50余年に渡る貯蓄額や年収、貯蓄の年収比の移り変わりをグラフ化してみる

2010/08/25 12:00

総務省統計局が発表している【家計調査報告】を元に、【50歳代以上で貯蓄総額の8割強…世帯主の年齢別貯蓄総額分布をグラフ化してみる】などをはじめ、先日から以前挙げた記事の見直し・データの最新版への更新を行っている。この「家計調査報告」はデータそのものの他に、そのデータをさまざまな視線から図式化しており、現在の日本の家計における実情を指し示す良い資料として仕上がっている。今回は「参考資料」の中から「二人以上の世帯の貯蓄現在高と年間収入の推移」を参考に、元データからグラフを拡大・再製作してみることにした。

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家計調査は全国のすべての世帯(学生の単身世帯を除く)を対象として家計収支の調査を行い、各種世帯の特性による集計結果によって、国民生活の実態を毎月明らかにし、国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を得ることを目的としている。調査期間は原則毎月。毎月6分の1ずつが差し替えられる。調査方法は基本的に調査票を用い「調査員による質問」「記入された調査票の回収」などによる。

また、今回グラフ化したデータのうち、2000年までは「家計調査」の附帯調査として実施されていた「貯蓄動向調査」のものを参照しており、「家計調査」そのものへは1年の準備期間をおいた上で移行された。2001年分のデータが空いているのはそのためである。

さて、データとして用意された1959年以降の二人以上の世帯における「貯蓄現在高」「年間収入」、さらには「貯蓄の年収比」の推移を示したのが次のグラフ。物価上昇と共に年収や貯蓄現在高が上昇していること、さらにはそれらとは別に貯蓄の年収比が少しずつ増えていることが確認できる。

↑ 貯蓄現在高及び年間収入の推移(二人以上の世帯)(2000年までは貯蓄動向調査による)
↑ 貯蓄現在高及び年間収入の推移(二人以上の世帯)(2000年までは貯蓄動向調査による)

1990年以降年収が横ばいなのは【過去60年にわたる消費者物価の推移をグラフ化してみる】にもあるように、物価そのものが横ばいとなり、日本の成長率が鈍化したことなどが要因。2001年以降の漸減は物価安定に加えて、デフレ感の進行やは【日銀レポートによる「なぜ好景気でも賃金は上がらなかったのか」】【大企業の配当金と人件費の関係をグラフ化してみる】にもあるが、多種多様な要因による結果。

↑ 消費者物価指数推移(1950年-2009年12月)(1950年の値を1.000とした時、持家の帰属家賃を除く総合)(円)(再録)
↑ 消費者物価指数推移(1950年-2009年12月)(1950年の値を1.000とした時、持家の帰属家賃を除く総合)(円)(再録)

一方、年収は横ばい-漸減しているにも関わらず、貯蓄高や貯蓄年収比は漸増しているようすが分かる(もっともこの数年は、貯蓄を切り崩す傾向が確認できるが)。これは単純に貯蓄性向が高まっただけでなく、ある程度の貯蓄を成している中堅層-高齢者の世帯が増えていったことをも意味する(毎月同じ額だけ貯蓄して、切り崩しがなければ、歳をとっている世帯主がいる世帯の方が、当然貯蓄額は大きくなる)。



ちなみに最新の2009年分データでは、平均貯蓄額1638万円・平均年収630万円・平均貯蓄年収比は260.0%となっている。あくまでも平均値であり、中央値とは別ものだが、参考値として、あるいは目標値として覚えておくとよいだろう。

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