モバイルは若年層多し、全体では高齢化の兆しあり?…mixi動向(2010年7月)

2010/08/07 12:05

【ミクシィ(2121)】は2010年8月4日、2010年度第1四半期(2010年4月-7月)における決算短信を発表すると共に通期決算説明会を開催、資料の公開を行った。その資料から、以前【登録制への移行はmixiをどのように変えたか…mixiの現状をグラフ化してみる(2010年3月末時点)】でもお伝えした、同社が運営するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)【mixi】の会員数などの動向が明らかになった。今回はそれらの資料からグラフを再構築・構成し、mixiの現状を眺め見ることにする(【発表リリース、PDF】)。

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会員数は増加、ページビュー数は横ばい
資料によれば2010年7月(末)時点でのmixiの主要データは次の通り。

・月間ログインユーザー数(月1以上でログインしたユーザー数)
 ……1430万人
・登録ユーザー数
 ……2102万人
・月間ページビュー数
 モバイル……245.4億
 パソコン……52.3億
  計……297.7億
・月間滞在時間(パソコンのみで計算)
 ……3時間23分(6分33秒/日)


留意すべきは上位二つの項目。登録ユーザー数が2102万人なのに対し月間ログインユーザー数が1430万人、つまり差し引き672万人(31.96%)が2010年7月において「ユーザー登録をしているにも関わらず、一か月の間一度もログインしなかった」ということになる。三か月前のデータと比べて人数・割合共に増えているのが気になる。

また、3月末時点と比較すると、ユーザー数などは増加しているがページビュー数は減少している。これはシステムの整理統合改変などで無駄なページへのアクセス機会が少なくなったことや、利用者自身が利用になれたことによる「アクセス迷子(行きたいページになかなかたどりつけない)」が少なくなった、「常駐ページの固定化」などが原因と思われる。「開店セール」で登録したユーザーのうち常連化した人たちは、アクセスに慣れつつあるということだ。

さて以前の記事と同様に、直近のmixiにおけるパソコン(PC)・モバイル経由の月間PV(ページビュー)、及び会員数の推移をグラフ化したのが次の図。2009年秋の mixiアプリ導入をトリガーとし、大きく飛躍した様子が確認できる。また、2010年2月に大きく落ち込み、3月にはその反動以上に数字が伸びているのも分かる。今回更新分の5-7月においては、ユーザー数は着実に増加を続け、ページビュー数は上記の理由により落ち着きを見せている。

↑ mixiのユーザー数、ページビュー数(パソコン経由とモバイル経由)推移
↑ mixiのユーザー数、ページビュー数(パソコン経由とモバイル経由)推移

以前の記事掲載後に指摘があったように、前月比で考えた場合、各月の曜日・日数そのものの違いがあるため、3-5%の変移は誤差の範ちゅうとして考えねばならない(中期的に数か月の単位で見る場合は別)。それらを前提にデータを見直すと、この3か月間は特に大きな動きも無く、順調に成長を続けているようにみえる(ユーザー数が増えている。PVの横ばい理由は上記にある通り。広告出稿という点ではPVは多いにこしたことは無いが、ミクシィ内部ではそういう考えではないようだ(後述))。

mixiがモバイルSNSであることに変わりなし
次のグラフはPVにおけるPC・モバイルの比率だが、アプリを先行導入したことで2009年9月-10月はパソコンがやや押し返したものの、モバイル版導入後の2009年11月以降は逆に押し戻され、むしろモバイルの数値増加が加速しているのが見て取れる。直近3か月においては比率は安定し、むしろパソコン経由が増えている雰囲気すらある。ただし、モバイル率の絶対的大きさに違いは無い。

↑ PVから見たmixiのモバイル・PC率推移
↑ PVから見たmixiのモバイル・PC率推移

「このままではパソコンのページビュー数は1ケタ台%に落ち込んでしまう可能性すらある」とは前回の記事の言い回しだが、さすがにそこまではなさそう。

高年齢化のきざしあり?
決算説明会資料には他にも多数の興味深いデータが掲載されている。そのうちmixi会員の年齢階層比率をグラフ化し、その傾向を眺めてみる。

↑ mixi会員の年齢階層別比率
↑ mixi会員の年齢階層別比率

最多階層が20-24歳であることに違いはないが、モバイル会員の方が若手が多いことが容易に把握できる。ただしこれを前回、つまり3か月前のデータと比較すると、別の動きが見えてくる。

↑ mixi会員の年齢階層別比率(全ユーザー)(2010年3月末-7月末)
↑ mixi会員の年齢階層別比率(全ユーザー)(2010年3月末-7月末)

↑ mixi会員の年齢階層別比率(モバイル)(2010年3月末-7月末)
↑ mixi会員の年齢階層別比率(モバイル)(2010年3月末-7月末)

モバイル、全体(つまりPCも)共に、18-24歳の階層で減少・30歳以上の階層で微増の傾向が見られる。これを一過性のもの、誤差の寄り集めと見るには一様に変化が起きているので考えにくく、注目すべきものといえる。今後さらに同様の動きがあれば、会員数増減の動向とあわせ、検証する必要が出てこよう。



決算発表後に行われた【IT mediaでの取材記事】によれば、mixiでは課金制ソーシャルゲームの大展開をはじめとした収益率の拡大や、PVのアップには消極的で、まずはサービスの質を高めることに注力している。記事にいわく、課金制ソーシャルゲームを前面に押し立てる(他社のソーシャルメディアと同じような)姿勢は「焼き畑」であり、それはしたくないとのこと。

逆にいえば、ソーシャルメディア内でソーシャルゲームを主軸に展開した先には、焼き畑をし終えた後の焼土しか残らないというイメージがある、と考えることもできる。猫も杓子もソーシャルゲームの昨今において、ミクシィの笠原健治社長には何らかの予見があるように思えてならない。

その予見が正しいか否か、そして笠原社長率いるmixiは他のソーシャルメディアとは少々異なる道を歩むことになるのだろうが、それはどのような方向なのか。注意深く見守りたいところだ。

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