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2010年7月の新設住宅戸数、前年同月比4.3%増

2010年09月02日

2010年7月の新設住宅戸数、前年同月比4.3%増

2010年09月02日07:13

住宅国土交通省は2010年8月31日、2010年7月における新設住宅戸数のデータを発表した。それによると7月の新設住宅着工戸数は前年同月比で4.3%増の6万8785戸となり、先月の増加に続き二か月連続の増加を示したことが明らかになった。着工床面積は5か月連続して6.0%の増加を見せている(【発表リリースページ】)。

具体的な内訳は持家が4.4%と9か月連続の「増加」、貸家は5.9%の「減少」、分譲住宅は27.3%の「増加」。今回も先月同様に持ち家部門に加え分譲住宅部門もプラスの値を見せる結果となっている。しばらく前まではは「持ち家堅調、貸家・分譲軟調」が継続していたが、これで三か月連続して「分譲住宅」までプラスの仲間入りとなった。今月のデータを見る限り、”住宅「販売」(自分の居住のために建てるのではなく、他人に売却したり賃貸するために建てること)分野の市場のうち、分譲住宅においては回復基調にある”と見た方が良いかもしれない。

耐震偽装問題をきっかけに行われた2007年における改正建築基準法の施行、そしてそれに伴う行政側の準備不足・不手際が、同年夏以降の住宅市場における混乱や、新設住宅戸数の減少、さらにはそれらから波及する不動産市場全体のつまづきのきっかけとなった。時を同じくして起きた金融市場全体の低迷と混乱(金融「工学」危機)による資源高騰・賃金高を起因とする経費の上昇、金融機関の急激な引き締めによる関連企業の資金繰り悪化が、建設・不動産業界全体に打撃を与え、市場は急激に収縮してしまう。

その後も低迷状態は継続し、さらに需要側の趣向も(一部は価格下落を機会ととらえて)変化を見せ始めているのが現状。付け加えるならば、政策の転換・迷走で先行き感や情勢は不透明さを色濃くしている。

新設住宅戸数の変遷
↑ 新設住宅戸数の変遷(2010年7月分まで)

改正建築基準法の施行によって2007年8月〜10月には急降下な状況が発生した。その後全体的には低迷状態が続き、直近に限れば2008年の冬以降は、前年同月比マイナスの度合いが少しずつ増加していた。今回発表分の2010年7月は、昨年9月に「マイナス幅の縮小」が確認されて以降少しずつ戻しを見せていたプロセスが、今年の3月以降の踊り場を経て、再び微増を見せているようも受け止められる。

・耐震強度偽装問題を教訓にした
「改正建築基準法」施行(2007年6月)

・行政の不手際などを起因として
「新築」住宅市場が大規模収縮
低迷期続く
・2008年夏で底打ち感
 「前年比」でプラスに
・2008年10月再び下落・失速へ

・下落基調続く

2009年3月以降低迷感継続中

・踊り場を終え再び微増か?
国土交通省では同日、住宅着工に一か月ほど先行するとされている建築確認件数も発表している(【「最近の建築確認件数等の状況について」発表リリース】)。これによると今回発表された2010年7月分データでは前年同月比7.1%プラスとなり、先月の7.8%プラス同様にプラス圏を維持している。ただし昨月より0.7ポイント減少しているところを見ると、来月は多少落ち込みを見せる可能性は否定できない。

冒頭でふれたように「持家住宅がプラスを維持し、分譲住宅(建て売りまたは分譲の目的で建築するもの)もプラスに転じたまま」の状況は継続している。賃貸目的の住宅はマイナスのままで、これまでの「出来あいの建売住宅よりも注文住宅の方が需要が大きい(【住宅購入ニーズは「マンションよりも一戸建て」「建売よりも注文住宅」】)」、「お買い得感を持つ住宅購入検討層が『少々背伸びをして、分譲住宅ではなく自分の好み・希望に合った持家を買うケース』が増加している(【背伸び傾向ますます強まる・増加する首都圏住宅ローン総額(2009年分データ反映版)】)」傾向から、「注文住宅に人気が集まっていることに違いはないが、分譲住宅でも買えれば妥協するかな」という雰囲気が出てきたのかもしれない。

賃貸も建売も持家も不動産不況で大きく値を下げたことで、顧客側のニーズにマッチした、(特に購入側にとって)適切な価格帯の持家住宅にはそれなりの需要が戻りつつある。昨今の「一部の」上場不動産企業の決算データ、業績の上方修正を見てもそれは明らか。一方で賃貸・建売は供給過多状態が続き、業者は手持ち物件を減らしたいために新築を抑えねばならず、需給のミスマッチは残念ながらもいまだに継続中。

今回計測月もプラスを継続しているが、前年同月のマイナス値(30〜40%のマイナス)を見ると、数%のプラスはリバウンドの範囲に入るとも考えられる。前年同月のマイナス値がゆるやかになる11月以降も、プラスを維持できるのかに注目したいところだ。




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