成長ほぼ止まる、モバイルは変化無しでネットが伸びる…「着うた」などの有料音楽配信売上動向(2010年発表)

2010/05/09 12:00

日本レコード協会は2010年4月5日、「日本のレコード産業2010」を発表した(【発表リリース】)。同協会調査による2009年のレコード・音楽産業の概要を網羅した資料であり、音楽業界の動向を多方面から検証可能な、現時点では最新の資料といえる。今回はこの資料のデータの中から、「着うた」「着メロ」に代表される、有料音楽配信の売上実績をグラフ化してみることにした。

スポンサードリンク


【音楽配信も業界を支えるには至らず…音楽CDなどの売れ行きと有料音楽配信の売上をグラフ化してみる(2009年版)】にもあるように、2009年は完全には補完しきれなかったものの、CDなどの物理的楽曲提供媒体の売上減とは裏腹に、インターネット経由の音楽配信や携帯電話向けの「着うた」「着メロ」などの有料音楽配信は売上を伸ばしている。ではそれらの「デジタルな楽曲売上」はどのような推移を見せているのか。そのデータをグラフ化したのが次の図。

↑ 有料音楽配信売上実績推移(メディア別)(億円)
↑ 有料音楽配信売上実績推移(メディア別)(億円)

「1Q」「2Q」の「Q」とは四半期を意味し、例えば「1Q」ならば第1四半期、つまり1月から3月を表す。このデータから分かることを箇条書きにすると次のようになる。

・有料音楽配信市場ではモバイルが圧倒的多数を占めている。
・成長率は鈍化を見せているが、売上そのものは着実に増加中。
・2009年は総売り上げは横ばい。モバイルが変化無く、インターネットがやや伸びる。

「インターネット」部門を良く見ると、2005年の第2四半期から急速な伸びを見せているのが分かる。これは2005年8月にアップル社のインターネット音楽配信サービス「iTunes」がスタートし、多くの人が利用し始めたことを起因とする。モバイル部門と比べると絶対額は少ないものの、その上昇振りは見逃せない。また、2007年第3四半期以降再び上昇機運を見せ、それが2009年も継続しているのは要注目。



別記事で詳しく分析しているが、同じパソコン・モバイルの有料音楽配信の中でも、急速にシェアを拡大する部門と、そうでない部門が現れている。「有料音楽配信市場は成長を続けている」とはいうものの、その内部でも成長株と成熟株に分化がおきつつある。

↑ 有料音楽配信売上実績コンテンツ別推移(モバイル、数量は万回、金額は億円)
↑ 有料音楽配信売上実績コンテンツ別推移(モバイル、数量は万回、金額は億円)(再録)

このような内部事情があるものの、音楽業界全体の売上からすればまだまだ小さな割合でしかないが、携帯電話・インターネットの普及を足がかりに有料音楽配信の市場は確実な躍進ぶりを見せている。モバイル部門での成長率鈍化が気になるところだか、今後もCDなどからの転向組を中心に市場の拡大は続くに違いない。さらに携帯メディアの多様化(PDAやスマートフォンなどの登場、展開)で、大きな動きも想定できよう。


■関連記事:
【音楽配信も業界を支えるには至らず…音楽CDなどの売れ行きと有料音楽配信の売上をグラフ化してみる(2009年版)】

スポンサードリンク


関連記事



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2018 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー