企業と消費者を結ぶツイッターなどのマイクロブログ、各国の信頼度合いをグラフ化してみる

2010/07/07 12:00

信頼【メールとFacebookとツイッター、企業とネット消費者を結びつける媒体の関係】【企業戦略としてのSNS利用、急速に浸透中・ツイッターも猛追】などで解説しているように、非常に小さな利用規模でハードルが低い「マイクロブログ」、特に【ツイッター(Twitter)】の普及で、企業への信頼の価値観は確実に変貌を遂げつつある。アメリカの総収入上位500社からなる「フォーチュン500」の3/4以上の企業はツイッターにアカウントを持ち、信頼構築とブランド普及に励んでいる。【eMarketer】では調査機関のFleishman-Hillardによるレポート[Building Trust Through Brand Monitoring]を元に、その実情を解説していた。今回はおおもとのレポートを取得した上で、グラフを再構築し、その内容をざっと説明してみることにする。

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今調査は2009年12月から2010年1月にかけてインターネット経由で行われたもので、全有効回答数は4243人。各国毎に年齢や性別、教育課程など各国の特性・傾向に基づく形でウエイト調整が行われている。

まずは企業がマイクロブログをはじめたことで、その企業に対する信頼性はどのように変わったか。国別で大きな違いが出ているが、ツイッター発祥の地であるアメリカでは意外に冷めた見方をしているのが気になる。

↑ 企業がマイクロブログをはじめたことでその企業に対する信頼性はどう変わったと思うか
↑ 企業がマイクロブログをはじめたことでその企業に対する信頼性はどう変わったと思うか

元記事の解説によれば「アメリカやイギリス、カナダのような国では、マイクロブログの認知度は高いものの利用率はそれほどでも無く、結果として信頼性における判断のしようが無かったからではないか」としている(アメリカの場合は消費者の87%が認知しているものの、7%しか利用者がいない、というデータもあるそうな)。一方で日本や中国の値が高いが、これは調査母体においてツイッターの利用者が多いのが原因ではないかと思われる(特に中国の調査母体は他項目の結果もあわせ、デジタル社会に精通したニューリッチ層が多数を占めている可能性が高い)。

また、いずれの国でもマイクロブログの(適切な)利用により、少なくとも信頼性においてネガティブな影響よりはポジティブな影響がはるかに大きいことも確認できる。【「ソーシャルメディア食わず嫌い」な人の耳に入れたい5つの真実】の話が改めて理解できよう。

さてそのマイクロブログを運用している企業に対し、利用者はどのような態度を見せている、想いを馳せているだろうか。3つの項目について尋ねた結果が次のグラフ。

↑ マイクロブログをしている企業への態度
↑ マイクロブログをしている企業への態度

国ごとに差異はあれば、どの国でも「マイクロブログによって消費者に耳を傾けてくれるからありがたい、嬉しいな」という好意的な意見が多数を占めている。一方でカナダをのぞく主要西側諸国では2割近くの人がプライバシーに関する懸念を抱いており、インターネット全体に対する個人情報漏えいへの懸念が、マイクロブログにも暗い影を投げかけているのが分かる。

また日本や中国でその項目への回答が低いのは、マイクロブログが云々というものではなく、インターネットそのものへのプライバシーへの姿勢が甘い状況の裏返しともいえる。

最後に、マイクロブログに限らず、インターネット全体において、意思決定の面で今後どのような影響を及ぼすかについて予想してもらった結果。やはり素直に受け入れている日本や中国の値が高い結果が出ている。

↑ 今後2年間でインターネットは貴方にとって意思決定の面でどんな影響を及ぼすか
↑ 今後2年間でインターネットは貴方にとって意思決定の面でどんな影響を及ぼすか

いずれの国でも「強い影響」が「弱い影響」を上回っているが、特にアジアの日本と中国の値が大きい。このあたりは【世界各国の「新聞・雑誌」や「テレビ」への信頼度をグラフ化してみる】で触れた新聞や雑誌、テレビへの信頼度とほぼ同じ動向を示しており、非常に興味深いものがある。元々この地域の国々ではメディアに対する信仰度(と表現しても良いだろう)が高めなのか、それとも疑うことに慣れていないのか、あるいはメディアリテラシーが高くないのが原因なのか、一概に断じることは難しい。



中国本文中でも触れたが、中国のマイクロブログやインターネットに対する浸透・傾注度が異様に高いのは、調査母体そのものの多数が「デジタル社会に精通したニューリッチ層」で構成されている可能性が否定できない。しかし彼ら・彼女らがインフルエンサー(インターネットも含めた口コミの世界の上で、情報発信源となる影響力の強い人たち)となることで、多くの人に情報が浸透していく可能性もまた否定できない。

それを考慮すれば、同国政府がインターネット経由で海外とのアクセスに厳しい制限を設けているのも理解できる。インターネットとそれを通じて世界中に浸透している情報は、正に諸刃の剣(しかも制限を強めていることから察するに、どちらかといえばネガティブな要素が大きい)となりうるからだ。

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