同人誌即売会出展者の約半数は「最高でも30部未満」・1000冊以上も2%

2010/08/29 12:05

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本を手に取って……漫画アドは2010年8月23日に、【NINJA TOOLS】上で主に非商業系(≒同人系)の絵師やイラストレーターに対して行った「イラスト・漫画に関するアンケート調査」の結果を発表した。それによると調査母体においては、同人誌即売会に出展側として参加経験がある人は37%に達していた。それらの人の「1度の即売会での」最高販売冊数は「10-29冊」の人が24%と最も多く、「30冊未満」の区切りで見ると47%になる。一方で300冊以上売れた経験がある人も10%ほど確認ができる(【発表ページ】)。


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今調査は2010年8月13日-19日までの間に「NINJA TOOLS」のユーザーで絵師やイラストレーターをしている人に対しウェブ上のアンケート形式で行ったもので、有効回答数は3986人。男女比は22対78、年齢階層比は10代30%・20代41%・30代19%・40歳以上10%。職業別区分は学生40%、主婦(夫)7%、会社員・公務員21%、役員1%、個人事業主・クリエイター10%、フリーターやアルバイト21%。なお執筆作品の項目で「商業誌」と回答した人は3%に過ぎないことから、回答者の多くは非商業系(同人誌、趣味趣向としての自主公開作品など)であることが推定される。

主に同人作家で構成される調査母体において、同人誌即売会に委託も含めてサークル参加をしている人は17%・今はしていないが経験がある人は20%、合わせて37%が「出展側・頒布側として参加経験あり」という結果が出ている。この37%の人に、実際の即売会で1度に最高何冊売れたことがあるかを聞いたところ、もっとも多い回答は「10-29冊」の24%だった。

↑ 同人誌即売会で、最高で1回あたり何冊売れたことがあるか?(同人誌即売会に頒布・出展側として参加したことがある37%限定、頒布物が複数の場合は合計値)
↑ 同人誌即売会で、最高で1回あたり何冊売れたことがあるか?(同人誌即売会に頒布・出展側として参加したことがある37%限定、頒布物が複数の場合は合計値)

冒頭では「30冊未満で47%」としたが、他にも区分をするといくつかの領域があるように見えるので、大きく三つに分けることにした。一つが「30冊未満」でこれは47%。このハードルを越えると「30-299冊」の領域に入り、これが45%。そしてこれを突破すると「300冊以上」という「別世界的な領域」に突入するが、これは全体の10%でしかない。

個々の同人誌の販売ポリシーや市場規模(取り扱っているジャンルのファン人数)、出版している本人やサークルの人気度、そして印刷冊数などで販売数は大きく変わる。さらに「販売冊数の多い少ない」がそのまま「同人誌の良し悪し」に直結するわけでもない。とはいえ実際に、同人誌を即売会で出している人にとって、「隣の家の芝生」は気になるところ。今データはあくまでも一例でしかないが、具体的なものとして参考になる人も少なくあるまい。

また今後、デジタル化がさらに進むと共に、電子出版が現状より普及し、個人ベースでも(今と比べて)気軽に電子書籍が出版できるようになった時、同人誌の世界がどのような変化をとげるのか。その点でも興味は尽きるところを知らない。


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