バンダイナムコホールディングスの株主総会出席レポート(2010年6月編)

2010/06/21 16:47

プロッププラスプチけいおん!2【バンダイナムコホールディングスの株主総会出席レポート】【バンダイナムコホールディングスの株主総会出席レポート(2009年6月編)】に続き、今年で3回目となる【バンダイナムコHD(7832)】の株主総会出席レポート。今年も去年とまったく同じ会場のグランドプリンスホテル新高輪のある東京・品川へと向かう。

スポンサードリンク


ちょうどほぼ同じ場所で【全日本空輸(9202)】の総会も開かれるあたりも去年と同じ。

↑ 品川駅を出たあたりから案内の看板持ちの人もあちこちに。今年もANAと一緒。今年はちょっと双方とも遠慮がちに離れて起立状態。
↑ 品川駅を出たあたりから案内の看板持ちの人もあちこちに。今年もANAと一緒。今年はちょっと双方とも遠慮がちに離れて起立状態。

↑ 入り口には総会会場を知らせる看板も。去年とほぼ同じ。
↑ 入り口には総会会場を知らせる看板も。去年とほぼ同じ。

入り口の看板には「第5回」の文字が。バンダイやナムコというゲームメーカーそのものは老舗の部類に属するが、バンナムHD(ホールディングス)という持株会社としては歴史がまだまだ浅い。ある意味、成長過程を見定めているようで、嬉しくもなる(そういうセリフは長期保有してから言うもんだ、と自分でツッコミを入れてみる、というツッコミも去年のまま。しかも今年は両建てをしたので事実上権利獲得だけで、配当などはゼロ扱い)。

株主出席票のフォルダーさて会場内部の様子は……と今年も例年のごとく会場内は撮影禁止。総会会場内部の様子は個人情報保護法やプライバシーの問題から、たとえプレスであっても一切撮影はまかりならぬ状態。今年も株主出席票のフォルダー(ナムコ・テーマパーク招待券を兼ねる)を撮影して、会場内写真の代わりとする。

ただし今回はちょっと頭をひねってみた。総会が始まる前に会場外でコーヒーなどのフリードリンクが飲める場所が用意されていたのだが、そこでは総会中継用のテレビが設置されていて、そのテレビはすでに稼働していた。その時点では係の人しかいないものの、会場の概要は把握可能。ということでパチリ。

↑ 設営中の会場内の様子。正面ステージ部分に経営陣が陣取ることになる。
↑ 設営中の会場内の様子。正面ステージ部分に経営陣が陣取ることになる。

議事そのものは昨年同様騒ぎも無く、比較的スムースに進められた。質問に逐一、できるだけ答える形式をとったため、議決案件の議決も含めて丸2時間ほどかかった。質疑応答が正味一時間半ほどだったろうか。一昨年は「エヴァンゲリオン」の葛城ミサト役などで有名な声優の三石琴乃さんが、去年は「機動戦士ガンダム」のララァ・スン役で有名な潘恵子さんが担当した業績報告のビデオアナウンス、今年は小山茉美(こやま・まみ)さんが担当。セーラームーンつながりというのもあるのだろうが、同嬢が最近は報道番組関連のナレーションを多く担当していることも一因だろう(今期該当期(2010年3月期)は決算内容が結構悲惨なものなので、落ち着いた声の人が望まれたと推測できる)。

業績説明や質疑応答の中で気になった、メモに残っている主な事柄をまとめると次の通り(記憶をたどっている部分もあり、ミスがある可能性も。指摘いただければ随時訂正する)。

・「リスタートプラン」スタート……現在進行中の中期経営計画内での目標達成を確実なものとするため。スピード感のあるグループへの変革を。2010年3月期はスピード感無く、後手に回ってしまった。
・コストカットを果たし、2011年3月期は65億円のコスト削減効果を見込んでいる。これにより最終黒字を果たす。

(以下、質疑応答から)
・株主用のフォルダーのフリーパスは大人二人用だが、これを大人二人+子供二人のファミリーパスに「今すぐに」してほしい
 →今すぐは無理。今後の検討課題に。
・お台場のガンダムには400万人の集客があったが、販売グッズが貧相。グループ全般でグッズを充実させ相乗効果を狙うべきだった。
 →今後の検討課題。
・少子化による国内市場の抑制を踏まえ、新旧の人気アイテムをコラボし、親子で楽しめる、全世代を取り組むものを考えてはどうか。
 →今後の検討課題。「プリキュア・オールスター」など。「たまごっち」もテレビとのコラボで調子は良い。
・パックマン30周年であることもあるし、iPadやiPhoneなど新プラットフォームへの進出も検討すべし。
・収益が落ちているのは消費者の娯楽への出費が減少しているから仕方ないが、子供達がコンテンツに飽きているのかもしれない。
・アジア戦略は?
 → トイ事業中心に、日本との連動性が高いものを。プリキュアや「ガンダム三国志」などが堅調。
・アーケードセンターでのカードゲーム市場で、他社・自社商品どうしで共食い状態にあるのではないか。
 →市場規模は約300億円で、そのうち6割程度のシェアを持つ。正直、共食いがないとは言えないが、シェアの絶対性を確保しつつ頑張る。
・アジア戦略はトイ事業のみ? アミューズメントが無いが。所得水準が低いのは理解できるが、将来性を考えれば検討すべきでは?
 →日本の雰囲気が通用しやすいので進出は欧米よりは楽かも。トイ事業以外においても日本国内の事業と連動しながら進めていきたい。
・フランスの子会社周りで国税当局から移転価格について指摘を受けているが……。
 →日仏国政当局からの協議結果待ち(※5月21日発表の【移転価格に関する税務調査に伴う税金関係の見積り計上について(PDF)】の説明の通り)。
・1億円以上の収入の取締役は存在する?
 →一名。上野和典取締役。担当部局の業績堅調のため、賞与で上乗せされて。
・プリキュアのコスプレ用の服が、現代の子供の背丈にマッチしない。現在の子供の体格を考慮し、対象年齢に合わせた製品づくりをしてほしい。
 →見直す。
・花やしきの会場のレイアウトが分かりにくい、入場料金が高い。
 →入場料の値下げは困難。魅力を上げることで満足してもらえるようにしたい。
・「リスタートプラン」と聴こえは良いが印象が薄い。新価値想像の気概が感じられない。「価値創造決意」の決意表明をしてほしい。
・宣伝広告費は? どれくらいの配分か。
 → 売上の8%が目安。2010年3月期は295億円、2011年3月期は320億円を予定。内訳としては対テレビが100億円程度。
・バンダイとナムコの合併から5年が経過したが相乗効果は? 次期以降業績がプラスとなるための決意は?
 →合併で文化や考え方がいい形に融合、変化していると自負している。
・株価が低迷していることだし、手ごろな価格に上がった手持ちの持ち合い株を売ってはどうか。
 →持ち合い株式は協業、事業拡大のために保有しており、売却の予定は無い。
・オンラインゲームビジネスが軟調に見える。
 →初作『ユニバーサルセンチュリー』は早々に撤収。『GNO』シリーズはピーク時には「1」と「2」あわせて8万人。現在「3」は1万人程度なので正直よろしくは無い。
 『SDガンダムカプセルファイターオンライン』は基本料金無料・アイテム課金システム。韓国で成功したこともあり、無料モデルの実験として展開している。
・パチンコ、パチスロへのコンテンツ提供は今後どうなるか。
 →当分続く。オファーも続々。拡大展開し、収益の柱に。
・「プリキュア」は人気シリーズだが長期間続いているので飽きられてるかも?
 →まだまだ人気はあるし、新しい「事業の柱的キャラクタ・作品」は企画中。でも秘密。
・「スピードある経営」とうたっているが、ガンダム30周年にも関わらずチャンスを活かしきれているようには見えなかった。今年はガンプラ30周年。でも動きが鈍い。やはりニーズをとらえておらず、機動力のある体制とはいえない?
 具体的な話をして欲しい。抽象的な概念論はたくさん。
 →週一で決断をも含めた会議を4月から実施。「コンテンツ戦略会議」も活性化。新企画プロジェクトも月一で議論。
・テレビの3D化に対する戦略は?
 →3D対応コンテンツはゲームとの親和性が高い。しかも3Dテレビ向けのコンバートは3DCGからなら1割増しの費用で済む。保有コンテンツの高さを活かし、多方面の展開を行い、立体視のテクノロジーを活かす。そして3Dテレビで迫力ある映像を堪能してもらい、ゲームなど各種商品の需要に結び付ける。
・子会社サンライズの「ガンダムシード」の映画。数年前に発表があったがそれきり。どうしたのか?
→現在も制作はしているがスケジュールは未定。ガンダムシリーズなら他の作品を夏に予定している。

去年と比べれば今回期は業績不振に加えて特別損失も山盛りとなり、最終赤字に転落したことも受けて、事業内情に関する質問が多く、総会らしい総会のようなやりとりだった。しかしバンナム経営陣側においては去年同様、むしろ去年以上に質疑応答の際に質問内容をはぐらかすような回答が多く(例えば「○○について教えて下さい」と質問しても、そのものには答えずに「×■についてですが」と類似他項目の都合の良い部分や、○○内のごく一部の部分のみに応え、後は答えるそぶりも見せないなど)、誠意に欠けるところが多々見受けられたのも否めない。

株主からの質問にもあったように、具体的な話に乏しく概念論・精神論に終始し、具体的に「これこれこんな事業にこれだけの経営資源を投入し何年以内にこれを達することを市場目標とします」という、はっきりしたものが見えてこない。会議の活性化、回数が増えた云々はポジティブな話かもしれないが、決して威張れるレベルのものではない。また、事業成績報告の際、繰り返し「海外市場が」「消費性向が」と業績の悪化を市場要因に添加するばかりで、自社の努力の部分があまり見えてこない、提示されているのは概念論や中身が良く見えない概要的なプロジェクトばかりだったのも、株主側の不満につながっていた感がある。

また、去年同様に発言の端々でも「頑張る」「努力する」などのニュアンス系表現が繰り返され、「では具体的に何をどうするのか」という回答になっていない部分が多かったのも、頭に疑問符が浮かんだ点ではある。その場で返答できないのなら、後ほど調査して公式サイトに掲載するのを約束することで、回答に代える、というやり方もあるとは思うのだが。

略奪ぶりにまともな形のケーキすら取れずさて、総会が終わったあとの懇親会。バンナム新製品のお披露目や、バイキングでの食事が提供された。今年は新製品もいくつかお披露目されたが、今年も目が飛び出るような新発表は特にナシ。3D疑似体験やプライズ系相手にも人気が集まっているのはいつもの通り。ちなみにバイキングは各種ケーキやカレー、ミートスパ、ミニうな丼、そば、サンドイッチ、クロワッサンなどおなじみのもの。今年はコンスコン隊のリックドムどころか、赤い彗星のシャアよろしく瞬時に係の皿を強襲し、一人で5皿(程度に見えるほどの複数皿)にケーキやクロワッサンなどを言葉通り「てんこ盛り」し、自分のテーブルに配し、再び列に割り込む(並ばない)という「礼儀の正しい」親子連れやおばさま方が数ダース単位で出現。ミニケーキの類は昨年が20分云々とあったが、今年は約5分で全滅。まさに脳裏に「ぜ、全滅?あれだけ予備が用意されていたショート・ケーキが全滅?5分もたたずにか?…」と永井一郎氏の声で再生されてしまったのは言うまでも無い。あまりにもの混雑とぐたぐたさに、今年は写真にあるケーキだけをいただき(これとて撮影用にかなり無理をしてどうにか確保出来た)、食事コーナーからはさっさと撤収してしまった。

……ということで今年は去年以上に色々と撮影する機会を得られたので、撮影したものを並べてみることにする。

↑ 「踊る大捜査線」と「太鼓の達人」
↑ 「踊る大捜査線」と「太鼓の達人」

↑ パックマン30周年ということもあり、色々な催し物やゲームも
↑ パックマン30周年ということもあり、色々な催し物やゲームも

↑ 携帯コンテンツ上のパックマン「PAC-MAN REBORN」の解説。携帯電話の画面をテレビに投影する機器を使うともっとよかったと思うのだが
↑ 携帯コンテンツ上のパックマン「PAC-MAN REBORN」の解説。携帯電話の画面をテレビに投影する機器を使うともっとよかったと思うのだが

↑ アーケードゲームのガンダムV.Sシリーズ最新作「機動戦士ガンダム EXTREME VS.」
↑ アーケードゲームのガンダムV.Sシリーズ最新作「機動戦士ガンダム EXTREME VS.」

↑ ヨーヨー名人による生出演も
↑ ヨーヨー名人による生出演も

↑ 昨年はプライズモノのお試しプレイで大行列が出来たので、今年は総会会場にマシンを設置し、そちらに誘導したところ……去年以上の大盛況に(※会場外からということで係の人からの撮影許可は得ています)
↑ 昨年はプライズモノのお試しプレイで大行列が出来たので、今年は総会会場にマシンを設置し、そちらに誘導したところ……去年以上の大盛況に(※会場外からということで係の人からの撮影許可は得ています)





↑ その他様々な展示品

ちなみに今年のお土産は、パックマン仕様のエコバッグに、機動戦士ガンダムUCのRX-0 UNICORN GUNDAM (DESTROY MODE)の1/144スケールHGプラモデル。嬉しい事は嬉しいのだが、組み立ててるヒマは無いな(笑……去年のも結局そのまんま)。



パックマン仕様のエコバッグに、機動戦士ガンダムUCの RX-0 UNICORN GUNDAM (DESTROY MODE)の1/144スケールHGプラモデル事業内容そのものは財務諸表などを見てもらえばお分かりの通り、事業全体の売上の減少、そして収益率の低下(有価証券評価損やのれん償却費などの特殊な損失含む)もあり、去年と比べてさらに厳しい状況に置かれている。元々バンダイとナムコの合併で相乗効果を狙っていたが、経営統合による相乗効果への道のりをのんびりとし過ぎ、混乱が収まらないうちに不景気と市場のドラスティックな変化の波にさらわれ、あたふたしているという感が強い。まさ数年来指摘しているが、【バンダイナムコのキャラクター別売上をグラフ化してみる】にもあるように、「プリキュア」に続くルーキーの稼ぎ手が登場せず、しかも既存の経営資源(蓄積されているコンテンツ)を有効に活かしきれていないのも問題。

昨年は”中期経営計画がうまく進捗すれば、「成長領域への経営資源の先行投資」「事業の収益性強化」による成果が見え始めるのが2012年。それまでは「忍」の一文字を貫くしかない”としたが、その中期経営計画も上手く進捗しているとはいえず、後押しする形でスタートした「リスタートプラン」も先の経営計画同様「つかみどころの無い」部分が多く、状況は五里霧中状態にある。果たして現経営陣のかじ取りがうまく行き、2012年以降に計画した通り飛躍の日々を迎えることができるのか。注意深く見守りたい。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー