【更新】ポイントは「ユニバーサルデザイン」…色弱者も良く分かる赤信号

2010/07/17 12:05

開発された赤信号以前【地方テレビ局の業績状態をグラフ化してみる……(1)直近決算の比較】などで財務状態について触れた【アール・ケー・ビー毎日放送(9407)】。こちらの公式サイトで掲載されている「福岡及び九州のニュース」で先日2010年7月14日、興味深いニュースが掲載された。「色覚障害でも見やすい信号」との記事で、色覚障害の人でも、信号機の色が容易に判別できるというものだ。

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【信号機の色はなぜ「赤黄青」なのだろう】でも少々触れているが、今後新設される信号は基本的にLED製となる。ところが色の識別が難しい(普通の人とは色の見え方が異なる)色覚障害の人(色弱者)には、LED製の信号機はこれまでの電球式と比べ、より一層判別がつきにくくなったのだという。

色覚障害の中でもっとも多いのは「赤系統から緑系統への識別が難しい」人たち。これまでの電球形式の信号機の場合、色そのものではなく、信号機の明るさで見分けてきた。ところがLEDの場合はどの色もほとんど同じ明るさとなってしまう(揃えられている)ため、明るさでの識別が困難になってしまう。特に黄色と赤が区別しにくいとのこと。

そこで九州産業大学の落合太郎・芸術学部デザイン学科教授が生み出したのが「LED車両専用道路交通信号灯(ユニバーサルデザイン)」(すでに国内外の特許出願・登録済み)(http://www.kyusan-u.ac.jp/J/kenkyu/seeds/1617.pdf。現在はリンク切れ。関連資料は【九州産業大学 芸術学部 落合太郎研究室】に確認)。赤信号の赤の部分に少々青みを加えて少々紫っぽく見せると共に、より一層青を加えて紫傾向の強い赤色で、バツ印の形にLEDを埋め込む。

↑ 左から「普通の人が見た場合」「P型(Protanope型)・赤い光を感じる部分が無いか、弱い人」「D型(Deuteranope型)・緑の光を感じる部分がないか、弱い人」の視線で見た、LED車両専用道路交通信号灯の赤信号部分のシミュレーション。中央と右の周辺部分はほとんど黄色にしか見えないが、本来紫色で周囲の赤色に溶け込んでいるバツ印が青く浮かび上がり、停止を示す赤信号であると認識できる。
↑ 左から「普通の人が見た場合」「P型(Protanope型)・赤い光を感じる部分が無いか、弱い人」「D型(Deuteranope型)・緑の光を感じる部分がないか、弱い人」の視線で見た、LED車両専用道路交通信号灯の赤信号部分のシミュレーション。中央と右の周辺部分はほとんど黄色にしか見えないが、本来紫色で周囲の赤色に溶け込んでいるバツ印が青く浮かび上がり、停止を示す赤信号であると認識できる。

通常の人には赤と紫は類似色だから遠目は「普通の丸い赤かな」と違和感なく観れる。バツ印部分は周囲の赤に溶け込んでしまうわけだ。ところが色弱の人は青い色に敏感に反応するため、赤部分は黄色っぽく見えて(信号機内では隣に配されている)黄色信号と誤認してしまいがちになるが、バツ印部分は青色に見えるので、その信号が「バツ」、すなわち赤信号であることが分かる仕組み。

資料にもあるように「色弱の人にも赤信号を明確に認識させつつ、普通の人にも違和感なく使ってもらう」信号を創る手法としては、信号機自体を明るく光らせたり、黄色の横にマーカーを置いたり、黄色の輝度をあげたり、形を変えるなどの方法が考えられる。しかし「すぐに認識できる」「違和感がない」「コストパフォーマンス」の点でもっとも優れているのが、今回落合太郎教授が生み出した、この方法。

落合教授はレポートの中で今件信号機を

必要な情報が必要な人に届き、必要でない人には届かないユニバーサルデザイン

と述べている。日本では男性の5%・女性の0.2%が色覚に問題を持っているとのこと。さらに高齢化によってその比率は上がる可能性が指摘されている。そのような状況下においては、今回の研究成果は教授の説明する通りのもので、シンプルかつ非常に有意義な成果だといえよう。

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