「Yahoo後退」「Facebook前進」、そして…米主要通販サイトへのリンク元を調べてみる(2010年11月版)

2010/11/08 05:09

FacebookとTwitter(ツイッター)以前OneUpWebにて公開されたアメリカの年末セールにおけるインターネット経由の小売業の動向を分析した【The 2009 Holiday Special Report】を元に、ウェブサイトの情報提供サービス【Alexa】を利用して、アメリカの主要通販サイトの利用者がどのサイトから来訪しているかについてまとめた記事を展開した。また、その半年後、やや細かい視点から同様にチェックを入れている。今回は前回から約半年経過し、通販サイトにどのような変化が起きているかを見るために、前と同じ方法でデータを取得し、グラフ・表組化してみることにした。

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Alexaには各ドメイン毎に多種多様な視点からのデータを一般に公開している。その中で、「Clickstream(クリックした上での視聴者の流れ)」のうち、「Upstream Sites」のデータを元に表組みを行う。このデータは「上流サイト」を意味し、該当ドメインに来る「前」に、視聴者が見ていたドメインがユーザ数の多い順に表示されるというもの。原文は「Percent of total visits to *******(ドメイン名) preceded by a visit to the upstream site.」なため、正確には「”そのドメインへの来訪者全体のうち”直前に見ていたドメイン」ということになる。

↑ amazon.comの事例。Clickstreamをクリックして、Upstream Sitesの並び・値を抽出する
↑ amazon.comの事例。Clickstreamをクリックして、Upstream Sitesの並び・値を抽出する

対象とするアメリカの通販サイトは、以前の記事と同様にAmzon.com、Walmart.com、Bestbuy.com、Sears.comの4社。利用はともかく一度くらいは名前を聞いたことはあるだろう、世界的にも有名な通販サイトばかり。今回のグラフ作成にあたってはベスト5と、10位以内に確認できたソーシャルメディアのみを収めることにした。

まずはAmazon.com。

↑ Amazon.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年11月時点)
↑ Amazon.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年11月時点)

googleの圧倒的な強さは相変わらず。Facebookは順列こそ変わらないが、比率は0.7ポイントほど上昇しており、影響力が強まっているのが分かる。ツイッターはやや減少。

次いでWalmart.com。

↑ Walmart.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年11月時点)
↑ Walmart.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年11月時点)

こちらもgoogleが圧倒的。ヤフーの影響力は前回よりやや減退。FacebookもAmazon.comも、前回より多少ながらもポイントを増加。そして前回はお見かけしなかった、scene7.com(Saas型のサービス。eコマース向けのサイト構築・運営ツールのようなもの)が確認できる。

日本ではあまりなじみの無いBestbuy.com。

↑ Bestbuy.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年11月時点)
↑ Bestbuy.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年11月時点)

5位以内では順位の変動が無く、こちらもやはりgoogle、ヤフーのトップ2。ただしヤフーはやや減退し、Facebookとアマゾンが多少上げている。

最後はSears.comことシアーズ。大手の百貨店でカタログ通販でも有名。5年ほど前にKマートと合併を果たしている。

↑ Sears.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年11月時点)
↑ Sears.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年11月時点)

最後のサイトは前回から比べて大変動が起きている。Sears.comの内部的な別ドメインで実質自サイトドメインのshild.netがトップから第二位に転落し、シェアも10ポイント以上下落している。一方でgoogle.comは前回より4ポイントほどシェアを上げ、大きく躍進。またamazon.comやFacebook.comも地味ながらも上昇が確認できる。

今回の調査結果と以前(半年ほど前)のとを比べた上で、現状の動向もあわせて箇条書きにすると次のようになる。

・半年ほどの間で「通販サイトに利用者を誘導する」という視点では、ソーシャルメディアの影響力にダイナミックな動きは起きていない。
・通販サイトへの誘導という点では
  Googleの圧倒的な強さ、ヤフーの影響力はその数分の一
  ソーシャルメディアはFacebook、ツイッター、YouTubeなどが顔を見せるが、まだ強い影響力を発揮するまでには至っていない
・他の通販サイト同士で利用者を渡し合う傾向がある(価格等の比較をしているのかも)
・検索エンジンではGoogleの強靭化、ヤフーの減退化が確認できる。また、Amazon.comやFacebookも地味ながら確実にシェアを広げつつある。

要は半年前と大きな違いは見られないものの、細かな部分で時代の流れが香りを漂わせている。Facebookは利用者数が急増しているから当然としても、Amazon.comが確実な伸びを見せているのは意外なもの。



今データはあくまでも「アクセス誘導元」の数。いわゆる「コンバージョン率(サイト訪問者数に対し、実際に取引や契約に結びついた人の割合)」は考慮されていない。例えば検索サイトから100人が来訪しても1人しかお買い物をしなかったら(コンバージョン率は1%)、ソーシャルメディアから10人しか来訪しなくてもそのうち2人がお買い物をしてくれた方が(コンバージョン率は20%)、通販サイトとしてはありがたい。

そして【世界各国のネットユーザーにとって「信じられるメディア情報」順位をグラフ化してみる】などにもあるように、

・検索をする時点で「情報を知りたい」という強い願望があるため、検索結果経由で来訪する顧客のコンバージョン率は高い
・他人発信の「口コミ」(知人などの発する情報)は、「強い願望」と「他人に裏付けされた信用」が加わるため、単なる自分発の願望による検索以上に強い購買意欲を呼び起こす
・つまり、コンバージョン率において「検索経由」<<「ソーシャルメディア経由」となる可能性は高い

と考えられる。例えば著名アナリストが「この新刊は大変役に立ちましたよ」と提示した書籍、アニメ系の有力情報発信元のブログで「●×のサントラCD、アマゾンで予約受付開始」と告知されたCDを、そのブログの読者が購入するシーンは容易に想像できる。

そのような「お勧め」「公知」がひんぱんに発生しうるのが、Facebookをはじめとしたソーシャルメディア。今後利用者・来訪者数がさらに増えれば、コンバージョン率の高さは強力な武器となる(高い確率の人、つまり「優等生」が人数的にもたくさん来るのだから)。例えばFacebookのファンページやグループなど、特定の考えを持つ人たちが集まるコミュニティ内でのおすすめ情報なら、最初からその「特定の考え」に対する共通点を持っているため、さらに高いコンバージョン率が期待できる(例えばアイドルのファンページ内で、管理側が「新曲、アマゾンで予約受付開始」と、アマゾンへのリンクと共に公開したら、多くのアクセス者は閲覧し、購入を検討するに違いない)。Facebookを用いた企業キャンペーンが注目され、効果を上げている要因の一つはこれである。

また、Amazon.comがコミュニティ的な利用性向が強まったせいか、影響度が増しているのも気になる。あるいは例の電子書籍端末「キンドル」の普及も一役買っているのかもしれない。

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