営業部門が再び削減対象に…新聞社従業員の部門別推移(2010年発表)

2010/10/26 12:05

以前【朝日・産経・毎日新聞社の稼ぎ具合をグラフ化してみる】【新聞のいわゆる「押し紙」問題を図にしてみる】などで新聞社の経営動向などをチェックしてみた。その後も電通・博報堂の売上推移や経済産業省の広告費売上高などで推移を見守っているが、少なくとも広告費の面ではあまり良いとは言えない状態。また先日掲載した【読売1000万部維持、毎日は前期比マイナス3.85%…新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2010年前期分データ更新・半期分版)】の数字を見ても分かるように、発行部数の動向も思わしくない。一方先日テレビ東京が発表した、親会社の日本経済新聞社の【中間決算短信(PDF)】を見ると、売上は落ちているものの販売費や一般管理費などを大きく削り、利益を上乗せしている様子が確認できる。そこで今回は新聞社全体において、経費の少なからぬ部分を占める人件費を推し量れる、従業員数の推移をグラフ化し、動向をチェックすることにした。

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データ取得元は日本新聞協会の【調査データ中「部門別従業員数の推移」】。新聞社全体の大まかな部門区分別従業員数の推移が記されている。公開されているデータを元に、まずは積み上げグラフを生成する。従業員総数が漸減しているのが確認できる。

↑ 新聞社・部門別従業員数の推移(各年4月時点)
↑ 新聞社・部門別従業員数の推移(各年4月時点)

また、ぱっと見ではあるが、一番下の層「編集部門」がさほど変わらず、その上の「製作・印刷・発送部門」が大きく数を減らしているのが分かる。後者は提携によって他社と共有化したり、技術やシステムの進歩向上で投入すべき人員数を減らすことができるようになったため、と見てよい。

続いてこれを前年比推移でのグラフで見てみる。せっかくなので計算した結果の表も併記しておく。


↑ 新聞社・部門別従業員数の推移(前年比)
↑ 新聞社・部門別従業員数の推移(前年比)

各部局内部での新陳代謝(定年退職する人や新入社員の数の違い)もあり、一概に人数だけですべてを断じるのはやや無理があるが、

「製作・印刷・発送部門は前々から人員削減が進んでおり、そろそろ限界が見えてきている」
「出版・事業・電子メディア部門は最近は増加傾向。電子メディア方面の増強が行われている様子」
「営業部門が再び削減対象に」
「編集部門は比率的にはあまり動きはナシ」

などの動向が見て取れる。今後はさらに営業部門の削減か、半ば聖域化されている編集部門にもざっくりとメスが入る可能性はある(ただしこの部分の削減はクリティカルな質の低下を招きかねない)。

紙媒体における「新聞」の売上が今後増加する見込みは立ちにくい。デジタル方面での収益化も模索段階で、紙媒体を補完するまでには至っていない。売上の減退は販売収入と広告収入を同時に削り取り、新聞社の体力をますます減らしていく。経費部門で大きなウェイトを占める人件費をいかに効率化しつつ、「商品」の質を維持しつづけるのか。今後の課題のハードルは決して低くは無い。

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