リバウンド収束感強し・前年同月比でプラス12.0%(2010年6月分大口電力動向)

2010/07/17 19:30

電気事業連合会は2010年7月16日に同連合会公式サイト上において、2010年6月分の電力需要実績の速報を発表した。それによると同年6月の電力需要(使用量)は10社販売電力量合計で676億kWhとなり、前年同月比でプラス5.0%を記録した。一方、産業用の大口電力需要量は前年同月比でプラス12.0%を記録し、7か月連続で前年同月の実績を上回ることになった(【発表リリース、PDF】)。

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今調査の概要および用語解説は過去の記事まとめページ【大口電力使用量推移(電気事業連合会発表)】で説明をしている。そちらで確認をしてほしい。

2010年6月においては大口全体で前年同月比プラス12.0%。「前年同月比」というしばりがあるが、それだけ工場の施設の稼働率が増えたことになる(機器の技術進歩などによる節電効果も数字には反映されているだろうが、一年で加速度的な進歩がない限り、誤差の範囲でしかない)。

大口電力使用量産業別前年同月比(2010年5-6月)
↑ 大口電力使用量産業別前年同月比(2010年5-6月)

今月も前月に続き、すべての項目で前年同月比でプラスを見せている。数字のプラス値そのものは非常に頼もしい話ではあるが、昨年のこの時期は「リーマン(ズ)・ショック」で急激な下げを見せていただけに、安心はできない。例えるならコンビニの売り上げにおける「タスポ効果」の反動と真逆で、リーマンショックの反動を超えたものではないという考え方ができる。絶対値の差異を見れば容易に理解できる(2009年6月の全体値はマイナス22.0%)。また、「鉄鋼」の急速な回復は頼もしい限りであるが、「紙・パルプ」「窯業・土石」以外のすべての項目で先月比で伸び率が後退しており、先月に続き天井観が予見される。

先月比のグラフでは中長期の流れをつかむことは難しい。そこで記録保全の意味も含め、2007年1月以降の全産業別の前年同月比推移グラフを掲載しておく。

大口電力使用量産業別前年同月比推移
↑ 大口電力使用量産業別前年同月比推移(2007年1月以降)

2010年6月の時点では、大口電力使用量の観点においては、同年4月を天井に、3月までの状況回復傾向が失速期に入った感が強い。現在は「前年同月比」において、昨年の「マイナス20%、30%は当たり前」と比較した形での値が出るため、見た目は急速に回復しているようでも、実はそれほど驚くべき内容ではない、繰り返しになるが「コンビニの売り上げ」や「住宅の新築着工」でも見受けられた「前年同月比のトリック」が発生する(去年の下げ方が異常な大きさなら、今年は下げていても「それよりマシ」に見えてしまうという現象)ことに留意する必要がある。全体値では2009年2-9月で大きなマイナス値(マイナス20-30%)が確認されているので、9月まではプラスで大きめの値が出るが、勢いそのものはすでに下降状態を見せ始めており、今後もこの傾向が続くことが予想される。

昨今の状況はあくまでもリバウンドの域に留まっている、しかもそれも収束しつつあるというのが現状だ。

今件は国内景気(内需)を推し量る物差しとして注目すべき指標であるだけに、大口電力使用量は今後も注意深く見守り続けることが求められよう。

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