スーパーやデパートの主要商品構成比の移り変わりをグラフ化してみる

2010/10/24 07:26

デパート先にチェーンストア(スーパーやデパート)の売上高の月次レポートを記事にしたが、これらの店舗では「食品項目」の売上高が大きな割合を占めているのはご承知の通り。しかしいわゆる「デパ地下」(デパートの地下にある食品売り場)という言葉が大きく取り上げられるようになったのは、今世紀に入ってからの話。それまではデパートの食品売り場がそれほど大きなウェイトを占めていなかったように思えた、あるいは子供の時にデパートに連れて行ってもらった時のイメージと違うな……ということで、今回はスーパー・デパートの主要商品項目の売上高における移り変わりを見てみることにした。

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データの取得元は【百貨店やスーパーの分野別売上高推移をグラフ化してみる(2010年2月版)】の時と同じく【経済産業省の商業動態統計調査】【統計表一覧】。百貨店とスーパーの合計、それぞれ別個のデータが記載されている。当サイトで業界団体(日本チェーンストア協会)発表の売上高を定期更新している「チェーンストア」とは、「百貨店」か「デパート」の違いがあるが、表記上の違いでしかないと見なしてよい(【百貨店 衣料品客離れていく 行き着く先はモールとネットに】で説明しているように「日本チェーンストア協会に加盟している大規模店舗で展開する総合小売業者がデパート、日本百貨店協会に加盟している大規模店舗で展開する総合小売業者が百貨店」という程度)ので、同一視して問題ない。

デパートまた、主要品目の区分だが、日本チェーンストア協会のものと商業動態統計調査とでは微妙な食い違いが見られる。区分構成は【利用上の注意】にあるが、例えば「サービス」「その他」の区分が見当たらないし、具体的商品で見ると「かばん」は日本チェーンストア協会では住関品扱いなのに対し、商業動態統計調査では身の回り品として衣料品扱いされている。よって今件は主要テーマ「スーパー・デパートにおける、食料品と衣料品の売上ウェイトを見るためのもの」とし、毎月の日本チェーンストア協会発表による記事区分とは別物と見なしてほしい。

さて肝心の、主要品目別売上構成比だが、次のようなグラフになった。当方の記憶、あるいは予想通り、かつては衣料品の方がウェイトが大きかったものの、「デパ地下」という言葉が露出しはじめた20世紀末-21世紀初頭にかけて食料品との逆転現象が起きている。

↑ 百貨店+スーパーにおける主要品目別売上構成比
↑ 百貨店+スーパーにおける主要品目別売上構成比

思い返してみればお分かりの通り、衣料品と食品とでは「商品単価」がまるで違う。大根一本とスーツ一着が同じだったら、主婦は卒倒してしまうだろう(どちらかの値段に沿ったとしても)。そして商品の回転率もまるで別物。売り場によって明確な区分分けがされているとはいえ、商品の売上高構成比の変化と共に、百貨店やスーパーのビジネススタイルが少しずつ様変わりしているようすもうかがい知ることが出来る。やはりデパートは少しずつ「衣料品のデパート」から「衣料品も売る、食品のデパート」というスタイルに移り変わりつつあるようだ。

せっかくなので全売上高に対する比率の他に、単純に売上高の積み上げグラフを創っておく。これを見るとちょうど「衣料品と食料品の売上高構成比順位が入れ替わる」タイミングで、総売上高が天井を打ち、その後は漸減しているようすが分かる。

↑ 百貨店+スーパーにおける主要品目別売上構成比(兆円))
↑ 百貨店+スーパーにおける主要品目別売上構成比(兆円)

やはり売上高の面から見る限りでは、1990年後半がデパートなどのターニングポイントだと考えて良いだろう。とりわけここ数年の不景気の中でデパートなどの経営悪化が取り沙汰されているが、問題そのものは10年前ほど前から、あるいはさらにさかのぼり、衣料品の構成比が減少を見始めた1990年前後(20年ほど前)から確認できたということになる。

デパートという店舗スタイル上の問題なのか、それとも単に環境の変化に応じた改善の模索と実行が足りないのか。このデータだけでは判断が出来ない。ただ、何もせずに手をこまねいているだけでは、状況の改善が見られないことだけは確かである。

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