【更新】弁当持参化が進んでさらに微妙な「サラリーマンの小遣いと昼食代の微妙な関係」

2010/06/20 07:02

先に【マイナス五千円札一枚分の4万0600円・「減った」17.3%「増えた」は6.6%!-2010年のサラリーマンのこづかい事情】でお伝えしたように、新生銀行グループの新生フィナンシャル(旧GE Money)が2010年6月8日発表した「サラリーマンの小遣い調査」によると、男性サラリーマンの昼食代は今年においては大きく減退していることが明らかになった。その原資となる小遣いも同様に大きく下落を見せており、「小遣いに占める昼食代の割合」も微妙な変化を見せることになる。去年と比べてサラリーマンの昼食代における小遣いの圧迫度合いは、どのような変化を遂げたのか。去年のデータを引き継ぐ形で、今年も関連する値を算出してみることにした(【該当資料発表ページ】)。

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今調査は2010年4月16日から17日までの間にインターネット経由で行われたもので、有効回答数は1000人。男女比は全員男性で、年齢階層比は20代から50代まで10年区切りで均等割当。年収比は300-500万円がもっとも多く28.4%、次いで500-700万円が26.6%、700-900万円未満が17.9%など。未婚・既婚率は41.3対58.7、同居の子どもの有無は「いる対いない」が45.0対55.0、奥さんの就業状況は専業主婦49.9対共働き50.1(ここのみ母数が既婚者の587人)。なお今調査は1979年からほぼ定点観測的に行われているが、毎年同じ人物を調査しているわけではない。

サラリーマンの小遣いの主な使い道の一つが「昼食代」、そして小遣いそのものの平均もすでに公開されている。一か月あたりの平均出勤日数を20日とし、休日は自宅で食べるので昼食代は使わないという状況を想定する(出勤時のお昼は弁当持参、という場合は考えない。お弁当を持参してもプラスαで何かを購入する事例は多々ある)。そして一日の昼食代を20倍して、一か月の昼食代を算出し、小遣い額に占める割合を計算する。このあたりの計算方法は去年のものをそのまま踏襲している。

サラリーマンの小遣いと昼食費が占める割合(2010年まで)
サラリーマンの小遣いと昼食費が占める割合(2010年まで)

このようにグラフ化すると、次のような推測が出来る。

・サラリーマンが昼食費として想定している配分は小遣いの2-3割。
・ITバブル崩壊、金融恐慌時(2002年以降)に激減した小遣いに対し、昼飯代を少しずつ削ることで対処しようとしたものの、当初は「昼食係数※」が上昇する。状況に対応するまでにはしばらく時間を必要とした模様。
・その後も少しずつ昼食費の節約は続き、昼食係数もじわじわと漸減。2004年をピークに昼食係数は減少し、小遣いの額も増えて、余裕が出てくる。
・だが「昼食以外の小遣いの使い道を増やす」ためか、昼食費を削る意向は止まらない。
・2007年にようやく昼食係数は「ITバブル崩壊」直後の水準にまで戻る。
・しかし2008年では昼食代の減少分を上回る割合で小遣い額が減り、さらに直近の2009年では小遣いが減る一方で昼食代は増加。昼食係数は再び上昇のきざしを見せる。
・2010年は小遣い、昼食代共に大きく減少したが、昼食代の減少率は小遣い以上となり、昼食係数は減少する。

※「昼食係数」……小遣い全体に占める昼食費の割合。かつて生活の豊かさを示すバロメーターとして使われていた「エンゲル係数」になぞらえて設定

少ない小遣いの中で、欠かすことはできず・なおかつ大きな割合を占める昼食費を少しずつ削る。そのことで小遣い全体に占める昼食代の負担を軽くし、今世紀初頭の水準まで押し戻した苦心がしのばれる。今年は去年以上に金額的に厳しい状態にも関わらず、昼食代が大きく減らされており、「工夫」や「努力」が係数を押し下げたことは容易に想像がつく。

その「工夫」「努力」の一つが、昼食形態の変化。この項目は2009年分から設問として用意されたものだが、これによると、1週間・5勤務日のうち、持参弁当が1.5回を占めている。去年の1.3回から実に0.2ポイントも上昇している。それに対して外食は0.2ポイントの減少。

1週間(5勤務日)における昼食の形態(回数)の変移
1週間(5勤務日)における昼食の形態(回数)とその変移(※元資料の表組では外食は1.1回と記載されているが、本文解説では0.9回となっており、資料の文脈上0.9回が正しいものとする)

弁当持参率増加で
外食などの昼食代は圧縮。
社員食堂も大きな助力。
他調査の結果(【「弁当族」 そのうち3割 新人さん】)を見るに、昼食の弁当持参率の増加は容易に想像ができる。今回調査でもその結果が明確に出ている。昨年においては「昼食代のランク上昇」「価格値上げ」などが1回あたりの昼食代を押し上げているのかも、という結論だった。今年は「持参弁当率はさらに増え、外食が減り、社員食堂の利用頻度が増加、そして外食そのものの単価も押し下げられたことで、1回あたりの昼食代は大きく減退した」と見ることができる。

【お弁当を500円で、安い惣菜をもっと幅広く! - 進む中食低価格競争】などで紹介しているように、サラリーマンの可処分所得の減少や節約志向の高まりから、昼食のお弁当の購入元としては最有力候補のコンビニにおいて、廉価版のお弁当の開発・販売が加速中。「少々小さいけれどお安く手に入る」商品にこれまで以上に力を入れるようになりつつある。陳腐な言い回しではあるが「コンビニ弁当デフレ」が加速化しているということか。

サラリーマンのお小遣いの額は今後しばらくの間、上昇傾向を見せる可能性は低い。小遣いの中でももっとも大きな領域を占める昼食代が、「コンビニなどの弁当の安値競争」「お弁当の持参」など複数の要因と絡み合いながら、どのように変化していくのか、サラリーマン自身はもちろんだが、消費先である外食チェーン店やコンビニなどの小売業にとっても、気になるところだろう。

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