【更新】読売1000万部維持、毎日は前期比マイナス3.85%…新聞販売部数動向(2010年前期分データ更新・半期分版)

2010/10/09 07:05

先日巡回サイト経由で[朝日新聞社「希望退職」に記者が大量応募]を目にし、新聞実売部数の最新データで朝日新聞朝刊が「絶対防衛ライン」としていた800万部を割り込んでいたのを知ることができた。記事の内容自身は「販売成績が落ちているので財務上の成績を維持するために早期退職制度を実施したところ、予想以上の退職者が出て穴埋めに大変な状態」という朝日新聞の実情を伝えているもので、興味深いものとなっている。その状況解説は該当記事自身に任せるとして、発行部数そのもののデータをチェックしたところ、先の【読売1000万部確保、毎日は前期比マイナス1.75%…新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2009年分データ更新・補完版)】から半期分が更新されているのが分かった。そこで今回は、各種データについて最新のものを反映した上で、主要新聞社の新聞発行部数などをグラフ化してみることにした。

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まずは最新データを元にした、主要全国紙、すなわち読売新聞・朝日新聞・毎日新聞・日経新聞・産経新聞の計5紙の「販売部数」。これは各紙広告関連ページで取得することができるが、【新聞広告データアーカイブ】からリンクをたどり、【読売新聞社の広告ガイドページ】に掲載されている、「日本ABC協会「新聞発行社レポート 半期」2010年1月-6月平均」で容易に取得することができる。なおこれは朝刊「販売」部数。

↑ 2010年前期における主要全国紙の朝刊販売数(万部)
↑ 2010年前期における主要全国紙の朝刊販売数(万部)

「販売部数1000万部超」をうたう読売新聞が、今回もギリギリながら1000万部を確保し、トップの座についている。次いで朝日新聞、かなり下がって毎日新聞、日経新聞、そして産経新聞の順となる。いくつかの新聞については、その販売数に関して意外に思った人も少なくないだろう。前回記事でも紹介したように、『東洋経済の2010年 2/20号 特集:再生か破滅か……新聞・テレビ 断末魔』によれば、読売新聞が1000万部を維持、むしろ部数を伸ばしているのは、「ホテルなどへの営業で即売部数が伸び続けている」のが要因とのこと。その戦略はいまだに成功を納め続けていることになる。

また、冒頭で触れた「朝日新聞絶対防衛ライン800万部」においては約4.4万部足りず、ラインを突破されているのが分かる。減少部数そのものはさほど多くはないが、「絶対この線は守る」としたものが破られた状況に対するショックは少なくない。

じわじわと削がれていく感じ
せっかくなのでいくつか比較グラフを生成する。まずは前回記事で掲載した2009年後期との差異。単純計算で半年の間にどれだけ部数が動いたかを知ることができる。

↑ 2010年前期における主要全国紙の朝刊販売数変移(2009年後期との比較)
↑ 2010年前期における主要全国紙の朝刊販売数変移(2009年後期との比較)

ただでさえ絶対数的な発行部数が五大紙中もっとも少ない産経新聞の減少率は相変わらず高めだが、それ以上に今回は毎日新聞が群を抜いているのが分かる。もちろん前回の産経新聞におけるマイナス9.72%と比べれば少なめだが、絶対部数を考えれば関係者にとって穏やかならぬ心境には違いない。

さて当方(不破)は日本ABC協会会員でも無ければ新聞関係者でもないので、過去のデータを取得することはできない。さらに日本ABC協会では関連データは非公開の方針のようで、これらのデータの過去分は確認できなかった。仕方なく、これまで取得したデータのうち、「一年前」(半年区切りで考えれば二期前)との世帯普及率の比較をグラフ化してみることにした。これは全世帯のうち、どれだけの世帯に各新聞が届いているかを示しているもの。産経新聞なら3.01%なので、100世帯のうち3世帯が産経新聞を取っている計算になる。

↑ 2010年前期における主要全国紙の世帯普及率(2009年前期との比較)
↑ 2010年前期における主要全国紙の世帯普及率(2009年前期との比較)

朝刊は世帯単位で定期購読されることが多いため、ある意味単なる部数よりも新聞のすう勢を推し量れるのだが、これを見ても読売新聞の絶対的なポジション、毎日と産経の減退率が見て取れる。



先日テレビ東京は親会社に該当する日経新聞の【2010年12月期中間決算(PDF)】を発表している。ざっと見た限りでは「売上減少継続」「経費のダイナミックな削減」「結果として利益の確保」という状況が確認できる。昨今の他社テレビ局・新聞社と同じ動きで、「業績優等生の日経新聞」ですら、立ち位置はさほど変わらないわけだ。

冒頭での朝日新聞の記事でも語られているが、経費削減の過程で「削りたくない部分」まで削れてしまい、会社全体としての士気減退や能力欠如が懸念される声が随所から耳に入っている。しかも経費削減の成果は比較的すみやかに・数字の上ではっきりと表れるものの、その副作用はすぐには数字上に現れることは少なく、じわじわと、そして確実に浸透して影響をもたらすことが多い。そして気が付いて事態の回復を図ろうとした時には、削減した経費以上の手間暇資金がかかったり、手遅れになっている場合が多々ある。

特に昨今、大手報道やマスコミそのものについて疑問符を投げかけざるを得ない向きがあるのは、その「副作用」によるものが一因ではないのか。そう考える人も少なくあるまい。


■関連記事:
【新聞のいわゆる「押し紙」問題を図にしてみる】

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