子供の居る・居ない別世帯と子供のいる世帯での母親の仕事の状況をグラフ化してみる

2010/06/08 04:56

パートで働く主婦厚生労働省は2010年5月20日、平成21年度版の「国民生活基礎調査の概況」を発表した。国民生活の基本事項を調査し、各行政の企画や運用に必要な資料を収集する目的で行われているものだが、極めて資料性の高いデータが豊富に盛り込まれている。今回はその中から「世帯に子供が何人いるか・いないか」と「子供がいる世帯で母親が働いている(=共働きをしている)か否か、働いている場合は正社員か否かなど雇用上の立場」についてグラフ化してみることにした(【発表ページ】)。

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今調査は2009年6月4日・7月16日にそれぞれ世帯票・所得票を配ることで行われたもので、前者は本人記述・後日回収、後者は面接聞き取り方式で集計されている。回収出来たデータは世帯票が4万6528世帯分、所得票が6461世帯分。なお1995年分は阪神・淡路大震災の影響で兵庫県の分はデータが取得されていない。

まず世帯内に子供(児童=18歳未満の未婚の者)がいるかいないか、いる場合には何人いるかについてだが、直近の2009年においては四分の三の世帯が「子供なし世帯」という結果になっている。子供がいる世帯は四分の一、うち二人以上は14.4%でしかない。

↑ 児童の有(児童数)無別にみた世帯数の構成割合の年次推移
↑ 児童の有(児童数)無別にみた世帯数の構成割合の年次推移

少子化の進展については【四分の三は3人までの世帯…構成人数別世帯数の推移をグラフ化してみる】などしばしば触れているが、状況はかなり深刻であることが分かる。なお今件グラフは全世帯で計算をしているので、「子供ゼロ」の世帯には、【お一人な高齢者、女性は男性の2.6倍! 高齢者世帯の推移をグラフ化してみる】で示したような「高齢者だけの世帯」、親と子の世帯だが子供の年齢が18歳以上のものも含まれているので注意が必要。子供を持つことが容易に想像できる、若年-中堅までの夫婦層に対してのものではない。

続いて「子供(児童)が居る世帯で、母親が働いて共働き状態(など)にあるか否か」。「(など)」としたのは、「母子世帯」で世帯主だけが働いているにも関わらず子供にとっては共働きと同じような環境に置かれてしまう場合や、「母親が主に働いて収入を得て、夫は主夫として家事などを行う」パターンもありうるから(ただし後者の場合でも「世帯主」の定義は「誰が主に稼いでいるか」ではなく、世帯の中心となって物事をとりはかる者として世帯側から申告された者をさすので、色々と微妙な話になる)。

ともあれ、データを見ると4割近くが専業主婦、3割近くがパートなどで働いているのが分かる。

↑ 児童のいる世帯における母の仕事の有無、勤め(勤め先での呼称)か自営か別構成割合(2009年)
↑ 児童のいる世帯における母の仕事の有無、勤め(勤め先での呼称)か自営か別構成割合(2009年)

正規職員・従業員は17.7%。前述のように母子家庭・母親が主に世帯の所得を稼ぐ場合もあるから、兼業主婦が正社員であるパターンはもっと少ない。ただし子育ての事情を考えると、特に子供が幼い時には、長時間時間を拘束される正社員の立場につくのは難しい。

それが良く分かるのが次のグラフ。これは「一番下の子供の年齢で区分した、母親が仕事を持っているか、もっている場合にはどんな立ち位置で雇われているか」を表したもの。

↑ 児童のいる世帯における末子の年齢階級、母の仕事の有無、勤め(勤め先での呼称)か自営か別構成割合(2009年)
↑ 児童のいる世帯における末子の年齢階級、母の仕事の有無、勤め(勤め先での呼称)か自営か別構成割合(2009年)

末子が中学生に入学して初めて
母親はより積極的に働き始める
子供が成長するにつれて時間的に余裕ができるようになり、「仕事をする人が増える」「仕事をする人において、パート・アルバイトの割合が特に増える」のが確認出来る。そして子供が12歳を超える時点(=子供が中学生入学)からはじめて、本格的に「正社員」の割合も増加する。これはやはり子供の「万が一」のことを考えた場合、10歳前後くらいまでは「長時間仕事に拘束されるのは避けたい」「何かあったらすぐに駆け付けたい」そして「あまり寂しい思いをさせるのも……」という考えからの結果だろう。

また、このグラフを改めて見直すと、末子が中学生以上の世帯の約8割は何らかの形で母親が仕事についていることになる。これはこれで心に留め置く数字と言える。



思い返してみれば【小中学生の携帯保有率は女の子の方が上、「家族と一緒のケータイだよ」は数%程度】にもあるように、子供の携帯電話保有率は高校入学の際に跳ね上がるが、もう一つ中学入学の時に大きく上昇する傾向を見せている。単に学校が一つ上になったから、という理由もあるが、それに加えてその「学校単位での区切り」にあわせ、母親が働きに出たり、働く場所を変えて家にいる時間が短くなるから、というのも一因としてあるのかもしれない。

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