【更新】利用率はすでに3-4割・不況下でも普及浸透が進むネット通販と電子マネー

2010/09/09 12:00

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電子マネー博報堂生活総合研究所は2010年9月7日、定点観測型アンケート調査「生活定点」の調査結果の一部を発表した。それによると調査母体においては、この10年間で生活者の買物手法に大きな変化が見られることが確認された。既存メディアを利用した通信販売や直接足を運ぶディスカウントショップでの買物は横ばいか漸減傾向にあるのに対し、オンラインショッピング(ネットショッピング)や電子マネーの利用は急カーブの上昇傾向を見せている([発表リリース、PDF])。


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今調査は首都圏40キロ圏・阪神30キロ圏の20-69歳の男女に対して2年に1度定点観測として、「同じ条件の調査地域・調査対象者」を対象に訪問留意法で行われたもので、サンプル数は2000-3000人強(調査時期によって異なる)。男女それぞれ5歳刻みを1グループとし、最低でも1グループが125人となるようにした上で、最新の国勢調査に基づきサンプルの割り付けを実施しているので、男女比・年齢階層比はそれぞれの年の日本全体の構成比のそれに近い。

今回発表された調査結果項目によると、1998年以降2002年頃まではやや横ばい、または微増傾向にあった「ディスカウントストアでの買物」「通販での買物」は漸減傾向を示している。直近ではやや持ち直しの感もあるが、昨今の消費性向の低迷から考慮すると、大規模な変調は期待できそうにない。

↑ 買物手法の利用性向(電子マネー以外は過去一年間において)
↑ 買物手法の利用性向(電子マネー以外は過去一年間において)

一方でデジタル・IT系の買物手法は急速な普及・浸透ぶりが確認できる。オンラインショッピングは計測開始の2000年にはわずか5.0%だったものが、直近の2010年では38.3%と4割近くに達し、すでに通販(既存媒体利用)の利用性向を追い抜いてしまっている。

ネット通販興味深いのはデジタル・IT系の買物手法の普及ぶりのスピード感もさることながら、「ディスカウントストアでの買物」「通販での買物」などの旧来型の手法と完全に入れ替わるスタイルでは無い事。つまり「デジタル系の増加」と「旧来型の減少」の度合いが同じではなく、「旧来型」の利用を続けながら「デジタル系」を取り組む姿勢が見られる。それぞれの利用頻度には変化が生じていることは違いないが(例えば昔はディスカウントストア9にオンラインショッピング利用1の割合だったのが、今はそれぞれ6・4くらいに変化している)、双方をそれぞれ選択肢の一つとして用意しておき、うまく使い分けていることが想像できる。

元資料ではこの変化について「不況の中にあっても、生活者は従来の購買チャネルだけに留まらず、新しい消費スタイルを取り入れ、購買行動を進化させている」と言及している。しかしむしろ新しい手法の進化・拡大と共に「不況だからこそ」より賢い買物をするように「選択肢」を増やして「使い分け」しているように見える。

今後も「ディスカウントストアでの買物」「通販での買物」の利用が無くなることはないだろう。しかし新しい選択肢の方が使いやすく価格も安いのなら、そちらを利用する機会は増え、自然と「旧来型」の利用性向は漸減していくに違いない。


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