「雑誌」の落ち込み具合が厳しい、ネットは大健闘(電通・博報堂売上:2010年10月分)

2010/11/11 07:04

【博報堂DYホールディグス(2433)】は2010年11月10日、同社グループ主要3社の2010年10月における売上高速報を発表した。これで[電通(4324)]が先の2010年11月8日に発表した単体売上高と合わせ、日本国内における二大広告代理店の直近月における売上データが出そろった事になる。今記事では両社の種目別売上高前年同月比をグラフ化し、広告全体及び両社それぞれの広告売上動向を眺めてみることにする。

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データ取得元の詳細、各項目に関する算出上の注意事項は【定期更新記事:電通・博報堂売上動向(月次)(電通・博報堂)】にまとめてある。そちらで確認してほしい。

二大広告代理店の2010年10月分種目別売上高前年同月比
↑ 二大広告代理店(電通・博報堂)の2010年10月分種目別売上高前年同月比

今月も各項目を両社間相違の視点で見れば、「博報堂より電通の伸び率が良い」項目が多数存在する状況に変わりは無し。ただしラジオ分野に限れば、今月は博報堂の方が大いにマシな正体になっている(プラスでは無い)。もちろんこれは個々の会社の前年同月比であり、額面の上では電通の方が上。今項目ラジオ分野なら、電通は13.8億円、博報堂は11.4億円(3社合計)という数字を出している。

今月も特に大きな、変異のある動きは確認できず「相変わらず」という感が強い。あえて二つほどチェックを入れるとすれば、まず一つは紙媒体、特に「雑誌」の落ち込み具合が厳しい事。例えば1年前の記事【電通と博報堂の種目別売上高前年同月比をグラフ化してみる(2009年10月分)】によると、2009年の10月において、その1年前と比較して「新聞……電通-12.7%・博報堂-18.9%」「雑誌……電通-32.0%・博報堂-20.7%」という値を出している。ここからさらに今回月では、電通の新聞部門以外はマイナス、特に博報堂では20-30%ものマイナス値を出していることを確認すると、雑誌分野の苦境があらためて認識できる。

そしてもう一つはテレビ部門の復調。昨月でも一部プラスを見せたテレビが、今回月では両社ともプラスに転じている。10月はドラフト会議、プロ野球のリーグ優勝選、チリ落盤事故、フィギュアスケートなど、中堅モノのネタが相次いだのは記憶に新しいが、ここまでの復調はやや首を傾げたくなるところ。2009年の10月分のデータを見ても「大きな下落の反動」というわけでは無く、一方でテレビ局のIRでは確かに収益の回復をうたう文言がちらほらと見え始めたものの、視聴率や番組の質の漸減傾向は続いている。CMを出稿する広告主の顔ぶれが変わったのか、それとも何か他に要因があるのか、果ては短期的なリバウンドを見せているだけなのか。ここしばらくは注意深く見守る必要がある。

4大既存メディア、特に新聞と雑誌の紙媒体では、電子書籍周りで大きな動きを見せ始めている。「世界全体の風潮に追随する形で」という考え方もあるが、むしろ「現状打開のための必死さ」と見た方がよいだろう。果たして代理店ペースですら毎年10%単位での広告費マイナスを見せる両媒体の「革新」が間に合うのか、あるいは「真の」革新への歩みそのものが確かなものなのか。それは関係者一人ひとりの真剣さ・本気度によるところが大きいといえよう。

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