一人身生活の友、本やCD、ゲームをネット通販で購入しているか…単身世帯における教養娯楽品のネット通販での購入比率の移り変わり(最新)

2021/08/29 03:13

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2021-0812配偶者や子供との同居生活と比べて一人暮らしでは、何かと自身の趣味への出費に対し、甘い判断をしがちとなる。自分の趣味に理解を示していない(かもしれない)相手の目を気にすることなく、購入の判断ができるからだ。一方でインターネットの普及に伴い急速に利用する人が増え、サービスも充実しつつあるインターネット通信販売(ネット通販)は、特に趣味関連商品において、その利便性を存分に発揮しつつある。自らが欲しいジャンルの商品に関して続々新着情報を伝え検索対象に加えて来るだけでなく、インターネットのさまざまな情報発信元から多様な購入衝動を駆りたてるレポートが配信され、ネット通販サイトで即時にその衝動を体現化できる仕組みが用意されているからだ。今回は総務省統計局が2021年5月18日まで発表した【2019年全国家計構造調査】の公開値を基に、単身世帯の教養娯楽費に関して、ネット通販の利用状況の変化を見ていくことにする。

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今調査の調査要目は先行記事【食費の割合が減り、家賃負担が増加…一人暮らしをする若者のお金の使い道の実情(最新)】を参照のこと。また、「その他」項目に関係する諸問題は、【「高齢単身者のコンビニ離れ」…一人暮らしでの買物先の実情(最新)】で確認してほしい。

今回焦点を当てるのは、消費支出のうち「教養娯楽」に該当する部分で、購入先が明確化している金額のうち、「通信販売(インターネット)」に該当する金額の比率。例えば2004年の30歳未満は9.4%とあるので、教育娯楽に該当する商品を(購入先が明確なものに関して)1万円分買った場合、そのうち940円はインターネット経由での通信販売で調達していたことになる。また教養娯楽の内容だが、区分を解説する【支出分類】で確認すると、家電製品やゲーム(コンテンツ利用料も含む)・音楽関連、ペット周辺、書籍や新聞などの紙媒体、各種通信費、旅行費用、習い事などが該当する。

さらに「通信販売(インターネット)」は2004年分調査以降にしか該当項目が無いため、都合3回分のデータ精査となる。2014年以降がそのままの値と「その他」を除外した再計算による値で併記されているのは上記説明の通り)。

なお年齢階層別の区分だが、本来は30歳未満・30-59歳・60歳以上の3区分で検証するべきなのだが、2019年分について30-59歳の区分が非公開となっているため、経年推移の検証が可能な30歳未満と60歳以上のみに絞って検証する。

↑ 費目別支出金額の購入先別割合(単身世帯、教養娯楽で「通信販売(インターネット)」の利用割合)
↑ 費目別支出金額の購入先別割合(単身世帯、教養娯楽で「通信販売(インターネット)」の利用割合)

調査4回分しか推移を見られないのが残念だが、おおよその階層で漸次増加が確認できる(30歳未満では直近年で多少の減少が生じているが)。60歳以上の高齢層でも大きな増加を示しているのは注目に値する。アマゾンや楽天市場をはじめとした、インターネット通販のモールサイトのサービスが充実し、より多くの人に使われるようになり、さらには手軽にインターネットへアクセスできるスマートフォンの普及に伴いスマートフォンにも対応することで、特に書籍やCDなどの低額娯楽系アイテムで多用されるようになった証でもある。ちなみに別調査【スマホの利用ぶりやソーシャルメディアの影響力…ネット通販の現状を探る(2014年)】【ネットショッピング動向の詳細】でも、インターネット通販で大いに購入される商品の上位には、教養娯楽関係のものが連なっている。

↑ インターネットを利用した支出明細(二人以上世帯、非利用世帯も含めた平均、円)(2021年6月)(再録)
↑ インターネットを利用した支出明細(二人以上世帯、非利用世帯も含めた平均、円)(2021年6月)(再録)

30歳未満では教養娯楽への支出のうち3割以上を「通信販売(インターネット)」で購入している。2004年の9.4%と比べると3倍以上。見方を変えればそれだけ一般小売店などの実店舗での購入機会が減っているとも読み取れる。

もう一点注目すべきところは60歳以上の動向。2014年以降は確実に伸びが見られる。高齢層は「遠出を嫌う」「複数個所に分散した買い物を嫌う(行動距離が長くなるため)」傾向が強いことを考慮すれば、むしろインターネット通販は高齢者の需要にあった買物の様式と考えてよい。今後さらに「デジタルメディアの壁」を低くする努力が各関係方面に求められるのとともに、該当世代は大いに活用を試みてほしいものである。


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