【更新】2010年5月度外食産業売上はマイナス1.7%・客単価下落は止まらずも好天で客足はややポジティブに

2010/06/26 06:57

日本フードサービス協会は2010年6月25日、協会会員会社を対象とした外食産業の市場動向調査における2010年5月度の調査結果を発表した。それによると総合売り上げは前年同月比でマイナス1.7%となり、4か月連続のマイナスとなった。客単価の減少は続いものの、天候の良好さなどから客数が堅調さを見せたため、売上の減少はさほど大きなものとはならなかった([発表リリース])。

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今調査はファストフードやファミレス、パブレストランや居酒屋、ディナーレストラン、喫茶店などを対象に行われたもので、対象数は事業者数が179、店舗数は30062店舗。今月は前月と比較して事業社数・店舗数共に減少している。

全業態すべてを合わせた5月度売り上げ状況は、前年同月比で98.3%と前年同月を1.7%下回り、先月から続いてマイナスを見せることになった。今回計測月は不景気局面とそれに伴う商品単価の引き下げ傾向から客単価の減少は避けられず、マイナス3.0%に。一方でいわゆる「前年同月比のトリック」「リバウンド」効果もあってか客数は101.4%と増加。この増加によって、客単価の減少分の売り上げへの影響を最小限にとどめられた。

業態別では「比較的」堅調なファストフードだが、お馴染みのめん類が大幅なプラス、「持ち帰り米飯/回転寿司」はマイナス8.3%と大きく値を減じている。また「その他」以外はすべて客単価が減少しているのが気になる(このあたりの概況は先月と変わらない)。特に昨今色々と話題豊富な牛丼チェーン店が含まれている「和風」では、「売上97.1%」「客数100.9%」「客単価96.2%」と「商品単価を大きく下げて集客を狙った」ものの、売上増加には至っていない状況が手に取るように分かる結果となっている。

ファミレス部門は、洋風チェーン店がかろうじて売り上げをプラスに。中華は店舗数がマイナス5.1%と大きく減る中で、客数がマイナス0.1%に留まっており、売り上げそのものはマイナス2.7%と大きめではあるが健闘している部類といえる。やはり先月のコメントと同じだが、中華では大型店舗化しているのか、中小店舗が淘汰されているのだろう。

全店データ
↑ 全店データ

商品単価下落攻勢に
消費者の節約傾向は継続。
客足は多少戻りつつあるが
売上の回復までには
まだ不足気味。
今月は天候面ではやや恵まれ、業界全体としては「店舗数はほぼ横ばい」「客数は微増↑」「客単価は下落↓」という形。売上高そのものはマイナスとなったものの、リリースコメントでは「客数増により全体的には回復傾向」という表現を使い、期待を持たせている。その原動力となるのが「昨年12月から連続して客数が前年同月比で増加している」というもの。確かに時系列データを見ると、2010年1月のプラス5.9%は特異な例としても、それ以外はすべて1%台のプラスを記録している。

しかしそれ以上に客単価の減少が著しい。前年同月比プラスとなったのは直近で2009年5月のプラス0.7%が最後。以降は毎月1-5%台の(そして客数のプラス分以上の)マイナスが確認できる。薄利多売を維持できるのならこれでも良いが、やはり利益の面では辛い状況であることが予想される。牛丼チェーン店同士の価格値下げ競争が良い例で、企業レベルでは黒字を果たしているところはあっても、市場全体としては厳しい状況を生み出していることになる。

景気動向にもよるが、消費者の消費性向を調べるアンケート結果を見ても、今後外食産業が厳しい選択を迫られるのは容易に想像がつく。消費者の値下げを求める声は続き、世の中全体で安値価格競争は今しばらく継続することが容易に想像できる。食品系の小売では「商品カテゴリの三分化(高品質・高価格、そこそこの品質とそこそこの価格、妥協できる品質と低価格)」が進み、中でも高品質・高価格の商品をブランド化すべく商品展開にいとまがないように見える。果たして外食チェーン店はどのような対応を考えているのだろうか。客単価の減少をどうにか押しとどめるのか、それとも客数の増加で乗り切ろうとするのか、さらに利益の確保はいかなる方法で、など、考え出したらきりがないのだが。

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