会員数は増加、PVは横ばい、モバイル率高まる…mixi動向(2010年9月)

2010/11/16 12:10

【ミクシィ(2121)】は2010年11月5日、2010年度第2四半期(2010年7月-9月)における決算短信を発表すると共に通期決算説明会を開催、資料の公開を行った。その資料「など」から、同社が運営するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)【mixi】の会員数などの動向が明らかになった。今回はそれらの資料からグラフを再構築・構成し、mixiの現状を眺め見ることにする(【発表リリース、PDF】)。

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会員数は増加、ページビュー数は横ばい、モバイル率アップ
資料によれば2010年10月(末)時点でのmixiの主要データは次の通り。提示された資料は2010年度第2四半期(2010年7月-9月)のものだが、「データは最新のものを」との方針からか、10月のデータが提示されている。

・月間ログインユーザー数(月1以上でログインしたユーザー数)
 ……1464万人
・ユーザー数
 ……2190万人
・月間ページビュー数
 モバイル……261.2億
 パソコン……45.1億
   Touch(スマートフォン)……6.0億
  計……312.4億
・月間滞在時間(パソコンのみで計算)
 ……3時間26分(6分52秒/日)

今回からパソコンが、純粋なパソコンとTouch、すなわちスマートフォン経由のものに分かれている。これは2010年5月末から開始されたmixi Touch(スマートフォン向けに最適化されたmixi)に伴うもの。別途データにもあるように、このサービスの施行によりスマートフォン利用者が拡大する傾向を見せている(元々スマートフォンユーザーの増加も一因だが)。

↑ mixi Touchログインユーザー数(万人)(mixi Touchは2010年5月末より開始。それ以前のデータはスマートフォンでPC版へアクセスした人のデータ)
↑ mixi Touchログインユーザー数(万人)(mixi Touchは2010年5月末より開始。それ以前のデータはスマートフォンでPC版へアクセスした人のデータ)

留意すべきは上位二つの項目。ユーザー数が1464万人なのに対し月間ログインユーザー数が2190万人、つまり差し引き726万人(33.15%)が2010年10月において「ユーザー登録をしているにも関わらず、一か月の間一度もログインしなかった」ということになる。三か月前のデータと比べて人数・割合共に増えているのが気になる。

また、7月末時点と比較すると、ユーザー数は増加・総ページビュー数も増加、パソコン(スマートフォン含む)経由のページビュー数は減少している。これはシステムの整理統合改変などで無駄なページへのアクセス機会が少なくなったことや、スマートフォン版の導入による「無駄足」の逓減、さらにはモバイル化がより進んだことを意味している。
とだ。

さて以前の記事と同様に、直近のmixiにおけるパソコン(PC)・モバイル経由の月間PV(ページビュー)、及び会員数の推移をグラフ化したのが次の図。今回の決算資料から、何故か月次ベースの会員数推移が非公開となっている(10月末時点のは上記の通り)。この点について疑問に思った人が他にもおり、先行して記事を掲載した【In the looop:直近決算発表に基づくmixi、GREE、モバゲーの業績比較 - Amebaとニコニコ動画もあわせてチェック】に対し、ミクシィサイドから会員数の提示がなされている。今回のグラフ生成ではこの値を利用させてもらうことにする(次回以降再び掲載がなされるのか少々不安。「会員数ではなく月次ログインユーザー数の方がより重要との考え」は理解できるが、これまで公開を継続していたものを突然「考えがこうだから」と止めてしまうのは残念な気がするが……)。

2009年秋の mixiアプリ導入をトリガーとし、大きく飛躍した様子が確認できる。また、2010年2月に大きく落ち込み、3月にはその反動以上に数字が伸びているのも分かる。今回更新分の8-10月においては、ユーザー数は着実に増加を続け、ページビュー数はほぼ横ばいだったが、10月にかけて再び増加の兆しが見えている。

↑ mixiのユーザー数、ページビュー数(パソコン経由とモバイル経由)推移
↑ mixiのユーザー数、ページビュー数(パソコン+Touch経由とモバイル経由)推移

以前の記事掲載後における指摘通り、前月比で考えた場合、各月の曜日・日数そのものの違いがあるため、3-5%の変移は誤差の範ちゅうとして考えねばならない。それらを前提にデータを見直すと、この3か月間は9月から10月にかけて、モバイル経由のページビュー数が大幅に伸びた(プラス7.6%)のが確認できる。これは9月6日に開始したロケーションサービス「mixiチェックイン」の効果による所が大きいと考えてよい。

mixiがモバイルSNSであることに変わりなし
次のグラフはPVにおけるPC(+Touch)・モバイルの比率だが、アプリを先行導入したことで2009年9月-10月はパソコンがやや押し返したものの、モバイル版導入後の2009年11月以降は逆に押し戻され、むしろモバイルの数値増加が加速しているのが見て取れる。直近3か月においては比率は(上記「mixiチェックイン」効果もあり)再びモバイル率が増加。今やパソコン(+スマートフォン)のページビュー数はページビュー全体の六分の一程度でしか無い。

↑ PVから見たmixiのモバイル・PC率推移
↑ PVから見たmixiのモバイル・PC率推移

「このままではパソコンのページビュー数は1ケタ台%に落ち込んでしまう可能性すらある」とはここ数回定番化している言い回しだが、モバイル利用を前提とした、あるいはモバイル系の方が使いやすい新サービスが今後も次々に登場すれば、それが実現する可能性は十二分にある。

高年齢化の傾向あり?
決算説明会資料には他にも多数の興味深いデータが掲載されている。そのうちmixi会員の年齢階層比率をグラフ化し、その傾向を眺めてみる。

↑ mixi会員の年齢階層別比率
↑ mixi会員の年齢階層別比率

2010年9月末時点では最多階層が20-24歳であることに違いはないが、モバイル会員の方が若手が多いことが容易に把握できる。特に20代前半におけるモバイルユーザーの密度の高さ(三分の一超)が分かる。

これを前回・前々回、つまり2か月前・6か月前のデータ(なぜか資料に掲載されたデータは等間隔ではない)と比較すると、別の動きが見えてくる。

↑ mixi会員の年齢階層別比率(全ユーザー)
↑ mixi会員の年齢階層別比率(全ユーザー)

↑ mixi会員の年齢階層別比率(モバイル)
↑ mixi会員の年齢階層別比率(モバイル)

前回記事では「一過性かもしれない」とした傾向だが、今回のグラフ化で明らかに、

・最多年齢階層の20代前半、及び10代後半層の割合縮小
・15-17歳層の増加
・30歳代以降の増加

の傾向が確認できる。利用継続者がそのまま歳を取ることによる所属年齢階層のスライド化が一因として挙げられるが、同時にソーシャルメディアが社会全体に認知・利用されつつあることの流れも少なからぬ影響を与えていると考えてよい。



向いているベクトルが微妙に違うとはいえ、同じソーシャルメディアという土俵の上で、海外からはFacebookの「黒船来襲」、国内からはGREEやモバゲータウンの飛躍など周囲が騒がしい昨今。mixiも次々と新しい手を打ち、足場を固めている。本文中の「mixiチェックイン」などが好例。招待制を無くしたことでいわば「割り切った」形となったmixiが、他のソーシャルメディアには無い「色」を残しつつさらなる高みに登るには、何が求められているのだろうか。今後も注意深く見守りたいところだ。

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