東京都におけるインフルエンザ報告数をグラフ化してみる(2010年5月12日版)

2010/05/13 19:30

インフルエンザ定点観測【東京都感染症情報センター】は2010年5月12日、2010年第17週(4月26日-5月2日)時点での東京都内医療機関におけるインフルエンザ(季節性・新型双方合わせた)の疾病報告数定点観測データを公開した。報告数は当サイトが監視を開始した2009年第27週以来はじめて1ケタの値を記録した。絶対数としては通常のインフルエンザ流行時の終息時期同様の値を示しており、直近では事態は沈静化していると見て良い(【定点報告疾病集計表・週報告分データ】)。

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まずは感染症名を「インフルエンザ」(新型インフルエンザ+季節性インフルエンザ)に設定し、「5年間比」をクリックした上で「更新」をした結果が次のグラフ。

東京都における「インフルエンザ」の週単位報告数推移(2010年18週目も含めた過去5年間)
↑ 東京都における「インフルエンザ」の週単位報告数推移(2010年18週目までも含めた過去5年間)

数週間前から発表データが2010年のものに更新されているため、最新データは赤色に違いはないものの、左側に移行している。数字の動きとしては数週間来継続して減少を続けた後、ゼロ前後で推移している(青丸で囲った部分)。報告数そのものも少なめで、定点あたりの人数はほぼゼロに近い状態にまで近づいている(観測数合計8に対して定点数は283。定点数あたり平均は0.02826)。直近においては「新型も含めたインフルエンザ」の増加の時期は過ぎ去り、現在は収束状態に等しいと断じてよい(※専門家による言及ではないことに注意)。もちろん報告数がゼロになったわけではないので、注意を要する状況には違いないものの、過敏に反応するほどのものではない。昨年パターンを考慮すると、このまま30週くらいまではゼロ付近を行き来するようだ。

各週の報告数全体における若年層の割合は、学校生活という特殊な(そして感染がおこりやすい)閉鎖環境で過ごす時間が長いことから、流行時は特に20代までが多かった。しかしその割合は最新データでは、ここ数週間の傾向同様に、報告絶対数が少ないので(1ケタ台)数字上のぶれが生じているため、参考にはならない。あくまでもデータの連続性を持たせるための、儀式的レベルでしかない。

東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、該当週合計に占める割合、2009年1-6週と27-53週、2010年18週まで)
↑ 東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、該当週合計に占める割合、2009年1-6週と27-53週、2010年18週まで)

東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、2009年27-53週と2010年18週、積み上げグラフ)
東京都におけるインフルエンザの報告数(年齢階層別、2009年27-53週と2010年18週まで、積み上げグラフ)

一枚目のグラフと合わせて動向を眺め見る限りでは、新型インフルエンザが従来のインフルエンザを「食った」、あるいは同一化した現象の影響として、今年度は例年より早く「(新型も含めた)インフルエンザの流行」は終焉を迎えているように見える。

以前から繰り返しお伝えしているが、感染拡大の場となりやすい教育機関では「日常の健康管理のためにも」うがいや手洗いを忘れずに行うこと、十分な睡眠と栄養管理で身体の抵抗力を強固なものとしておく、体調不良時には「電話で連絡を入れて相談した上で」医療機関におもむくなど、季節性インフルエンザ同様、さらには常日頃の公衆衛生面での対応を「確実に行う」「繰り返し行う」ことの大切さを強調しなければならない。季節性インフルエンザですらその流行時期は過ぎてしまったが、対インフルエンザだけでなく風邪などにも有効な一連の行動を習慣化させるため、そして健康維持の目的でも、これらの行為は継続した方が良い。実際諸外国の一部では今回のパンデミック騒動で、「手洗いやうがい」の習慣が浸透したという話も耳にしている。

とりあえず今週計測週もおかしな動きは無く、さらに冒頭でも触れたように、観測数も初の1ケタとなり、一安心というところ。海外でも状況は似たようなもので、「沈静化している」が「せん滅したわけでは無い」状態が続いている。

なお以前からお伝えしているように、今回計測週で計測値が1ケタとなったため、一連の「東京都におけるインフルエンザ報告数をグラフ化してみる」の連載記事は一度中断させていただくことにした。もちろんデータの計測・収集は継続し、何か動きがあれば記事連載を復活する(新型ではなく通常のインフルエンザが増加した場合は、連載再開は検討課題とする)。連載が再開「しない」状況で今年を終えられることを望みたいのだが……

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