夫婦別姓賛成派、夫がいる妻では賛成派過半数(最新)

2019/10/03 05:03

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2019-0917国立社会保障・人口問題研究所は2019年9月13日、5年おきに調査を実施している全国家庭動向調査の第6回目となる調査結果を発表した。家庭機能の変化・動向などを推し量れるデータが豊富に掲載されており、興味深い内容となっている。今回はその結果内容から、「夫婦における別姓の是非」について状況を確認し、精査を行うことにする(【発表リリース:全国家庭動向調査】)。

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今調査は家庭機能の変化の動向や要因を正確に把握するため、家庭の出産、子育ての現状、家族関係の実態を明らかにすることを目的としており、今回は2018年に調査票を配布、同年7月1日時点についての事実の記入をしてもらい、回収した結果を集計したもの。有効回答票数は10965票で、今件はそのうち有配偶の女性(つまり結婚した状態で夫がいる妻)が回答した6142票を分析対象としている。妻の年齢区分は29歳以下2.6%・30代13.2%・40代20.2%・50代20.0%・60代23.7%・70歳以上20.2%。

日本国の法律においては、結婚をした夫婦は同じ氏(姓)を選択することを義務付けている(民法750条)。ただし夫婦同姓に対する異論に関しては1970年代から一部で異論が唱えられており、1996年の法制審答申以降は何度となく民法の該当部分を改正する案が提出されている。夫婦別姓案に賛成派の意見としては「同姓義務は差別」「氏を変えられた側が変わった側の実家に組み入れられるようで不快」「他国がそうだから」、反対派としては「別姓制度にしなければならない切実な理由が無い」「家族の絆を弱め社会制度を脆弱化させる」など、まさに水掛け論状態にある(【法務省:選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)について】)。現在では一つの手法として、戸籍上は法に基づき婚姻時に同じ姓で登録するが、通称として日常生活の上で別姓を用いる切り口も用いられている(但し法的要件が必要な際には、その別姓は使えない。いわば俗称、ペンネームのような扱いである)。

今件「夫婦の別姓を許すか否か」との問題について、全国家庭動向調査では第1回から聞き取り対象項目として取り上げている。その6回分の回答結果をまとめたのが次のグラフ。結婚して現在夫がいる女性が回答対象者であることに注意が必要。

↑ 夫、妻とも同姓である必要はなく、別姓であってもよい
↑ 夫、妻とも同姓である必要はなく、別姓であってもよい

「別姓であって『も』よい」、つまり選択肢の一つとして別姓を用意するものの、これまで通り同姓を選ぶのも一向に問題は無いとする状況について、よいか否かを聞いたものだが、直近の2018年において賛成派は過半数となっている。一方で反対派は49.5%と、わずかに半数には届いていない。過去の調査では2003年まで少しずつ賛成派が増加する傾向にあったが、それより後の調査では反対派が増加する動きを示していた。しかし直近の2018年では賛成派が大きく増え、初めて半数を超える結果となった。

2018年では強い賛成派の「まったく賛成」の値は14.1%とこれまでで最高を示している。他方強い反対派の「まったく反対」の値は12.4%とこれまでで最低。2008年から生じていた、反対派の巻き返し的な動きが、一気に後退した雰囲気ではある。

2018年の調査における年齢階層別の賛成派(「まったく賛成」と「どちらかといえば賛成」の合算した値)は次の通り。

↑ 夫、妻とも同姓である必要はなく、別姓であってもよい(「まったく賛成」+「どちらかといえば賛成」、年齢階層別)(2018年)
↑ 夫、妻とも同姓である必要はなく、別姓であってもよい(「まったく賛成」+「どちらかといえば賛成」、年齢階層別)(2018年)

29歳以下で57.2%、30代では60.3%と6割に届きピークに。それ以降は年を取るに連れて賛成派は減り、70歳以上では36.4%と4割を切る形になる。今設問では「まったく賛成」「どちらかといえば賛成」「どちらかといえば反対」「まったく反対」の4選択肢しかないので、賛成派でなければ反対派となることから、50代までは賛成派が過半数、60代以上は反対派が過半数ということになる。

賛否両論ある中でいずれの主張内容も正しいように思えるものの、それを立証する手立ては無く、多分に各主張の論旨者の思惑が強いこともあり(つまり「自分がそう思うから、そうなってほしいから、正しいに決まっている」的な意見)、どちらの主張が正しいのか、社会正義にかなっているのかの判断はともかくとして。世の中の仕組みを大きく、しかも短期的では無く中長期的に、さらに見た目だけでなく心理的な面(大人同士だけでなく子供達においても)でも変え得る「制度の変更」において、5割強の賛成、反対派が半数近くとの状況であるのならば、十分な下地は整っていない・改正すべきである裏付けが論議されつくされていないと考えられる。引き続き慎重かつ有意義で、感情論ではない、論理的な議論が必要になることは言うまでもあるまい。


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