むしろ水不足が心配? 日照時間をグラフ化してみる(2010年9月分)

2010/10/01 19:30

曇り先に【やっぱり今年は晴れの日が少ない!? 日照時間をグラフ化してみる】から毎月定点観測を続けている日照時間推移。今回も気象庁のデータを元に、最新の2010年9月分のデータを盛り込んだ日照時間の推移を確認する。

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データ取得元は【気象庁の気象統計情報のコーナー】。まずは「最新の気象データ」から「天候の状況」を選び、そこから「日照時間」における、「昨日までの各期日平均」と「同時期の平年値」を比較。そしてその割合を示した地図をいくつか抽出する。赤系統の色ほど日照時間が平均より多く、薄い色で大体平均。灰色から黒に近付くに連れて日照時間が少ないことを意味する。

↑ 日照時間30日間合計
↑ 日照時間30日間合計

↑ 日照時間60日間合計
↑ 日照時間60日間合計

↑ 日照時間90日間合計
↑ 日照時間90日間合計

90日・60日データでは関東・甲信越地方-近畿・中国地方にかけて赤系統の点が多く確認できる。60日データでは東北東部-北海道太平洋岸においても赤系統の色が多数見受けられ、日照不足の心配はほぼ解消。直近30日では赤系統色領域が随分と小さくなり、9月に入ってからの日照時間の推移が平年並みになりつつあったことを示している。

東京、そしてお米の産地・新潟と熊本で定点観測データを検証
前回の記事同様(&データの継続利用のため)に、東京、そして米どころとして新潟と熊本において「気象統計情報」から【過去の気象データ検索】を選択。1989年から2010年9月までの月次データ、さらに過去21年(1989年-2009年)の月単位の平均値を出して、各地域ごとにグラフ化したのが次の図。

↑ 東京の日照時間(月あたり、時間)
↑ 東京の日照時間(月あたり、時間)

↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間)
↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間)

↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間)
↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間)

一連の記事掲載開始時においては、三地域では東京の1月分がやや長いだけで、後は平均・昨年と比べて短めだったのが気になるところだった。しかし5月以降は三地域とも日照時間が長めの結果が出ており、安心というところ。9月は新潟で平均よりやや短いものの、東京、熊本では去年、そして過去平均値よりも長い日照時間が確認されている。少なくとも日照時間不足の心配は不要。

現時点で【三か月予報】から日照時間部分を抽出した限りでは、

10月……天気は、全国的に数日の周期で変わるでしょう。北・東・西日本太
平洋側と沖縄・奄美は、平年に比べて曇りや雨の日が多い見込みです。
11月……天気は、全国的に数日の周期で変わるでしょう。北・東日本日本海
側と沖縄・奄美は、平年と同様に曇りや雨の日が多い見込みです。
12月……天気は、北・東・西日本日本海側は、平年と同様に曇りや雪または
雨の日が多いでしょう。北・東・西日本太平洋側は、平年と同様に晴れの日
が多い見込みです。沖縄・奄美は、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょ
う。

とある。10月に一部地域で日照時間の少なさが懸念されるが、それ以外は天候の変化は激しくとも「平年通り」ということで、大きなイレギュラーはなさそうだ。

1993年の「平成の米騒動」の時と比較してみる
さて、「今冬から春先における日照時間の減退と、それに連なるであろう冷夏となれば、想像されるのが農作物の不作」……ということだったが、春先はともかく梅雨前後以降はむしろ「酷暑」と呼べるほどの猛暑となり、以前ほど日照時間の上での心配は要らなくなった。一応念のため、直近でお米不足が特に問題視された1993年の「平成の米騒動」(この時の米収穫量の不足も冷夏が主要因だった)のデータを抽出し、比較したのが次のグラフだが、データの上でも5-6月以降はそれまでの日照時間の短さを取り返すような、大きな数字が確認できる。

↑ 東京の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)
↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間)

↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)
↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)

↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)
↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)

1月ではどの地域も1993年よりも高い値を示しているが、2月以降はいずれも2010年の方が、1993年時よりさらに日照時間は少ないものとなっていた。しかし6月以降は東京・新潟がかなり多め、7月に入ると熊本も多めの結果となった。9月も8月に続き、1993年と比べて大きな数字が確認できる。農作物の出来・不出来は日照時間だけに左右されるものでは無く、気温や降水量にも大きな影響を受けるため、一概に「安全」と断言はできないが、日照時間の減退≒曇りか雨≒気温の低下を意味する場合が多いため、6月以降の傾向は頼もしい状況といえる。

なお各地域の9月までの累計日照時間を1993年のそれと比較すると、東京+31.9%・新潟+35.5%・熊本+24.3%となり、観察地域3拠点すべてでプラスを見せている。特に9月で8月と比べて大きく伸びたのは、1993年9月の日照時間が異様なまでに少なかったからに他ならない。

ちなみに【降水量を見ると】昨月同様、特に日照時間の短めな北海道地域日本海側で平年よりかなり多い。逆に関東地域の一部、四国から九州太平洋岸ではやや少なめのデータが出始めているのが気になる。

↑ 降水量90日間合計
↑ 降水量90日間合計

日照時間に限っていえば、年間累計値という観点ではほぼ安心できる域にまで達している。ただし春先の日照時間の少なさが、秋に収穫される農作物にどれほどの影響を与えるのかは未知数であり、気になるところ。今後はむしろ一部地域で、水不足を心配した方がよいのかもしれない。


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