実は以前から減少中の外食費……一人暮らしをする若者の食費構成の変化をグラフ化してみる(2015年)(最新)

2015/10/05 11:20

気分転換、自分での調理が面倒だから、自ら作るのが難しい・珍しい料理を食したくて、外出先で自前の食事を用意する機会が無く、さらには他人との時間の共有をメインとする形で、人々は食生活の中に外食を組み込んでいく。家庭持ちの世帯と比べて自ら調理した料理、つまり自炊による食事が少ないとのイメージが大きい若年層の一人暮らしの実情は、どのような状況なのだろうか。今回は総務省統計局が2015年9月30日に発表した、【「2014年全国消費実態調査」】のうち、【「単身世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果」】の公開値を元に、金額面などから確認をしていくことにする。

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男性は減少、女性は横ばいな一人身若年層の外食事情


今調査の調査要目は先行記事【普通乗用車より軽自動車が所有される時代…自動車の車種・世帯種類別普及率をグラフ化してみる(2015年)(最新)】を参照のこと。

今回精査を行うデータは、一人暮らしの勤労者世帯のうち30歳未満が対象。その世帯を対象に、一か月の食料費項目の詳細を確認したものである。「外食」、「調理済みの食料(中食)」、そして「素材となる食料」「その他(調味料やお菓子、飲料、酒類など)」をまとめて「その他(素材食料)(≒内食)」と、合わせて三つに区分し、男女別に食料費全体に占める比率の変化をグラフ化したものが次の図。

なお直近となる2014年分の公開概要報告書では、これまで30歳未満と定義していた「若年勤労者」が40歳未満に改められている。そのためデータの連続性を維持するため、今件の各値はe-Statから金額や詳細年齢区分別の一次データを抽出し、過去の値と同じ手法で算出している。

↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(男性)
↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(男性)

↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(女性)
↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(女性)

【食費の割合が減り、家賃負担が増加……一人暮らしをする若者のお金の使い道の変化をグラフ化してみる】でも触れているように、男性の外食比率が女性と比べて一様に高い。これは女性と比べて男性の昼食時における弁当持参比率が低いこと、仕事から帰宅した時の夕食の自炊率は男性の方が低い(【一人暮らしのお料理事情・夕食自分で作ってる? 週一以上は四人に三人】)のが大きな要因。また同じ勤労状態にあるとしても、女性より男性の方が「付き合いの飲食」=外食の回数が多くなってしまうのも一因。

↑ 一人暮らしの夕食の料理の頻度(再録)
↑ 一人暮らしの夕食の料理の頻度(再録)

また、中食比率は男女であまり違いが無く、男性で外食が女性と比べて多い分、そのまま「その他(≒内食)」が少なくなっている動きも興味深い。

中長期的な動きとしては、男女とも中食比率が増加している。ファストフード、コンビニ、スーパーなど購入経路は多種多様だが、自炊では無く、また外食でも無く、出来あいものを調達して自宅で食べる中食のスタイルが定着しつつあることがうかがえる。環境が整備されているのも大きな支えとなっているのだろう。

また男性では中食・自炊が増え外食が減る傾向が強まる方向性を示しているが、女性は中食の増加分が外食と自炊で少しずつ食われていく形となっている。若年勤労単身世帯における、食生活の変容ぶりが、男女間で異なる様相にあるのは、注目に値する。

金額ベースでの動きを見ると…


上記のグラフは「食料費」に占める外食などのシェア動向。それでは額面そのもので見た場合はどうなるのだろうか。男女、そして年ごとに食料費は異なるので、それぞれの金額を算出。そして積み上げグラフにしたのが次の図。この20年間、消費者物価指数にはほとんど動きがないので、経年による物価の変移は無視して問題ない。

↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(金額、男性)(円)
↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(金額、男性)(円)

↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(金額、女性)(円)
↑ 若年勤労単身世帯の食料の費目構成の推移(金額、女性)(円)

まず最初に気が付くのは、男女で総額が大きく異なること。そして女性の総額にはほとんど変化がないものの、男性は年と共に減少傾向にあるのが確認できる(もっとも女性も今世紀に入ると減少に転じているが)。それぞれを詳しく見ると、

・「中食」は男女とも漸増。

・「内食など」はぶれが多少大きいが、一定額内に収まっている。

・「外食」は女性では数千円の幅で動きを見せているが大きな変化は無かったが、今世紀に入ると減少方向に。男性は前世紀から漸減を継続中。1984年と比べ、直近の2014年では半分以下に減っている。

・男性は中食、自炊などが横ばいあるいは漸増しているが、外食の大規模な減少がそのまま食費全体の減少につながっている。

のが分かる。

動きとしては一番目立つ、男性における外食費の減少にはいくつかの理由が考えられる。家賃負担の増加、消費支出(≒可処分所得)の減少に伴い、一番最初に削りやすい外食費を削っている。外食そのものの相場が下がっている。世間一般的に他人との付き合いが疎遠になり、会食的な外食の回数が減った。などなど、複数の理由によるもので「これが理由で他は関係が無い」のような、端的唯一の事由によるものではないと見た方が良い。

節約の際には真っ先にターゲットとされることから、「外食費が減少している」事案がクローズアップされている。しかし少なくとも若年単身勤労者においては、外食費の減少は前々から起きている動きに他ならない。昨今の流れはそれが継続しているに過ぎない、と見てよいだろう。


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