東京堅調・新潟が少々……!? 日照時間(2010年5月分)

2010/06/02 07:06

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曇り先に【やっぱり今年は晴れの日が少ない!? 日照時間】で「今年は日照時間が少なめの傾向がある」ことについて気象庁のデータを元に裏付けをとったところ、「データ監視を継続してほしい」との意見を複数いただいた。当方自身も【さつま芋作りに挑戦】にもあるように、庭でサツマイモの栽培をはじめたこともあり、日照時間の変化は気になるところ。そこで今回から毎月定期的に、日照時間の推移を確認することにした。


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データ取得元は【気象庁の気象統計情報のコーナー】。まずは「最新の気象データ」から「天候の状況」を選び、そこから「日照時間」における、「昨日までの各期日平均」と「同時期の平年値」を比較。そしてその割合を示した地図をいくつか抽出する。赤系統の色ほど日照時間が平均より多く、薄い色で大体平均。灰色から黒に近付くに連れて日照時間が少ないことを意味する。

↑ 日照時間30日間合計
↑ 日照時間30日間合計

↑ 日照時間60日間合計
↑ 日照時間60日間合計

↑ 日照時間90日間合計
↑ 日照時間90日間合計

前回データと比べると随分と黒い点々が減り、特に30日間合計では関東・九州南部・北海道中央部あたりに薄い黄色のエリアも確認できる。ただし60日間・90日間の図を見ればよく分かるように、相変わらず関東以北・日本海側で日照時間の少なさが数字として表れているのも見て取れる。

東京、そしてお米の産地・新潟と熊本で定点観測データを検証
前回の記事同様(&データの継続利用のため)に、東京、そして米どころとして新潟と熊本において「気象統計情報」から【過去の気象データ検索】を選択。1989年から2010年5月までの月次データ、さらに過去21年(1989年-2009年)の月単位の平均値を出して、各地域ごとにグラフ化したのが次の図。

↑ 東京の日照時間(月あたり、時間)
↑ 東京の日照時間(月あたり、時間)

↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間)
↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間)

↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間)
↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間)

今年は東京の1月分がやや特異な値として目立つが、それを除くと東京では2月以降、新潟・熊本では3月以降、日照時間が去年と比べても平均値と比較してもかなり少なめだった。5月分は東京が1月同様にやや特異なプラス値、熊本がほぼ平年並み、そして新潟がやや少なめなのが確認できる。

現時点で【三か月予報】から日照時間部分を抽出した限りでは、

6月……天気は、北・東・西日本では平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。沖縄・奄美は、平年に比べ曇りや雨の日が多い見込みです。
7月……天気は、北・東・西日本では平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。沖縄・奄美は、平年と同様に晴れの日が多い見込みです。
8月……天気は、北・東日本では平年に比べ曇りや雨の日が多いでしょう。西日本と沖縄・奄美では、平年と同様に晴れの日が多い見込みです。

とあり、関東以北で日照時間が短くなる可能性が高いことが示唆されている。

1993年の「平成の米騒動」の時と比較してみる
さて、日照時間の減退と恐らくはそれに連なるであろう冷夏となれば、想像されるのが農作物の不作。特に計測対象地域にも挙げられた「お米」が気になるところ。そこで直近でお米不足が特に問題視された1993年の「平成の米騒動」(この時も冷夏が主要因だった)のデータを抽出し、比較したのが次のグラフ。

↑ 東京の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)
↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間)

↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)
↑ 新潟の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)

↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)
↑ 熊本の日照時間(月あたり、時間、1993年と2010年の比較)

1月ではどの地域もやや高い値を示しているが、2月以降はいずれも2010年の方が、1993年時よりさらに日照時間は少ないものとなっていた。5月については東京がほぼ同じ、熊本がかなり多め、そして新潟が少なめ。農作物の出来・不出来は日照時間だけに左右されるものでは無く、気温や降水量にも大きな影響を受けるため、一概には言えないが、日照時間の減退≒曇りか雨≒気温の低下を意味する場合が多いため、特に(先の長期予報と一致するが)特に北日本方面で警戒と備えをしておく意義は十分にあると思われる(ちなみに【降水量を見ると】平年よりかなり多い)。先月の記事で「もっとも5月以降良好な天候が続き、日照時間が平年並みになれば今件の話は『杞憂』で済む。その方が何よりもありがたい」と記述したが、北日本においては「杞憂」で済まない可能性が増えてきた。

同じく先月の記事巻末で触れたように、1993年の「米騒動」の時のような扇動報道に惑わされることなく、一人ひとりが細心の注意を払うと共に、正しい情報を元に正しい判断を成すことが求められよう。


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