一人暮らしの食生活、どこを頼りにしてきたか…過去20年間の食料の買い入れ先の移り変わりをグラフ化してみる(2015年)(最新)
2015/10/07 10:56


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今調査の調査要目は先行記事【普通乗用車より軽自動車が所有される時代…自動車の車種・世帯種類別普及率をグラフ化してみる(2015年)(最新)】を参照のこと。また、「その他」項目に関係する諸問題、各年齢階層別に2種類の値を算出する意味と検証対象を「その他」を除いた側にする理由は、【「高齢単身者のコンビニ離れ」……一人暮らしの買物先をグラフ化してみる(2015年)(最新)】で確認のこと。要は計測基準の変更などでデータの連続性への疑わしさが生じる結果が直近2014年分で生じているため、その誤差を除いて検証できるようにした次第である。
次以降に示すのは単身世帯における消費支出(税金や社会保険料をのぞいた「世帯を維持していくために必要な支出」)のうち、消費先が調査票上で明記されている、食料に該当する項目の金額に関するルート別金額シェア。食料に該当するのは料理のための材料やお弁当などの出来合い品、お酒、調味料、さらには学校給食、外食費全般も含まれる。
まずは30歳未満。

↑ 費目別支出金額の購入先別割合推移(食料)(単身世帯、30歳未満)

↑ 費目別支出金額の購入先別割合推移(食料)(単身世帯、30歳未満)(参考値:「その他」をのぞいて再計算)
若年層はコンビニを多用するイメージがあるが、時代の流れにおいてもあまり変化が見られないのは先の記事にある通り。それどころか食料に限れば、1999年以降漸減しているのが分かる。定価販売を嫌ってのものと見てよいだろう。昨今ではコンビニは惣菜関連に注力している動きもあるが、少なくとも単身若年層世帯には効果は無いようだ。
同時に一般小売店も減少しているが、これも先に説明したように「店舗減」「お値打ち商品が少なめ」、特に前者の影響が大きい。例えば昔ながらのお豆腐屋さん、八百屋さん、お肉屋さんなどがどれだけ自分の行動領域内に残っているか、改めて思い返してみれば、理解はできるはず。
代わって増えてきたのがスーパー。このことから、若年層の食生活は、「少しでも安いものを調達しよう」という意向が強まりを見せていると考えてよい。
続いて30歳-59歳。

↑ 費目別支出金額の購入先別割合推移(食料)(単身世帯、30-59歳)

↑ 費目別支出金額の購入先別割合推移(食料)(単身世帯、30-59歳)(参考値:「その他」をのぞいて再計算)
一般小売店の減少、スーパーの増加は傾向・理由共に若年層と変わりない。注目すべきはコンビニの項目で、わずかずつではあるが増加の動き示している。直近でも比率そのものは若年層にはるかに及ばないが、先の記事の全体値同様に、今後コンビニ利用比率において、逆転現象が起きる可能性は十分にある。ざっくばらんではあるが、この20年間に一般小売店での利用が20%ポイント減少し、その減った分をスーパーとコンビニが半分ずつ分け合った形となっている。
最後に60歳以上。これはもっとも「それらしい」形を見せている。

↑ 費目別支出金額の購入先別割合推移(食料)(単身世帯、60歳以上)

↑ 費目別支出金額の購入先別割合推移(食料)(単身世帯、60歳以上)(参考値:「その他」をのぞいて再計算)
かつては近所の一般小売店を多用していたが、大型スーパーの進出や地域小売店の閉店、価格の問題などで利用性向が逆転。直近では6割近くをスーパーに頼っている食生活を送っている。コンビニはわずかに4.4%。年と共に増加しつつあるが、まだ誤差の範囲でしか無い。また、デパ地下の活用もしているが、利用度合いに変化はあまり見られない。むしろ他の年齢階層では誤差範囲だったネット以外の一般通販の利用がそこそこ確認できるのが興味深い。
概要を世代別にまとめると、単身世帯の消費「食」生活上の「食料(品)」買物先としては次の通り。
●30歳未満
・一般小売店とスーパーで6割強。スーパーの利用は増加の一途で単独で過半数。
・コンビニ利用率は減少傾向。
●30歳-59歳
・一般小売店とスーパーで7割近く。スーパーの利用は増加中。
・コンビニ利用率は漸増。
●60歳以上
・一般小売店とスーパーで8割近く。スーパーの利用は6割に届きそう。一般小売店の減少傾向が著しい。
・コンビニの利用はほんの少しだが、確実に増加。
・一般小売店とスーパーで6割強。スーパーの利用は増加の一途で単独で過半数。
・コンビニ利用率は減少傾向。
●30歳-59歳
・一般小売店とスーパーで7割近く。スーパーの利用は増加中。
・コンビニ利用率は漸増。
●60歳以上
・一般小売店とスーパーで8割近く。スーパーの利用は6割に届きそう。一般小売店の減少傾向が著しい。
・コンビニの利用はほんの少しだが、確実に増加。

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