大卒者内定率過去最低水準…大学生の9月末時点での就職内定率は57.6%・前年比4.9ポイントのマイナス

2010/11/17 07:10

厚生労働省は2010年11月16日、2010年度(2010年4月1日-2011年3月31日)大学等新卒者の就職内定状況に関する最新調査結果を発表した。それによると2010年10月1日(9月末)時点での大学新卒者の就職内定率(就職希望者に占める内定取得者の割合)は57.6%だったことが明らかになった。これは一連の調査結果が公開されている1997年度分以降、過去最低の値を示している(【発表リリース】)。また、同日【高校・中学新卒者の就職内定状況】も発表されているが、高校新卒者の就職内定率は40.6%となり、昨年同期から3.0ポイントの上昇を見せていることも分かった。

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今調査は全国の大学、短期大学、高等専門学校、専修学校の中から、設置者・地域の別等を考慮して抽出した112校に対して行われたもの(調査校の内訳は、国立大学21校、公立大学3校、私立大学38校、短期大学20校、高等専門学校10校、専修学校20校)で、調査対象人員は、6250人(大学、短期大学、高等専門学校併せて5690人、専修学校560人)。各大学などにおいて、所定の調査対象学生を抽出した後、電話・面接などの方法により、性別、就職希望の有無、内定状況などにつき調査をしている。なお高校・中学卒業予定者に対しての調査は、学校・公共職業安定所の紹介を希望する生徒の状況をとりまとめたもの。

公表された調査結果によると、2010年10月1日時点で大学の就職内定率は57.6%。前年同期と比べて4.9ポイントのマイナスとなる。さらに今「大学等卒業予定者の就職内定状況調査」の調査が開始された1997年度分以降においては、冒頭でも触れているように、2003年9月末の60.2%を下回り、過去最低の値を示している。

↑ 中卒-大卒の就職内定率(2010年9月末時点と2009年同時期)
↑ 中卒-大卒の就職内定率(2010年9月末時点と2009年同時期)

元々短期大学の就職内定率は低い傾向にあるが、今年は昨年よりもさらに低い傾向が見られる。9月末日時点でまだ気が早い感もあるが、八割近くが「就職したいのに就職先が見つからない状態」にあることが分かる。もっとも就職率の高いのは高等専門学校だが、これは以前【日本における学歴・性別と失業率との関係をグラフ化してみる】などでも触れているように、求人側のニーズにマッチしやすいため。また、グラフ中にも表記してあるが、中学卒業予定の学生に対する内定開始期日は2011年1月1日以降と文部科学・厚生労働両省により定められており、今回計測時期においてはデータが存在しない。

このうち大学(国公立・私立の合計、個別)について、男女別に見ると次のようなグラフになる。

↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2010年9月末時点と2009年同時期)
↑ 国公立・私立大の男女別就職内定率(2010年9月末時点と2009年同時期)

昨年同時期と比べていずれも低い値を見せている。今回においては国立・私立とも男性の方が女性より高い内定率であることが確認できる。ただしデータを精査すると、「就職希望者」の推移においては、国立大学では女性の方が、私立大学では男性の方が昨年同時期比で大きな減少値を示しており、これが定例パターンの「国公立大では男性より女性、私立大では女性より男性の方が就職内定率が高い傾向」を覆した可能性がある(大学院に進むなど就職を希望していない人は、就職内定率算出の際には除外されるので「院生」希望者の多い少ないとは関係が無い)。

直近8年間における内定率推移をグラフ化すると、次のようになる。いかに今回発表された内定率が低いかが理解できよう。

↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)
↑ 就職(内定)率の推移(大学・全体)

このグラフからは、リーマンショックの影響を受けた2009年3月卒分(の12月1日現在データ)から、就職率がガクンと落ちているのが容易に把握できる。そして2010年3月卒分で勾配がキツくなり、今回データではようやくゆるやかになったものの、過去最低の値を示していることが再確認できる。



高卒者の内定率はわずかに上昇しているが、これは高校新卒者において、

・求人数は15.1万人。前年同期で3.1%減
・求職者数は17.5万人。前年同期で0.7%減
・就職内定者は7.1万人。前年同期で7.2%増

という値が出ていることに起因する。求職者数以上に求人数が減っているにも関わらず、内定者数が増加しているということは、昨年同期より企業が早めに内定を出していることを意味する。【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる】にもあるように、中高生は正社員以外の雇用形態比率が大きいことから、昨今の経済状態を踏まえて雇用調整がしやすい形での内定を出している可能性はある。

また、大学生の内定率が過去最低を記録した一因として、いわゆる「内定切り」批判がマスコミを中心に高められ、これを恐れた企業側が早期採用を抑えている可能性も否定できない。直接の因果関係を結びつけるデータはまだ確認できないが(企業に対するアンケート調査でもあれば良いのだが)、不必要なアジテーションは周囲皆を不幸にする事例なのかもしれない。

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