Facebookやツイッターなどのソーシャルメディアが通販サイトにお客をどれだけ流しているかを調べてみる(2010年5月版)

2010/05/22 12:05

FacebookとTwitter(ツイッター)Facebookやツイッターなどのソーシャルメディアの勢いが凄まじいものとなっていることは【ソーシャルメディアの勝ち組FacebookとTwitter、勢い止まらず】【ソーシャルメディアの現状が分かるバイラルビデオの新作「Social Media Revolution 2」を視聴してみる】などでお伝えした通りだが、先日【Facebook が提供するソーシャルグラフが、未来のECサイトをどう変えるのか】なる記事の紹介を受け、「ソーシャルメディアとECサイト(ネット通販サイト)との仲ももっと良くなるし、より注目も集めるようになるのでは」という考えが頭に浮かんだ。【「最近mixiに自社広告が多くない?!」と思って色々と調べてみた】でも触れた「ソーシャルメディアはお金に結び付きにくい」という話は、単純な広告垂れ流しでは無く、コンテンツマッチなど「一工夫」を加えることで、ソーシャルメディアを金鉱に変えることができるようになるかもしれないわけだ。その考えが正しいかどうかについて、以前【「アマゾンドットコムの客はどのサイトからやってきてるの?」米主要通販サイトへのリンク元を調べてみる】でも行ったように、アメリカの主要ネット通販サイトへ、どれだけの顧客をソーシャルメディアが流し込んでいるかについて調べてみることにした。

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Alexaには各ドメイン毎に多種多様な視点からのデータを一般に公開している。その中で、「Clickstream(クリックした上での視聴者の流れ)」のうち、「Upstream Sites」のデータを元にグラフ化を行う。このデータは「上流サイト」を意味し、該当ドメインに来る「前」に、視聴者が見ていたドメインがユーザ数の多い順に表示されるというもの。原文は「Percent of total visits to *******(ドメイン名) preceded by a visit to the upstream site.」なため、正確には「”そのドメインへの来訪者全体のうち”直前に見ていたドメイン」ということになる。

↑ amazon.comの事例。Clickstreamをクリックして、Upstream Sitesの並び・値を抽出する
↑ amazon.comの事例。Clickstreamをクリックして、Upstream Sitesの並び・値を抽出する(再録)

対象とするアメリカの通販サイトは、【「アマゾンドットコムの客はどのサイトからやってきてるの?」米主要通販サイトへのリンク元を調べてみる】と同様にAmzon.com、Walmart.com、Bestbuy.com、Sears.comの4社。利用はともかく一度くらいは名前を聞いたことはあるだろう、世界的にも有名な通販サイトばかり。今回のグラフ作成にあたってはベスト5と、10位以内に確認できたソーシャルメディアのみを収めることにした。

まずはAmazon.com。

↑ Amazon.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年5月時点)
↑ Amazon.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年5月時点)

アメリカにおけるgoogleの圧倒的な強さが再確認できる。それと共に、ヤフーに続いてFacebookが顔を見せており、それなりに影響力を持つ状態なのが分かる。また、ツイッターも1%未満ながら登場。

次いでWalmart.com。

↑ Walmart.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年5月時点)
↑ Walmart.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年5月時点)

こちらもgoogleが圧倒的。ただしヤフーの影響力がやや大きい感がある。そしてFacebookもAmazon.comと同様、3%台の位置を確保。

日本ではあまりなじみの無いBestbuy.com。

↑ Bestbuy.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年5月時点)
↑ Bestbuy.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年5月時点)

こちらもやはりgoogle、ヤフーのトップ2、そしてFacebookが3%台という状況に変わりなし。

最後はSears.comことシアーズ。大手の百貨店でカタログ通販でも有名。5年ほど前にKマートと合併を果たしている。

↑ Sears.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年5月時点)
↑ Sears.comへのアクセス誘導元 (Alexaデータ参照、2010年5月時点)

聞き慣れないドメインがトップについているが、これはSears.comの内部的な別ドメイン。実質自サイトドメインと同じと見てよい。それを除けばやはりgoogle・ヤフーの大活躍ぶりが分かる。また、Facebookは1.41%しかないが、shld.netを除いて再計算すれば2%強には達し、他のサイトとさほど変わらない値になると思われる。

今回の調査結果と以前(半年ほど前)のとを比べた上で、現状の動向もあわせて箇条書きにすると次のようになる。

・半年ほどの間で「通販サイトに利用者を誘導する」という視点では、ソーシャルメディアの影響力に大きな変化は無い(半年前と順位はほとんど変わりない)
・通販サイトへの誘導という点では
  Googleの圧倒的な強さ、ヤフーの影響力はその数分の一
  ソーシャルメディアはFacebook、ツイッター、YouTubeなどが顔を見せるが、まだ強い影響力を発揮するまでには至っていない
・他の通販サイト同士で利用者を渡し合う傾向がある(価格等の比較をしているのかも)

要は半年前と大きな違いは見られない、ということだ。

ただし今データはあくまでも「アクセス誘導元」の数。いわゆる「コンバージョン率(サイト訪問者数に対し、実際に取引や契約に結びついた人の割合)」は考慮されていない。例えば検索サイトから100人が来訪しても1人しかお買い物をしなかったら(コンバージョン率は1%)、ソーシャルメディアから10人しか来訪しなくてもそのうち2人がお買い物をしてくれた方が(コンバージョン率は20%)、通販サイトとしてはありがたい。

そして【世界各国のネットユーザーにとって「信じられるメディア情報」順位をグラフ化してみる】などにもあるように、

・検索をする時点で「情報を知りたい」という強い願望があるため、検索結果経由で来訪する顧客のコンバージョン率は高い
・他人発信の「口コミ」(知人などの発する情報)は、「強い願望」と「他人に裏付けされた信用」が加わるため、単なる自分発の願望による検索以上に強い購買意欲を呼び起こす
・つまり、コンバージョン率において「検索経由」<<「ソーシャルメディア経由」となる可能性は高い

と考えられる。具体例として、有名人が「これ買ったよ、とても使い心地が良かったよ」とブログ内で勧めた化粧品や、著名アナリストが「この新刊は大変役に立ちましたよ」と提示した書籍、アニメ系の有力情報発信元のブログで「●×のサントラCD、アマゾンで予約受付開始だって」と告知したCDを、そのブログの読者が購入するシーンは容易に想像できる。

そのような「お勧め」「公知」がひんぱんに発生しうるのが、Facebookなどのソーシャルメディア。今はまだ誘導数そのものは少なめだが、今後利用者数がさらに増え来訪数が増えれば、コンバージョン率の高さは強力な武器となる。これから数字上でどのような変化が現れるか、興味深いところではある。再び半年くらい経過したら、同じスタイルで再計測し、その変化を見てみることにしよう。

なお、日本国内の通販サイト(Amazon.co.jp)などでは、ツイッターやFacebookなどのソーシャルメディアは10位以内にはその姿を見せず、わずかにYouTube.comやnicovideo.jpが下位層にある程度だった。次回計測時にはもう少しはっきりした形でランクインしていると想像できるので、その時には別途記事にしよう。

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