「死の使い」さえ鼻であしらう、自動車のブレーキアシストシステムのCM

2010/06/04 05:23

死神人に死が差し迫った状況を表現する方法の一つが、「死神」を見せるというもの。語りかけたり、いつの間にそばにいて、当事者の魂を奪う準備をし、「もうすぐご案内させていただきますヨ」とほほ笑むわけだ。そんな「死神」の性質を逆手に取り、自動車の安全性の高さが一発で分かるのが、このメルセデスベンツのテレビCMである(I Believe in Advertising)。

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↑ Mercedes-Benz W212 Commercial 'Sorry' 。
↑ Mercedes-Benz W212 Commercial 'Sorry' 。

雪積もる冬のある日、森林の中を走るベンツ。運転手がふと助手席に目をやると、そこにはいないはずの人影が。不自然なくらいに大きなカマ、そして黒づくめでフードをかぶった男性。彼はカマを持ちつつ何も話さずに、ただ「ふふふふふ」とほほ笑むばかり。まるで「私が誰かお分かりですよね?」といわんばかり。そう、彼の名は、死神。

↑ カマを持った黒づくめの人物が突然車内に。
↑ カマを持った黒づくめの人物が突然車内に。

そしてその男は一言、「すまんね(Sorry)」。唖然とする間も無く、彼に気を取られていた運転手がクラクションに気が付き、視線を前に戻すと、そこには横倒しになった材木運搬車とそれを片づけている最中の作業車が。

↑ 死神に気を取られているうちに、目の前に事故車が!!
↑ 死神に気を取られているうちに、目の前に事故車が!!

あわてて急ブレーキ、そして……


↑ ベンツ御自慢のブレーキアシストシステムがフル稼働。ぎりぎり手前で自動車はストップ。
↑ ベンツ御自慢のブレーキアシストシステムがフル稼働。ぎりぎり手前で自動車はストップ。

ベンツ御自慢のブレーキアシストシステムがフル稼働。大木のぎりぎり手前で自動車はストップ。運転手は一命を取り留める。ほっと顔の表情が緩み、深呼吸で呼吸を落ち着かせ、そして「自分の命を刈り取ろうとしていた」死神に対し、ニヤリとほほ笑みながら一言、


↑ 「すまんね(Sorry)」
↑ 「すまんね(Sorry)」

「すまんね(Sorry)」。死神は「チェッ」とでもいわんばかりに渋い顔。

わずか40秒ほどの長さのCMだが、ストーリーとしてしっかりとまとまっているし、「死神すら舌を巻くブレーキ効力」という訴求効果も抜群。しかもセリフがわずか二言、しかも両方とも「すまんね(Sorry)」で、別々の人物から語らせ、別の意味を持たせているあたり(死神は「貴方はここで死ぬことになる。命を終わらせてしまってごめんな」という社交辞令的な、運転手は「せっかくの仕事をふいにしてしまってごめんな」という死神の先の言葉をそのまま返した、皮肉交じりの意味)、非常に巧みに作られているといえる。セリフの少なさがかえってCMそのものを際立たせている。

「ベンツのブレーキシステムってそんなにすごいの?」と疑問に思う人もいるだろう。【公式サイトの記述】によると、

ドライバーがブレーキペダルを踏み込む速度をコンピューターが監視し、その速度が基準値を超えると急ブレーキ状態と判断してシステムが作動。ペダルを踏み込む力が不十分な場合などでも、ブレーキ圧を瞬時に最大限まで高め、より短い時間で減速するためのブレーキ作動をアシストします。

要は「急ブレーキだ」と自動車が判断したら、その時点で最大限の能力で自動車そのものを止めようとする力が働くということ。人間の一瞬の判断や力の迷い、何らかのトラブルによる行動の遅れで起き得る悲劇を避けるシステムが備わっていることになる。

ともあれこのCMを観た人は、ベンツのブレーキ能力の高さを深く脳裏に刻まれることだけは間違いあるまい。


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