30秒で音質の良さが分かるIP電話会社のコマーシャル

2010/07/01 07:03

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あれ……?携帯電話の場合は「つながりやすさ」「アンテナ3本の立ちやすさ」がサービス選択の一つのポイントとなる。通常の電話やIP電話の場合はそれらの点はさほど気にする必要は無いものの、代わりに気になるのが「音質の良さ」。いくら安くても相手の声が聞きづらかったり、だみ声っぽく聞こえてばかりでは、利用価値も半減してしまう(日本ではあまり差異が生じないが……)。今回紹介するのは、IP電話サービスを提供する【Vonage】が展開した、「うちのIP電話ならここまでキレイな音質で会話が出来ますよ」というアピールがひと目で分かる、非常に優れたコマーシャルである(I Believe in Advertising)。


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↑ それこそ相手が隣にいるかのような……。
↑ それこそ相手が隣にいるかのような……。

天地がひっくり返ったような舞台で、上に住む人と下に住む人が電話のコール音と共に表れ、家の中央で耳を寄せあい会話を始める。もちろんこれは実際には、上と下とでは別々の家にいて、互いが受話器越しに会話をしていることを表している。「まるでこのシーンのように、お互いが頭と頭を付け合って会話をしているくらい、キレイな音質で電話ができますよ」というアピールがすぐに分かる。確かにここまで近づけば、どんな場面よりも相手の声が鮮明に聞こえるハズ。

後半部分では「上の人」の家に同居している女性が電話越しに、「下の人」に声をかけており、何気ない電話による会話のワンシーンが展開される。「なるほど、こんなことって良くあるよね」と見た人を納得させると共に、「通常の」電話を使った会話のようすが頭の中にビジュアル化され、目の前で繰り広げられている「頭と頭を寄せ合う”通話”」と重ねられることで、「非常に音質の良い通話」が深く印象付けさせられるわけだ。

今「上下の世界で会話シリーズ」は、他にも2パターンが用意されている。上のは「同居人が電話越しに相手へ話しかける」という演出があったが、他の2パターンもそれぞれ「ちょっとしたアクセント」があるのが嬉しいところ。


↑ 真夏な場所と真冬の場所との会話。「下の人」は半そでで顔色もよく、窓越しに見える景色も常夏。一方「上の人」は雪が降りしきる場所で長袖。寒さのあまり顔色も少々白っぽい。「まるで耳元に話しかけられているようだよ」と笑って語っているが、「そのままじゃん」とかツッコミを入れたくもなる(笑)。


↑ 夕食の準備について語る二人。それぞれ自分の家にいる同居人に質問をする際、相手の顔を抑えて「受話器の部分を手で押さえて相手に聞こえないようにする」シーンを演出しているのがファニー。

上下をひっくり返した室内シーンを通常のそれと重ねることで、トリックアートのようなインパクトが出る。これにより「なにこれ?」と視聴者に注目させ、まずは画面に注目させるという効果も加わり、30秒ちょっとという短い時間ながらも(最後の5秒は会社のロゴなどが表示されるので、正味25秒に過ぎない)非常に優れた、そして効果のある内容となっている。

「どのような表現を使えば、単純に、短時間で自社のIP電話の音質の良さが分かってもらえるのか」という課題に対し、下手なグラフや利用者のインタビューを並び立てるより、はるかに具体的に、分かりやすく、瞬時に理解できるという点で、高いポイントを挙げられるコマーシャルといえよう。


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