腹が立つけど痛いほど「地球環境を守ることの大切さ」が分かる広告
2010/06/02 12:05


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↑ 「地球人ってバッカでぇ-、こんなに大気汚してどーするんだよ」「もっと先のこと考えろよな、ギャハハハ」「煙を出して大気を汚してまでエネルギー確保してよいのは未開人までだよね-」というセリフが聞こえてきそう。
これは地理学を中心に様々な自然科学や歴史、文化などの調査・研究学問の普及・記録保全を目的とした非営利団体・ナショナルジオグラフィック協会(National Geographic Society)の子供向け雑誌「National Geographic Kids Magazine」の広告。悪化する地球環境を懸念し、問題意識を子供達に持ってもらうための作品で、キャッチコピーは「こんな状態の地球は宇宙の笑いものです。宇宙人たちに笑われないよう、誇り高き地球を創り上げましょう(Lets not be the joke of the universe. Make Earth Proud.)」というもの。
写真には大量の煙をあげて大気を汚す発電所と、それを宇宙船内から眺めて大笑いする宇宙人達の姿が描かれている。彼らのセリフは特に描写されていないが、上記写真キャプションにもあるような言い回しが、容易に頭の中に再生される。むしろ彼らのセリフをあえて描写しない方が、子供達にはより衝撃が大きいに違いない。

↑ モニタ越しに森林伐採の様子を見て、手持ちの飲料(コーヒー?)をこぼしてしまいそうになるくらいの大笑い。なんかムカつく。

↑ 一枚目と同じく宇宙船の窓越しに、タンカー事故による石油流出で汚染される海を見て、せせら笑う宇宙人達。
森林伐採をしているようすをモニタ越しに見て、手持ちのカップから飲み物をこぼしてしまいそうになるくらい腹を抱えて笑う宇宙人。そしてタンカーの石油流出事故を背景に、せせら笑いながら、記念撮影をするかのようにすら見える宇宙人達。いずれも彼らのセリフは一切描写されてないが、「またこんなバカなことやってるよ」「あいつら全然分かってないんだな」「同じことばかり繰り返しやがって、バッカじゃない?」という声が耳に届きそう。
小難しい理屈やセリフを並び立てるより、ビジュアルで「非難されるどころか呆れかえられている」事態を知らしめることで、より多くの人に「誰にだろうと笑われるのはムカつくけど、反論もできないよね」とイメージさせ、彼らが笑ったことへの問題意識を高めるのに、大いに役立つものとなっている。
対象としている子供はもちろんだが、大人たちも、彼ら宇宙人たちに笑われないような地球を創り上げていけるだろうか。せめて、このポスターを観た子供が「どうして宇宙人達は笑ってるの?」と問いかけてきたら、その理由と、そしてどうすべきなのかを正しく説明できる大人でありたいものだ。
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