「高齢単身者のコンビニ離れ」……一人暮らしの買物先をグラフ化してみる(2015年)(最新)

2015/10/05 13:35

新聞や雑誌、お弁当、乾電池、日用雑貨、衣料品、趣味趣向の品物に至るまで、人々は生活の上で多種多様な商品、サービスを対価を支払うことで調達している。その調達元はどのような場所なのだろうか。今回は総務省統計局が2015年9月30日に発表した、【「2014年全国消費実態調査」】のうち、【「単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」】の公開値を元に、単身世帯における、消費支出に対する買い物先別支出額の割合から確認していくことにする。

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今調査の調査要目は先行記事【普通乗用車より軽自動車が所有される時代…自動車の車種・世帯種類別普及率をグラフ化してみる(2015年)(最新)】を参照のこと。

日常生活の上で消費活動をする際に、どのような店、ルートを用いるのかは、その人のライフスタイルを精査する上では欠かせない、非常に興味深い内容に違いない。次に示すのは単身世帯のうち勤労者における、消費支出全額に対する、消費先ルート別金額シェア。なお「消費支出」とは【エンゲル係数の推移をグラフ化してみる(家計調査報告(家計収支編))(2015年)(最新)】でも説明の通り、税金や社会保険料をのぞいた「世帯を維持していくために必要な支出」を意味している。また「百貨店」は元資料上の区分名で、今サイトなどでよく取り上げている「デパート」とほぼ同じ形態店舗を意味する(【百貨店 衣料品客離れていく 行き着く先はモールとネットに】の文末で説明)。

↑ 年齢階級・性別の消費支出金額購入先割合(単身世帯)(2014年)
↑ 年齢階級・性別の消費支出金額購入先割合(単身世帯)(2014年)

↑ (参考:前回分)年齢階級・性別の消費支出金額購入先割合(単身世帯)(2009年)
↑ (参考:前回分)年齢階級・性別の消費支出金額購入先割合(単身世帯)(2009年)

まず最初に気が付くのは「その他」の項目が異様に多い事。最大で5割近くに達している。前回調査の2009年と比較しても、その異様さは一目瞭然。今件の特異な動きについて概要報告書及び「全国消費実態調査」の注意書きでは特に補足説明がないが、「その他」項目ではその内容として

上記以外の店、例えば、美容院、クリーニング店、問屋、市場、露店、行商及びリサイクルショップなどをいう。また、飲食店(レストラン、ファーストフード、居酒屋等)や自動販売機もここに含める

とあるものの、これらの店舗の利用実績が突然急増したとは考えにくい。調査の際の調査票を確認したが、問題となるような物も無く、この結果には首を傾げるばかりである。

もっとも、次の2点において、前回分との間で大きな違いが確認できる。

〜芦2009年時点の消費支出におけるシェア計算の際には「外食、家賃などのサービス費目や電気・ガス・水道などの公共料金等を除く」とあり、これらの項目は除外されていた。しかし今回2014年では計上されている。

∩芦2009年分と今回の2014年分の実金額動向を見比べると、2009年時点では金額が計上されていたものの、具体的な購入先が未記載だった、つまり消費支出金額の購入先割合の上ではシェア計算の対象にならなかった金額が多分に及んでいたが、2014年では「その他」に多額が計上されている項目が複数確認されている。

例えば属性別の区分をしない、単身世帯全体の「住居」費を見ると、2009年時点では計上額こそ25240円なものの、そのうち具体的な購入先が計上されているものは451円、そして「その他」項目は68円でしかない。ところが2014年時点では、計上額23244円のうち、具体的購入先が計上されているものは8270円、そのうち「その他」は実に8057円に及んでいる。

これら計算方式の変更に伴い、公開値における比率に大きな変化、特に「その他」が増加したものと考えられる。

ともあれ「その他」以外の、具体的購入先が判断できる部分のみで精査を行うと、一般小売店とスーパーの利用率が高い点は、どの属性でも変わりはない。しかし他の点では色々な違いが見えてくる。主だったものを箇条書きにすると次の通りとなる。

・男性は歳を経るほどスーパーの割合が増加。女性もスーパーは同様だが、同時に一般小売店は減少する。

・若年層ほど、そして男性ほどコンビニやディスカウントストア・量販店の割合は大きい。ただし男性に限れば、若年層よりも中堅層の方が、これらの店舗の利用性向は高い。

・全般的に男性は百貨店の利用性向が低い。ただし女性は中堅層以降で高めの傾向が見受けられる。

・ネット通販の金額面での利用割合はまだ少数派だが、男性若年層、女性中堅層ではそれなりの動きが確認できる。一方で高齢者はほとんど皆無。

女性で歳をとるにつれて一般小売店の利用割合が減るのは、お買い得度が「スーパー」の方が上であることを知った上での結果かもしれない。ディスカウントストア・量販店の比率も男性と同等、若年層ではむしろ高めで、お値打ち商品を得やすい場所に関して、足を運ぶ店のこだわりを持たず、実益重視で利用していることがうかがえる。今件各値は一人暮らしの人を対象にしたものであることを考えると、5年前の「単身女性はディスカウントストアや量販店を、男性と比べれば避ける傾向がある」から随分と変化したように見える。

おにぎりまた、記事タイトルにもあるように、コンビニは一人暮らしの男性には欠かせない存在であると同時に、高齢者には縁遠いものであることも分かる。特に高齢女性はほとんどコンビニで買物をしない。しかし【自分の歳で結婚している人は何%? 未婚・既婚率などをグラフ化してみる】を見る限りでは、高齢女性の多くが一人暮らしをしている、さらに今後その傾向が強まる動きを見せている。この状況を考慮すれば、コンビニにとって高齢者対策(とりわけ一人暮らしの高齢女性)は急務な課題と見てよい。

各コンビニがおにぎりに尋常ならざる注力を注いでいるのも、【高齢者がコンビニで良く買うもの、トップはお馴染みのあの食品】でも挙げられているように、高齢者のおにぎりに対するニーズが高いと関連があると考えれば、納得もできるものだ。


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【コンビニで一度にいくら買い物する?「500円-1000円」が4割】
【高齢者の「買い物弱者」問題をグラフ化してみる(高齢社会白書:2015年)(最新)】

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