貯蓄額が多い=色々と余裕が出てくる? 貯蓄額別・日頃のお金の使い道をグラフ化してみる

2010/08/27 05:04

総務省統計局が発表している【家計調査報告】を元に、【50歳代以上で貯蓄総額の8割強…世帯主の年齢別貯蓄総額分布をグラフ化してみる】などをはじめ、先日から以前挙げた記事の見直し・データの最新版への更新を行っている。この「家計調査報告」はデータそのものだけでなく、そのデータをさまざまな視線から図式化しており、現在の日本の家計における実情を指し示す良い資料となっている。今回は「参考資料」の中から「貯蓄現在高区分別消費支出額と、項目別費用構成比」を参考に、元データからグラフを拡大・再製作してみることにした。

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家計調査は全国のすべての世帯(学生の単身世帯を除く)を対象として家計収支の調査を行い、各種世帯の特性による集計結果によって、国民生活の実態を毎月明らかにし、国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を得ることを目的としている。調査期間は原則毎月。毎月6分の1ずつが差し替えられる。調査方法は基本的に調査票を用い「調査員による質問」「記入された調査票の回収」などによる。

また「消費支出」とは、

・(実)収入……世帯主の収入(月収+ボーナス臨時収入)+配偶者収入など
・支出……消費支出(世帯を維持していくために必要な支出)
     +非消費支出(税金・社会保険料など)
     +黒字分(投資や貯金など)

であり、要は「手取りの中から実際に色々と社会生活の中でお財布から出していく金額」を意味する。

まずは「一か月あたりの」貯蓄現在高階級別消費支出。要は現在貯蓄をどれだけ持っているか別・一か月にどれだけ生活費を費やしているかの違い。少々考えれば分かるように、そして実際「家計調査報告」の別項目にも記載されている通り、「貯蓄現在高が大きい人ほど収入も大きい」傾向がある。そして税金や社会保険料なども収入が上がれば増えるが、まったく正比例なわけではないので、当然「貯蓄現在高≒収入が大きい方が、消費(できる)支出額も大きくなる」という次第。

↑ 貯蓄現在高階級別消費支出(万円、2009年)(一か月あたり)
↑ 貯蓄現在高階級別消費支出(万円、2009年)(一か月あたり)

実際、貯蓄額の違いにより最大で6割近くの消費支出の違いが出ている。

以前【エンゲル係数の推移をグラフ化してみる】の「エンゲル係数」の考え方でも触れたが、何人ものメイドさんを抱えるようなよほどの富豪でない限り、多少収入が大きくても「食費」が跳ね上がったり「光熱・水道費」が急上昇するわけではない。よって、消費支出そのものが大きくなれば、「食費」「光熱・水道費」の”割合”は漸減していく。

↑ 貯蓄現在高階級別消費支出の費目別構成比
↑ 貯蓄現在高階級別消費支出の費目別構成比

逆に「貯蓄現在高≒収入」が大きいほど「その他の消費支出」「教養娯楽」の2項目(一番上と上から二番目)比率が増加しているのも確認できる。「その他の消費支出とは」「諸雑費」「こづかい」「交際費」「仕送り金」などからなり、要は「色々雑多に自分の自由意思で使えるお金」。消費支出額そのものも増え、それに占める割合も増えるのだから、当然「貯蓄現在高≒収入が大きい方が色々と自分の思う通りにお金を使い回せる」ことになる。当然といえばそれまでなのだが、その「当たり前」に数字的な裏付けをした形だ。



元資料には消費支出全体に占める各項目の比率だけでなく、平均絶対額も記されているが、それを見ると色々な生活様式もかいまみれる。例えば上の比率図からも確認できるように、「住居費」は「低貯蓄者は高め」「中堅層は安め」「高貯蓄者はやや高め」。これは実金額を見ると

・低貯蓄者……賃貸住宅が多く家賃が反映される事例が多数に及ぶ&消費支出総額も低めなので比率が高くなる
・中貯蓄者……賃貸住宅利用者以外に持ち家の人も増えてくる。住宅ローンを支払い終われば住居費はほぼゼロになるため、平均額も低くなる(消費支出総額は漸増するので比率は漸減)
・高貯蓄者……持ち家率は高いが賃貸住宅利用者の賃料は飛びぬけて高くなる。よって平均値は多少高くなる。しかし消費支出総額も高いので、住居の比率は多少上がる程度でおさまり、低貯蓄者ほどのものではない

などの傾向が確認できる。あくまでも平均値なので参考程度でしかないが、グラフや数字を眺めていると、他にも色々な事柄がすけて見えてくるはずだ。

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