思わず耳を傾けてしまう迷子のお知らせのアナウンス広告

2010/10/19 07:10

なるほど、と思う男女デパート、百貨店のような大規模店舗になると、少々目を離したすきに子供が姿を消してしまい、迷子になってしまうことがある。あるいは逆に保護者が子供の迷子に気が付かず、迷子自身が親を探して泣きじゃくる様子を他のお客が見つけることも少なくない。そのような事態に陥った場合、保護者、あるいは子供を保護した人は店の受付・相談窓口に足を運び、場内アナウンスで「迷子のお知らせ」をしてもらうものだ。今回紹介するのは、その「迷子のお知らせ」を巧みに使い、非常に深い印象を多くの人に与える、さるボランティア協会の宣伝である(【Creative Criminals】)。

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↑ Little Robin。
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これはベルギーにある、子供の養育サポートを主事業とするボランティア団体【opvoedingslijn】によるプロモーション。同団体は教育関連の博士号を持つかそれ同等の教育・訓練を受けた要員で構成された、保護者からの電話による子供の養育相談を受け付ける団体。子供の成長過程で生じる様々な問題(特に「手がつけられなくなった」子供に関する問題)に対し、専門家の視点・経験からアドバイスを行い、保護者の悩みを解決すべく、日夜応対を続けている。

このプロモーションが行われたのは、ベルギー最大のショッピングモール。お昼時で親子連れ、あるいは子供を持つ親たちが大勢足を運ばせている時間帯。いつものごとく迷子のお知らせがモール内に響き渡る。「ロビン君のお母さん、ロビン君が受付で待ってます」。場内は「ああ、また迷子ね」とあまり気にも留めない。

↑ 「ロビン君のお母さん、ロビン君が帰りを待ってますよ」
↑ 「ロビン君のお母さん、ロビン君が帰りを待ってますよ」

しばらくすると母親がやって来たらしいのだが、その様子が何故か実況される。「ピンポンパンポーン」という音が最初にするため、案内用マイクのボタンが押されたようだ。母親のセリフによれば、ロビン君が面白がってマイクのスイッチを押したらしい。いつもとは少々違った館内放送に「おや?」と思う人もちらほら。

↑ 「ロビン、早くこっちに来なさい……それに触っちゃだめ!」
↑ 「ロビン、早くこっちに来なさい……それに触っちゃだめ!」

さらに実況は続く。子供の絶叫と親が制止する怒りの言葉、そしてそれに反発しさらに叫ぶ子供。「マイクから離れなさい!」という母親の言葉も聴き入れず、息を吹きかける始末。状況の異様さに多くの人が足を留め、耳を傾け、聴き入るようになる。あるいは子供のやんちゃぶりに(自分自身も同じような経験をしているからか)苦笑いを浮かべる女性の姿も。

↑ 苦笑いを浮かべる女性も
↑ 苦笑いを浮かべる女性も

しまいに子供はかんしゃくをおこし、母親を殴りつける。殴打の音と「なんてことなの」という母親の悲鳴。そして何かが壊れる破壊音、子供の絶叫と共に母親が助けを求め泣き叫ぶ声が。「誰か私を助けて! ロビンったら!」。無茶苦茶な展開に、「これ、本当なの?」と不安がる人、「芝居かも」と気が付き笑いだす人も。

↑ 「誰か私を助けて! ロビンったら!」
↑ 「誰か私を助けて! ロビンったら!」

そして協会からのメッセージが流れる。「子供の成長は時として親に様々な困難を与えます。それが私たちOpvoedingslijnの存在理由なのです。保護者の皆さんに適切なアドバイスを提供するホットラインを提供します。電話番号は……です。Opvoedingslijnは、手がつけられなくなった子供のための応急セットのようなものですよ」。そこで一連の「ロビンと母親のドタバタ劇」を気にしていた人たちは、これが「手がつけられなくなった子供を抱える、悩める親たちのためのホットラインのプロモーション」であることに気が付く次第。

↑ 「なるほど」と納得し、ほっと胸をなでおろす人たち
↑ 「なるほど」と納得し、ほっと胸をなでおろす人たち

冒頭でも解説したが、今件はお昼時のショッピングモールで展開されている。一連の「ドタバタ劇」を耳にした人の中に、子供を抱える親(特に女性)は相当数いたに違いない。今回は寸劇だったが、実際にこのような「子供が手がつけられないほど暴れる事態」は容易に想像ができる。すでに似たような経験を持つ保護者もいるだろうし、「もしかしたら」と不安を覚える人も少なくあるまい。

それらの親の胸に、ロビン君とその母親のドタバタ、そしてホットラインの存在はきっと深く刻まれるに違いない。

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