【更新】BP社事故の原油流出量を色々なモノに例えてみる
2010/07/22 07:11


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・オリンピックの公式プール(横幅、深さ)に満たすと、長さが13.84キロメートルになる(縦に279個つなげたくらいの長さ。Michael Phelps氏が記録した世界最高の水泳スピードで2時間ほどかかる)。
・間欠泉で世界的に有名なイエローストーン国立公園の「オールド・フィスフル」で噴出される熱湯の量なら、76日と1時間23分かかる。
↑ イエローストーン国立公園の間欠泉。
・過去の原油流出事件、事故と比較すると……湾岸戦争の時にイラク軍によって意図的になされた原油流出(2億3940万ガロン)と比べると76.4%。1970-1980年に同じくメキシコ湾で起きたIxtoc油田の事故では1億4030万ガロンが流出。これはBP社の現時点の流出量の76%に相当する。
・流出原油が仮に0.4ミリの厚さで海面を敷きつめたならば、1748平方キロメートルの面積になる。これはサンフランシスコ湾のほぼすべてを敷きつめることになる。
・原油をすべてエネルギー換算すると、745万キロワット時に相当。これはアメリカの67万4563世帯の「一年間の」エネルギー消費量に等しい。

・世界最大のドーム球場、「カウボーイズスタジアム」の体積をメキシコ湾全体に例えると、流出した原油そのものの量は680グラムの飲み物1缶分に相当する(0.00000002788%)。
・アメリカ政府によると、世界の確定済みな原油埋蔵量は1.36兆バレル。今回の流出量は埋蔵量の0.000322%に過ぎない。逆算すると、埋蔵量全体分を流出させるには、今回のこれまでの流出分をあと31万0431回起こす必要がある。アメリカ国内の残存量と比較しても0.0209%、サウジアラビアと比較した場合は0.001670%でしかない。

身近なもので例えると多いように思えるし、原油全体量と比べるとまだまだ少ないようにも感じてくる。しかし流出した原油量が膨大なものであることに違いはない。さらに、直接の流出の損失だけでなく、間接的な影響(環境や観光、健康、人的被害その他)は単純に流出した原油の量で推し量ることはできない。
日本では「大した量では無いよね」という論調で報じられることが多い。今件は「現時点で具体的にどのくらいの量になるのか」を知る材料として、読み解くのが良いだろう。あらためてその規模を認識することができるはずだ。
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