【更新】新聞の種類別広告掲載量推移をグラフ化してみる

2010/08/08 07:06

新聞新聞広告データアーカイブは2010年8月1日、新聞広告月間動向として、2010年1月から5月まで、グループ別新聞広告掲載量の推移を発表した(【発表ページ】)。これは電通の「電通広告統計」を元にしたものだが、その元データのページ(電通:マスコミ4媒体広告量(電通調査))では1999年以降の月次における、同社が調査した新聞・雑誌・ラジオ・テレビの広告出稿量が掲載されていた。そこで今回は、新聞の種類別における、広告出稿(掲載)量の月次推移を、金融危機が具体化した2007年以降においてグラフ化してみることにする。

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新聞の発行部数は以前【1年間で114万部減……新聞の発行部数などをグラフ化してみる(2009年分データ暫定更新版)】でお伝えした通りで、確実に減少を続けており、特にスポーツ紙の減り具合が著しい。それが広告掲載量という観点からも分かるのが次のグラフ。

↑ 広告掲載量(前年同月比)(2007年1月-)
↑ 広告掲載量(前年同月比)(2007年1月-)

先の「新聞の発行部数などをグラフ化してみる」にもあるように、新聞そのものの勢いは金融危機の具体化以前、そしてインターネットの普及化以前から傾向として見受けられた。インターネットの普及や金融危機は、単にその動きを加速化させたに過ぎない。2007年夏の金融危機具体化以降になると、広告掲載量は目に見るように低下を見せ、2008年以降は前年同月比マイナスを維持し続けることになる。特に2008年9月の「リーマンショック」以降の下げ率が大きくなっているのも確認できる。

一応その「リーマンショック」の影響による広告量の減少から1年を過ぎた2009年秋以降は、「前年同月比」としては復調傾向が見え始める。注意してほしいのは、マイナス値が小さい場合には、あくまでも「相当落ち込んだ去年の同月と比べ、落ち込み具合が緩やか」でしかなく、絶対値としては「去年同月よりさらに減少している」ことに違いないという事実。

今年2010年に入り、全体や地方紙、ブロック紙で何度かプラスを見せる場面が出てきているが、これも「昨年同月の大きな下げ(マイナス10%前後)と比べて、多少の上昇」に過ぎない。絶対的な広告量の基準としては、低迷状態が続いている。

大きな下げを見せた(リーマンショックの影響が大きい)2009年頭以降に期限を絞ると、「大底と比べれば下げ率は緩和したけど、下げているところからまだ下げ続けていることには違いないね」「最近ではプラスもあるけど、大底からの多少の上げだから、大きな回復とまではいかないな」というのが良く分かる。

↑ 広告掲載量(前年同月比)(2009年1月-)
↑ 広告掲載量(前年同月比)(2009年1月-)

他方、スポーツ紙の低迷ぶりもあらためて確認できる。発行部数の低迷はそのまま広告掲載量の低迷にもつながる(発行数量が減るからといって1部あたりのページ数が減るとは限らないが、媒体力は減少するため広告掲載魅力も損なわれ、広告出稿側も躊躇するようになる)。全国紙・ブロック紙・地方紙が一様に「持ち直し」「下落傾向にストップがかかる」状況なのに、スポーツ紙は相変わらず下落傾向を続けたまま。発行部数の減少とスパイラル的な状態にあるのが改めて認識できる。



駅売店のスポーツ紙駅の売店などに並ぶスポーツ紙(タブロイド紙)を見ると、これまでに無いえげつなさ・インパクトによるあおりの傾向が見受けられる。一部紙(厳密には新聞では無くて雑誌部類なのだそうだが)に至ってはすでに公器的な意味合いの出版物としての立場を放棄し、一部政党派閥の機関紙と化しているのもあるほど。

「売れるためにはなりふり構わぬ」という姿勢と受け止めることもできるが、それは結局自らの信頼性をますます損ない、広告媒体としての価値を削り取り、自らの立ち位置をますます危ないモノにしているに過ぎない。ただでさえインターネット、携帯電話、さらに最近ではデジタルサイネージによりその存在意義に疑問符を打たれている状況においては、自滅行為でしか無い。

新聞業界全体に見られる傾向だが、スポーツ紙は特に、いわばマイナススパイラルに陥っている感は否めない。それがこの広告掲載量にも表れているといえよう。

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