効用の強さにあ然としてしまうペット用品の広告

2010/10/07 07:06

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会社ロゴ付きのフリスビー【「切れすぎちゃって困るの♪」な包丁の広告】【「ここまで薄く切れます! 」がひと目で分かる包丁の広告】のように、対象商品の効用をオーバーに、現実にはあり得ないほど強調し、その効用をアピールすると共に見る人の注意を引き寄せる広告手法がある。中途半端にオーバーだと「ありえるかも」と思われてしまい、単なる誇大広告化してしまうのが難しいところで、ひと目で「これはあり得ないだろ」とツッコミが入りつつも「なるほど、そこまで……」と思わせるバランス感覚が求められる。今回紹介するのも非常にシンプルだが、何を表しているのかが把握できると「そんなバカな」と思いつつ「それほどまでに、なのか」と、じわじわとその効用が心に刻みこまれるタイプの広告である(I Believe in Advertising)。


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↑ 愛犬用のフリスビー。そこにはかじられた跡と、「Dentastix」のロゴが
↑ 愛犬用のフリスビー。そこにはかじられた跡と、「Dentastix」のロゴが

これは愛犬用の各種用品で有名なブランド、Pedigreeによる、愛犬用の犬用ガム「Pedigree Dentastix」の広告。犬に噛ませることで彼ら・彼女らの歯を丈夫にし、健康増進に役立つというアイテム。コンビニなどで発売されている「歯磨きガム」の犬向けのものと思えば良い。

スカイドッグ フリスビー ディスク L ピンク今ポスターには画面中央に打ち捨てられた、犬の愛玩用品の一つフリスビーが描かれている。先に【アマゾンでペット用品ストアがオープン】で紹介したアマゾンの『ペット用品ストア』で、ペットの写真などを公開する仕組みの例が挙げられていた際にアマゾン側から提示されたサンプル『スカイドッグ フリスビー ディスク L ピンク』の画像にもあるように、飼い主が投げて飼い犬に拾わせる「フリスビー遊び」で使うものだ。飼い犬も飼い主もポスター上には描写されておらず、またフリスビー自身も破損して打ち捨てられているところから、「壊れて捨てられた」ことが想像できる。

ではなぜ捨てられたのか。壊れた部分をよく見ると、そしてフリスビーの使われ方(投げられたフリスビーを飼い犬が「噛んで」飼い主の元に持ち帰る)を思い起こすと、それが落ちた時の衝撃で割れたのではなく、「飼い犬が噛んだ時に食いちぎった・噛み砕いた跡」であるのが分かる。そしてそのフリスビーには、犬用「歯磨きガム」の「Pedigree Dentastix」のロゴが。

特に文面で明記はされていないものの、このポスターを見た人はこれらの情報から瞬時に「フリスビー遊びをする際に、Pedigree Dentastixで歯が丈夫になった飼い犬が噛んだ時に思わず噛み砕いたのか」「そこまでPedigree Dentastixは愛犬の歯を丈夫にするものなのか」と連想してしまう。もちろん実際にはそこまで丈夫になるはずも無く、オーバー過ぎる表現にちょっとしたツッコミと笑いをも覚えさせてくれるので、印象はより一層強いものとなる。

愛犬達の健康を考える飼い主にとっては、冒頭で評したように「そんなバカな」と思いつつ「それほどまでに、強い歯を作ってくれるのか」と、じわじわ心にその効用が刻まれる。そのような効果のあるポスターといえよう。

Pedigreeではこの「Pedigree Dentastix」について、テレビ向けのCMでも少々オーバーで、インパクトのあるものを提供している。

↑ Doggie Dentures - PEDIGREE? DENTASTIX Commercial (公式)。
↑ Doggie Dentures - PEDIGREE? DENTASTIX Commercial (公式)。
犬たちが歯をむき出しにして自分達の歯の良さを自慢するあたり、夢に出てきそうなビジュアルだが、「歯が丈夫」という印象は十二分に視聴者の頭に残る。商品の効用がよく分かる、イヤミの無いCMに違いない。


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