若者労働者における正社員・非正社員率を学歴別・年齢階層別にグラフ化してみる(最新)

2020/01/15 05:29

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2020-0105学歴が各人の評価のすべてではないものの、素質や技術、学業能力の上で優れている可能性が高いことが容易に想像できるため、多くの場面で判断材料とされ、その結果として有利不利が生じる場面は多々発生する。その場面が積み重なり、統計の上でも「学歴が高いほど有利な立ち位置につける」という数字が導き出されることになる。今回は厚生労働省が2019年12月18日に発表した、2018年時点における若年層の雇用実態を調査した結果「平成30年若年者雇用実態調査結果の概況」から、就業状態における立ち位置の観点で、その実態を見ていくことにする((【雇用の構造に関する実態調査(若年者雇用実態調査)】))。

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今調査の調査要件、各種用語の意味については先行記事【若年労働者の割合などをグラフ化してみる】を参考のこと。

今件における「在学していない(つまり『学校に通いながら働いている人』以外)の若年(15-34歳)就業者における正社員・正社員以外(非正社員)の割合」だが、全体では69.0%が正社員、30.8%が非正社員となっている(残り0.2%は「不明」。つまり回答者自身が自分の就業上の立ち位置を認識できていない)。これは労働力調査の結果【非正規社員の現状をグラフ化してみる】などで示されている値とおおよそ一致する。今件の値の方がやや高めなのは、若年層を対象とした調査だからに他ならない(中年層では女性のパート・アルバイト率が、高齢層では嘱託などが多くなる)。

↑ 若年就業者における就業形態別割合(調査時点で在学していない人のみ、属性別)(2018年)
↑ 若年就業者における就業形態別割合(調査時点で在学していない人のみ、属性別)(2018年)

男女別で見ると男性の方が正社員率が高い。これは女性が結婚後において、パートに出ている場合(いわゆる兼業主婦状態)も含まれるため、当然の話ではある。時折、この現状を無視した労働市場に関する論説があるので注意を要する。

むしろ問題なのは年齢階層別の区分。20代前半においては28.0%が非正社員の就業者であることが確認できる(「在学していない人」に限定されていることに注意。つまり大学生でアルバイトをしながら就学している事例は該当しない)。20代後半に至っても26.8%が非正社員のままで、かなり高めの値と言わざるを得ない。もっともこれは女性に限れば「結婚後の女性におけるパートなどの就業パターン」が含まれているのが一つの要因。詳しくは機会を改めて、男女それぞれで精査を行うが、男性に限れば20代後半では正社員率は8割に達している。「8割も」ととるのか「8割しか」と取るのかは微妙な値であるのは事実だが。

また最終学歴別で見ると、いわゆる中卒は6割強が、高卒では4割強が非正社員と、平均値より高い値を見せている。【日本の学歴・年齢階層別完全失業率をグラフ化してみる(最新)】【大学生の就職・内定率動向】と合わせ、現状では学歴が高い方が「正社員としての就職」に有利であることを改めて認識させる結果となっている。

留意すべき点を一つ。今件では就職活動中・就職していない人・就職を諦めた人などは対象外となっている。あくまでも「就業している人における正社員・非正社員」の割合。しかし上記の「大学生の就職・内定率動向」などを見ても、就職率自身も「正社員・非正社員」における状況とさほど変わりはないと考えて問題はなさそう。非常に厳しい話ではあるが、現実問題として受け止めねばなるまい。


■関連記事:
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【大学生の就職状況をグラフ化してみる(最新)】
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