一人身生活、食品は世代を超えてスーパーが頼り…世代毎の一人暮らしにおける食品・教養娯楽品の購入先をグラフ化してみる(2015年)(最新)

2015/10/06 15:20

結婚前、あるいは定年退職後の高齢者においても、一人身の生活では他の世帯構成員の目を気にしなくてもよいため、食事や趣味趣向品への金銭感情が甘いものとなり、ついつい無駄遣いをしてしまう。あるいは一人身だからこそそれらに注力し、寂しさをまぎらわせるとも解釈できる。今回はそのような一人身暮らしの人が日常生活の上で調達する食料や教養娯楽品に関し、どのようなお店から購入しているかについて、総務省統計局が2015年9月30日に発表した、【「2014年全国消費実態調査」】のうち、【「単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」】の公開値を元に、その実態を見ていくことにする。

スポンサードリンク


今調査の調査要目に関しては先行記事となる【普通乗用車より軽自動車が所有される時代…自動車の車種・世帯種類別普及率をグラフ化してみる(2015年)(最新)】内の説明で確認のこと。

今回確認するのは単身世帯における男女・年齢階級別の、食料、教養娯楽方面の支出に関して、金額面から眺め見た店別のシェア。例えば食料における男性30歳未満の一般小売店は5.4%との値が出ているが、これは男性30歳未満が食料の類を購入する際、食料調達用に支出した全金額のうち5.4%は、一般小売店から買っていることを意味する。なお百貨店は【百貨店 衣料品客離れていく 行き着く先はモールとネットに】で説明の通り、事実上デパートと同じ。

また【「高齢単身者のコンビニ離れ」……一人暮らしの買物先をグラフ化してみる(2015年)(最新)】で詳細の説明をしている通り、2014年分の全国消費実態調査の消費支出金額における購入先の調査結果では、半分前後の額が「その他」に割り振られる不可解な数字が出ている。実際、今回の項目では最大で6割強が「その他」の値を占めている属性がある。そのため、精査に関しては特記無き限り、この「その他」をのぞいた上で行うことにする。

まずは食料。

↑ 年齢階級・性別の消費支出金額購入先割合(食料・単身世帯)(2014年)
↑ 年齢階級・性別の消費支出金額購入先割合(食料・単身世帯)(2014年)

すべての階層でスーパー(赤着色部分)が最大値を占めており、かつ年齢が上がるほど増加する傾向にある。【高齢者もネットショップやスーパー、コンビニへ】のデータ、具体的には高齢者ほどスーパーマーケットを多用する消費性向を有する、が裏付けられた形だ。また、それ以外では

・一般小売店は男性より女性の方が多用している。

・コンビニは年齢が上がると利用度合いは極端に減る。

・百貨店(=デパート→デパ地下食品街)は世代が上がると利用度合いが増加する。女性の60歳以上ではコンビニ以上の利用を示している。同じような傾向は生協・購買」にも見受けられる。

といった具合である。【6年連続経常利益をはじき出す「ダイシン百貨店」のレポートから、デパート不況打開の糸口を考えてみる】などでも解説しているが、高齢者になると行動範囲が狭まり、できるだけまとまった場所での買物を好む傾向がある。

だからこそスーパーは重宝され、歳と共にデパート(デパ地下の食品街)が多用されるようになる。色々とまとめて購入できる生協・購買も、利用頻度が高まる。コンビニも色々な商品が展開されている点では似たようなものだが、品ぞろえが中途半端で、食品では若年層向けのものが多いことが、避けられる要因と考えてよい。さらにコンビニのメリットは昼夜を問わず開店している点にあるが、高齢者の場合は日中でも自由に買い物へ出られることから、わざわざコンビニを使うまでも無く、より安価な買い物が期待できるスーパーを一層多用するのも道理が通る。

続いて教養娯楽。区分を解説する【支出分類】によれば家電製品やゲーム(コンテンツ利用料も含む)・音楽周り、ペット周辺、書籍や新聞などの紙媒体、各種通信費、旅行費用、習い事などが該当する。

↑ 年齢階級・性別の消費支出金額購入先割合(教養娯楽・単身世帯)(2014年)
↑ 年齢階級・性別の消費支出金額購入先割合(教養娯楽・単身世帯)(2014年)

男女ともに「その他」の項目が非常に大きく、特に60歳以上において顕著。具体的項目を確認すると、書籍、新聞、旅行の額で「その他」が選ばれていることが多い。元々これらの項目は金額が大きく、さらに高齢者はより積極的に消費する傾向があることから、このような比率になってしまうのも致し方が無い。

それをのぞくと、食品ではスーパーがすべての階層で最大値を見せていたが、教養娯楽では一般小売店が同じ立ち位置にある。次いで多いのは全般的にはディスカウントストア・量販店だが、細かく見るとそれぞれの性別・世代別の特性が反映されているのが分かる。それらを箇条書きにすると次の通り。

・世代が上になるとスーパーが増加(女性は特に)。一か所でまとめ買いをするためか。

・ディスカウントストア・量販店は、歳と共に利用性向が減っていく。

・ネット通販は年齢階層別の差異が大きい。特に30歳未満男性は1/4にも達している。

単身世帯の場合、「食品はスーパー」「教養娯楽品は一般小売店やディスカウントストア、若年層はネット通販も」といったパターンが定番で、他に「若年層の食料周りはコンビニにも大いに頼っている」を加えることで、ほぼ大枠を説明することができそうだ。

今件はあくまでも「単身世帯」を対象にしたもので、「二人以上世帯」の消費性向は今年末に調査結果が発表される予定となっている。「二人以上の世帯」の場合、夫婦におけるライフスタイル、子供がいる場合の購入品の傾向の違いなど「単身世帯」との違いから、消費先にも変化が出てくるものと思われる。とはいえ、大勢にはさほど変化はないだろう。

むしろ数的にはかなりの割合を占めるものの、消費性向の面ではほとんどスポットライトを当てられていない「単身世帯」の消費スタイルを知る上で、今件も含めた「2014年全国消費実態調査」は非常に有益な資料となる。機会があれば是非とも各種発表資料を一読することをお勧めしたい。


■関連記事:
【価格? 鮮度? それとも産地!? 野菜購入時の重視点を探る(2015年)(最新)】
【冷凍食品の購入動向をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2015年)(最新)】
【女性の商品購入、重要なのは「値段」と「コストパフォーマンス」・食品は「いつもの場所で」も】

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2016 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー