借金合わせたらどうなるか…一人暮らしの貯蓄・負債・純貯蓄高をグラフ化してみる(2015年)(最新)

2015/10/08 11:07

先行記事【若者の貯蓄は男性190万・女性140万円…一人暮らしの平均年収や貯蓄高をグラフ化してみる(2015年)(最新)】において、総務省統計局が2015年9月30日に発表した【「2014年全国消費実態調査」】のうち【「単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」】の公開値を元に、一人暮らし世帯における平均的年収や貯蓄高の現状を確認した。これらはあくまでもお金の入り具合、貯めている現状のみを示しており、同時に抱えているであろう負債に関しては考慮されていない。そこで今回は各種負債、さらにはその負債も考慮した上での純貯蓄額を考察していくことにする。

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男女で大きな違いを見せる単身世帯の負債状況


今調査の調査要目は先行する記事【普通乗用車より軽自動車が所有される時代…自動車の車種・世帯種類別普及率をグラフ化してみる(2015年)(最新)】を参照のこと。

まずは純粋な負債額。年齢階層・男女別ではあるが、単身世帯のうちそれぞれの属性における平均値であることに注意。

↑ 年齢階級別負債現在高(単身世帯、男性)(万円)(2014年)
↑ 年齢階級別負債現在高(単身世帯、男性)(万円)(2014年)

↑ 年齢階級別負債現在高(単身世帯、女性)(万円)(2014年)
↑ 年齢階級別負債現在高(単身世帯、女性)(万円)(2014年)

男女とも青色、つまり不動産関連の負債が大部分を占めている。「単身世帯のうちそれぞれの属性における平均値であることに注意」としたのはこの点。不動産を購入していない人は丸々この負債の分が無くなるので、当然負債額も大きく減る。ただし今件は単身世帯全体の平均値について考察しているので、その点まではこの項目では考慮しない。

男性60代で大きく「住宅・土地以外の負債」が増えているが、この項目に係わる解説は「生活に必要な資金、個人事業に必要な開業資金、運転資金などを借り入れた場合の未払残高」とある。早期定年退職制度を活用するなどで起業をする人、あるいはすでに起業している人による運転資金の借り入れの影響か考えられる。

また、女性が40代で急激に不動産関連の負債が増加するのも注目に値する。やはりこれも推測でしかないが、独身女性の一心発起による住宅購入のタイミングが、この年齢階層にある可能性は低くない。実際、【一人暮らしの女性の決断? 男女別単身世帯の分譲マンション比率をグラフ化してみる】などでも同じタイミングで住宅所有が増加しているのが確認できる。

男女の縦軸、つまり金額の仕切りを揃えてあることを思い返すと、女性の負債が少ないのにも気が付くはず。40代から50代にかけてやや不動産の負債が大きくなるが、それも一時的なものに過ぎない。30代までは100万円にも満たない値に留まっている。

さてそれでは「貯蓄額」から「負債額」を引いた、「純貯蓄額」を算出する。繰り返しになるが、負債の多くは住宅ローンで、住宅ローンを他の通常の負債と一括して考えて貯蓄と相殺するのはやや難がある。住宅そのものが換金率の低い財産であり、住宅の所有は蓄財に他ならないとする見方もできるからだ。今件はあくまでも金額負担の上での負担、指標程度のものとして見てほしい。

↑ 男女・年齢階級別純貯蓄額(現在貯蓄額−負債)(単身世帯)(万円)(2014年)
↑ 男女・年齢階級別純貯蓄額(現在貯蓄額−負債)(単身世帯)(万円)(2014年)

30代では男性がマイナス値を示しており、やや無理をしてでも一人暮らしの男性のうち住宅を取得しているケースが多いことがうかがえる。そして50代・70代で多少ながらも逆転現象が起きるが、概して男性より女性の方が純貯蓄額が大きい。また歳を重ねるに連れて住宅保有者もそのローンを完済し、余力ができた分を蓄財に回せることから50代以降は額面が大きなものとなり、60代では退職金でその額は最大値を示すのは、男女共に変わらない。

いずれにせよ、負債を考慮した純貯蓄額においても、女性の方が額面が大きいことに違いは無い。全体平均でも300万円ほどの差が生じている。

一人暮らしの住宅事情


良い機会でもあるので一人暮らしの生活に関して、貯蓄額とは直接関係は無いものの、間接的には大いに影響を及ぼす住宅周りの状況をいくつかの視点から確認しておく。

まずは住宅・土地のための負債保有世帯率。これは上記でも言及した住宅ローンを支払っている人の割合。注意しなければならないのは、回答時に支払いをしている人の値であり、住宅を所有している人の割合では無いこと。つまり住宅ローンを完済した、あるいは譲り受けや一括払いで取得し、現在持家に住んでいる人も、回答時点で住宅ローンを支払っているわけではないので、今グラフの値には反映されていない。

↑ 住宅・土地のための負債保有世帯率(単身世帯)
↑ 住宅・土地のための負債保有世帯率(単身世帯)

全体値は男女とも前回調査時からほとんど変化が無いが、男性は若年層におけるローン負債組が大きく増え、中堅層以降が減っている、女性は中堅層以降が大きく増える現象が起きている。直上の純貯蓄額と合わせて考えると、男性の若年層における額面が低くなってしまうのは、住宅ローンの負担が大きいことがあらためて認識できる。

それでは実際の持家率はどのような状況だろうか。持家率と不動産による負債率が分かれば、持家がありその家の負債を持たない、つまりローン完済か一括払いか、あるいは譲渡による取得などによる住宅所有比率が算出できる。その結果が次のグラフ。これに該当しない人は、賃貸住宅住まいか、あるいは他世帯に居候していることになる。

↑ 単身世帯の持家(現住居)に係わる負債状況(2014年)
↑ 単身世帯の持家(現住居)に係わる負債状況(2014年)

男性40代まではローンを抱えたままの住宅に住んでおり、50代でようやくローンからの離脱組が持ち家住宅居住派の半分を超える。ところが女性は30代まではほとんど持家に住まないが、40代でいきなり6割が持ち家派となり、しかもその過半数はローンを有していない。即金で一括購入、遺産相続いずれのパターンまでかは今件調査結果からは確認できないものの、上記で記した別途記事や巷でよく聞かれる話、中堅層以降の独身女性が将来に備えて持ち家を取得する動きが、あながち絵空事ではないことがうかがえる。

先行する記事にある通り、単身女性は男性よりも年収こそ低いものの、貯蓄額は中堅層以降で同レベルの値を示し、今回試算した純貯蓄額でも大きな違いを見せないどころか男性を上回る値を示している。女性のそろばん勘定の巧みさは、男性を超えた領域にあるようだ。


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