高校生の就職率、3月末時点で91.6%・「就職氷河期」よりは良好だが前年比下落率は1.6ポイント

2010/09/18 19:30

文部科学省は2010年5月21日、今春卒業の高校生の、2010年3月末時点の就職状況について発表した。それによると2010年3月時点の就職率は91.6%となり、前年同期で1.6ポイントの減少となった。卒業者107万0713人のうち、就職希望者は18万1546人、就職者は16万6221人を数え、就職希望者のうち就職できなかった者は1万5325人という状況にある。発表そのものは4か月近く前のものになるが、前回調査分【高校生の就職内定率、12月末時点で74.8%・「就職氷河期」よりは良好だが前年比下落率は過去最大】への参照が多数確認されたため、データを更新して最新情報を提供するため、今記事を作成することにした(【発表リリース】)。

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今調査は国立、公立、私立の高等学校(全日制・定時制)を対象に学科別・都道府県別の就職内定状況を調べたもの。なお【大学生の就職内定率は73.1%・前年比7.9ポイントのマイナス】でも触れているが、2010年3月に高校・中学新卒予定者の選考・内定開始期日は、文部科学・厚生労働両省により「高校……2009年9月16日以降」「中学校……2010年1月1日以降(積雪指定地域においては2009年12月1日以降)と定められている。また、厚生労働省でも同じように高校生の就職内定状況について定期的に発表を行っているが、厚生労働省側が「学校・公共職業安定所を介して求職している人のみ」を対象としているのに対し、今調査は就職希望者全員を対象としているため、母集団が大きいのが特徴。

全体の高等学校卒業者の就職率は2010年3月末時点で91.6%(前年同期比マイナス1.6ポイント)。男子は94.1%(同マイナス1.4ポイント)、女子は88.2%(同マイナス2.0ポイント)。

↑ 2010年3月末時点の高校生就職率
↑ 2010年3月末時点の高校生就職率

2009年12月末時点の74.8%と比べると16.8ポイント改善しており、また、いわゆる「就職氷河期」といわれた2001年度の86.3%・2002年度の86.7%と比べれば高い値ではあるが、(後述する別の理由も合わせ)厳しい状況には違いない。

↑ 新規高等学校卒業(予定)者就職(内定)状況
↑ 新規高等学校卒業(予定)者就職(内定)状況

残念ながら就職を希望していながら卒業時点で就職できなかった高校卒業生が1割弱確認できる。元担当教員、保護者をはじめとした周囲の大人たちはしっかりと彼ら・彼女らを支えて欲しいものだ。

「就職」の中身を推測する
前回の記事はここで終わりだったのだが、せっかくなのでいくつか追加資料を用意しておく。まずは、前回記事、つまり2009年12月末時点の内定率と今回の2010年3月末時点の就職率を単純に比較したのが次のグラフ。

↑ 新規高等学校卒業(予定)者就職(内定)状況
↑ 新規高等学校卒業(予定)者就職(内定)状況

職種ごとの雇用体系や習慣、そして12月時点での内定率の違いもあり、一概に断じることはできないが、ラストスパート的な期間の1月から3月にかけて、情報・看護の職種に多くの人が集まったことがうかがえる。

一方、別調査による結果だが、以前【大卒正社員率は82.7%…学歴や年齢別の若者労働者の正社員・非正社員割合をグラフ化してみる】でとりあげた、就業形態別の若年労働者の割合。調査母体が違うので参考値程度でみて欲しいが、高校卒業生の約4割が非正社員以外の労働者であることが確認できる。

↑ 年齢階級・最終卒業学校、就業形態別若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)
↑ 年齢階級・最終卒業学校、就業形態別若年労働者割合(調査時点で在学していない者のみ)(再録)

今回の調査における就職者においても、同程度の比率で非正社員の立ち位置での就職であることが予想される。非正社員は雇用体系の上で、正社員と比べて不利を強いられることが多いだけに、就職後の大変さが想像されてしまう。せめて幸多かれしことを祈らずにはいられない。


■関連記事:
【高校生就職(内定)率の2010年3月末と2009年12月末の差異】

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