【更新】株価低迷を受け両国ともリスク資産から離れる動き(日米家計資産推移:2010年2Q分)

2010/10/04 12:05

日本銀行は2010年9月30日、2010年第2四半期(4-6月)における資金循環の日米比較に関するレポートを公開した。それによると世界各国での株価低迷の影響を受けてアメリカは手堅い「債券」の額が増え、「株式・出資金」の項目の額は減少を見せることになった。一方日本は「現金・預金」項目額が大幅に上昇し、「株式・出資金」「投資信託」が減少している。アメリカのように「債券」へ資金が流れるという動きは確認できない(【リリース掲載ページ】)。

スポンサードリンク


今リリースは日本銀行が年4回定期的に速報値として発表しているもの。以前掲載した【日本の家計における金融資産の構成比率の変化をグラフ化してみる】から連携・連動させる形で色々とグラフ化してみることにする。

まずは直近、2010年第2四半期(2Q)時点での、日米の家計における資産構成比率。日本が「現金・預金」に大きく傾倒している一方で、アメリカが「株式・出資金」や「投資信託」、「債券」を大量に保有している図式に変わりは無い。

日米家計金融資産構成比率比較(2010年2Q)
↑ 日米家計金融資産構成比率比較(2010年2Q)

これを日米別にその推移をグラフ化する。まずは日本。構成比率と絶対額の推移を見てみる。

日本の家計金融資産構成比率推移(1997年-2010年2Q)
↑ 日本の家計金融資産構成比率推移(1997年-2010年2Q)

日本の家計金融資産構成推移(1997年-2010年2Q)(単位:兆円)
↑ 日本の家計金融資産構成推移(1997年-2010年2Q)(単位:兆円)

直近数年(2008年前後)で「現金・預金」の比率が大きく伸びたのは、貯金額そのものが増えたというよりは、株価の低迷によるところが大きい。今期においては「現金・預金額」が多少増え、その分「株式・出資金」や「投資信託」の額が減っている。株価の下落でこれらの金融資産の評価額が減少したのに加え、幾分なりとも売却をしたものと思われる。

一方アメリカ。

米家計金融資産構成比率推移(2007年4Q-2010年2Q)
↑ 米家計金融資産構成比率推移(2007年4Q-2010年2Q)

米家計金融資産構成額推移(2007年4Q-2010年2Q)(兆ドル)
↑ 米家計金融資産構成額推移(2007年4Q-2010年2Q)(兆ドル)

アメリカでも該当期は株価が低迷。「株式・出資金」の項目で額が減少する傾向を見せている。一部で「アメリカの貯蓄性向は増加傾向にある」という話もあるが、比率だけを見ると「現金・預金」項目は今期において確かに増加傾向にある。ただし金額はむしろ減少。理由を探るべく数字をよく見直すと、市場の軟調化に伴い各金融商品の保有額が減る中で、「債券」が率・額共に増加しているのが分かる。手堅く、それなりの利回りが得られる「債券」にスライドするあたり、アメリカらしさが見て取れる。

グラフには記載していないが、家計金融資産の総額は2010年2Q時点で日本が1445兆円、アメリカが43.7兆ドル。これはそれぞれ直近前期から(日本)マイナス0.55%・(アメリカ)マイナス3.96%の変移となっている。比率としては小さいかもしれないが、総額そのものが大きいだけに、無視できるレベルのものではない。国内外で不安定要素が山積みとなっている昨今、日本家計における金融資産がどのような動きを見せるのか、注意深く見守る必要があろう。


※2013.06.25.更新
今件記事は説明が多分に重なる部分などを省略した簡略版です。全体版及び最新版については【日米家計資産推移(日銀)最新記事】にて掲載しています。

スポンサードリンク


関連記事



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー