広告収入減少具合ハンパ無し・新聞業の売上高動向(2010年発表)

2010/10/29 12:00

先に【新聞社従業員の部門別推移をグラフ化してみる】で日本新聞協会が提示しているデータを元にして、新聞業界の従業員数推移を精査した。新聞は記録をつづり世に広く知らしめて蓄積するのを存在意義としているわけで、自らの情報についても積極的に開示することで、「隗より始めよ」を言葉通り実践している。この点は積極的に広く賛美されるべき点といえる。今回は公開データの中から、新聞業全体の売上推移と、その前年比変化率についてグラフし、昨今の新聞事情を推し量ることにした。

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データ取得元は【新聞の総売上高の推移】。ここから新聞業全体(日本新聞協会が把握している範囲で、という意味)の売上高、及びその部門別額の移り変わりをグラフ化する。元データでは2002年度において「暦年」から「年度」に変更しており、この変更を無視してグラフ化すると2002年前後がおかしなことになるので、年度切り替えを果たした2002年度以降のものについて生成した。

↑ 新聞業の総売上高の推移(億円)
↑ 新聞業の総売上高の推移(億円)

2005年度に総額で一時盛り上がりを見せているが、それを除けば総じて減少傾向。特に赤茶色部分「広告収入」の減り方が急激なものであるのかが分かる。一方で販売収入(要は新聞を売ったことによる売上)は大した減り方では無い。【読売1000万部維持、毎日は前期比マイナス3.85%…新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2010年前期分データ更新・半期分版)】【新聞のいわゆる「押し紙」問題を図にしてみる】などと合わせて考えると、やや首を傾げざるを得ない数字ではあるが、単価の値上げもあることだし、今件データだけではこれ以上の精査は難しい。

さてこの数字を元に、変化が分かりやすいように「前年度比」を算出したのが次のグラフ。2005年度以降、特に2007年度以降にかけて「広告収入」の減少ぶりが著しいことが再確認できる。

↑ 新聞業の総売上高の推移(億円)
↑ 新聞業の総売上高の推移(億円)

2009年度は前年度比で15.6%のマイナス。2002年度時点では総売り上げの32.5%を占めていた広告収入も、2009年度では23.9%でしかない。実に8.6ポイントものマイナス。

広告の掲載「量」が減退しているのはすでに【新聞の広告掲載「量」と「率」をグラフ化してみる】でお伝えしている通り。量が減り、単価が減ってしまえば、売上が落ちるのも当然の話ではある。昨今の新聞業界における経営の困難さは、少なくとも売上高の面では広告費の急激な減少が最大要因であると見なして良い。インターネットなどライバルの増加による競争激化に伴う単価引き下げ、発行部数低下に伴う媒体力の低下、そしてコンテンツそのもののクオリティの問題など、想定できる要因は複数考えられ、どれも多かれ少なかれ当てはまりそうではある。


ちなみに先日別の記事で、新聞広告費の推移をグラフ化した。

↑ 新聞広告費(億円)
↑ 新聞広告費(億円)(再録)

これは各企業が新聞掲載のために支払った金額。新聞社が受け取った、つまり売上として計上した額との間には大きな差異がある。姉妹サイトでの【新聞の広告出稿マージンって3割くらいなのかな?】【広告業界や代理店の仕組みが分かるステキなレジュメ】などで概要を触れているが、広告代理店の手数料やその他諸経費などがこの差異に該当すると見てよいだろう。

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