその中から「ブログ活動での匿名性」について見ていくことにする。

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「State of the Blogosphere 2010」では市場調査会社Penn Schoen and Berland Associatesによって7205人のブロガー(ブログを書き込み、運営する人)を対象に2009年9月21日から10月8日にかけてインターネット経由で行われたもの。そのうち64.1%は自分の趣味などを目的にブログを行っている「自己満足派(Hobbyists)」。13.5%は自分の専門知識を披露して本職のサポートや宣伝に活用したり収入の一部を賄う「副業派(Part Timer)」。1.0%は社内などで業務としてブログを展開する「業務派(Corporate)」。そして最後の21.3%は「プロのブロガー(Self Employed)」。

芸能人などはもちろん本名(あるいは仕事上の「名前」)を使ってブログの運営を行っている。企業の偉い人などのブログ、例えば「社長ブログ」なども本名を使うことがほとんど。その一方、個人のブログではペンネームやその業界内だけで通用する別名、さらにはゲーム内のキャラクタ名を用いてブログを運営することも少なくない。

それではブログにおいて、自分の個人データ(本名や属性など)を隠すのはどれくらい重要なことなのだろうか。全体では「重要だ」と思っている人は3割程度、そうでないと考えている人は7割に達し、「別に本名でもいいのでは」との考えが多数を占める結果となった。

↑ 自分のブログで自分の個人データ(本名など)を隠すのはどれくらい重要なこと?
↑ 自分のブログで自分の個人データ(本名など)を隠すのはどれくらい重要なこと?

なおこの「本名など」は、たとえどれほどその筋で有名になっていたとしても、実名で無ければ(あるいは実在する人物と直接リンクしなければ)該当しない。あるネットワークロールプレイングゲーム内でその名を知らぬプレイヤーは居ないほどの有名キャラクタを操る人が、そのキャラクタ名でブログを運営しても、それは「本名」とはみなされない(原文では「your real identity」つまり「あなたの本当の正体、身元」と表記されている)。逆に「実データと直接リンクする」のであれば、本名そのものでなくとも構わない。

ブログ・ブログ管理者のタイプ別で見ると、「プロブロガー」以外はほとんど変わりがないのに対し、「プロブロガー」だけが極端に「全然重要でない」(オープンにしてよい)の割合が多い(他と比べて10-20ポイント程度の差がある)。これは「プロブロガー」のブログ運営の目的の大きな要因として、自分自身のアピールがあるからに他ならない。

↑ なぜブログをしているのですか(複数回答)(ブログ・管理者のタイプ別)
↑ なぜブログをしているのですか(複数回答)(ブログ・管理者のタイプ別)(再録)。「自分自身の仕事における新規顧客開拓」で「プロブロガー」がずば抜けて高い値を示しているのが確認できる

それでは「とても重要」「それなりに重要」と答えた人、つまりブログ上で個人データを隠すことを常と考えている人たちは、何を理由にしているのか。「業務派」は会社の命令での判断なので、「全体」以外では「自己満足派」「副業派」「プロブロガー」においての区分について統計を取った結果が次の図。具体的項目でもっとも多いのは「家族や友達に迷惑がかかるかもしれないから」というものだった。

↑ なぜブログ上で個人データを隠すのか?(「とても重要」「それなりに重要」の回答者限定)(複数回答)
↑ なぜブログ上で個人データを隠すのか?(「とても重要」「それなりに重要」の回答者限定)(複数回答)

昨年のデータと比較してみると、「自己満足派では懸念派が増加」「副業派では懸念派が減少」「ただし副業派でも『仕事中の作業』には懸念派が増加」という傾向が見られる。ここから「自己満足派は純粋にプライバシー上の問題への懸念を強めている」「副業派は本業の減収でなりふり構っていられなくなり、本業の雇用側もそれを黙認する傾向が増加中。ただし本業中に作業をして本業の効率を下げるのは許し難い」という傾向が想像できる。

また「その他」の項目が多いのは、ブログ上で個人データを隠す理由については多種多様な「個別の理由」があるからだと思われる。隠したいデータがプライベートなものであるだけに、隠したい理由もまたプライベートなものであり、理由も簡単にひとくくりでまとめることなど出来ない、というところと見てよい。



本名、あるいはそれに同等のハンドルネームでの利用を前提とするFacebookが日本にも浸透しはじめたこともあり、日本のブログ界隈でも本名を出すべきか否かについての話は、いまだに静かなレベルではあるが意見が交わされている。また海外では【デジタル世代 10年後も継続?】のような話もある。要はデジタル世界での蓄積が自分自身の経歴として積み重ねられていくため、本名以外ではその恩恵を受けにくいことから、本名を用いる傾向が強いというわけだ。

もちろん本名を出すことのメリット・デメリットはある。立ち位置によってその重要度も大きく異なる(例えば「プロブロガー」の場合はメリットの方が多い)。また、法令によって本名を出さねばいけない場合もある(資格取得を名乗る場合、本名とリンクさせなければならない場合が多い)。結局のところ、一人ひとりのプラスマイナスをよく考えた上で、自分の判断で決めるべきといえるが、世界的な風潮的には多少ながらも「実名派優勢」と見てもよいのではないだろうか。


■関連記事:
【ブログで本名出してます? 本名などを隠すことが「大切だ」と考えてない人は7割強(2009)】

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