世界中からお世話になってます…日本の石油・石炭・LNGの輸入元をグラフ化してみる

2010/04/26 12:05

天然ガス電気事業連合会は2010年4月15日に、エネルギー関連の実情を優しく説いた「図表で語るエネルギーの基礎2009-2010」を公開した。今回は【石油中心から多様化へ…日本の一次エネルギー消費推移をグラフ化してみる】などに続く形で、日本の石油・石炭・LNGの輸入元のグラフ化を行う。近代社会を支えるのに欠かせない電気やガソリンをはじめ、各種エネルギーそのもの、あるいは原材料となるこれら3種のエネルギーを、日本はどこから輸入しているのだろうかが分かる。食品の原材料表記のように、電気やガスに産地表記がされていないことから、指摘されて「そういえば……」と興味関心が沸く人は少なくあるまい(【該当ページ】)。

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まずは石油。昨今中東情勢に色々と動きがあり、石油の動向が気になるところではあるが、日本はその中東に大いに頼っているのが分かる図。実に輸入石油の87.8%を中東地域から得ていることになる。

↑ 日本の石油の地域別輸入比率(2008年度)
↑ 日本の石油の地域別輸入比率(2008年度)

赤系統で塗ったのが中東地域。元資料で言及されているように、リスク回避の観点(とオイルショックなどの影響)から1987年には中東依存度は68%程度にまで減少。しかしその後再び増加に転じている。これは【産油国が「石油輸入国」になる日】でも解説しているように、産油国が経済発展と共に自国内での石油消費量を増やし、石油輸入国に転じたことが要因。元資料でも「石油の安定確保を図るためには、産油国への経済協力などによる国際協調の推進や輸入先をさらに分散化することが必要」と強く語っている。

続いて石炭。【原油高騰がもたらしたもの・北海道産の石炭が再注目を集める】【石油中心から多様化へ…日本の一次エネルギー消費推移をグラフ化してみる】でも解説しているように、日本においてもエネルギー源として石炭は再び注目を集めるようになっている。

↑ 日本の石炭の地域別輸入比率(2008年度)
↑ 日本の石炭の地域別輸入比率(2008年度)

7割近くをオーストラリア、1割5分をインドネシア、1割未満を中国とロシアから輸入している。なお経年データを【財団法人 石炭エネルギーセンターの資料】から見る限り、中国は年々輸出量の減退・輸入量の増加傾向を見せており(生産量は増加している。つまり工業化で消費量も増えており、かつての産油国から石油輸入国へのパターンを踏襲しつつある)、直近では今年頭に(一時的ながら)石炭輸入国に転じたとの報もある。今後オーストラリア、インドネシア、ロシアの比重はさらに高まるだろう。

最後にLNG。Liquefied Natural Gas、つまり液化天然ガスの略で、天然ガスを運びやすく・貯蔵しやすくするため、凝縮して液化させたもの。

↑ 日本の石炭の地域別輸入比率(2008年度)
↑ 日本の石炭の地域別輸入比率(2008年度)

石炭や石油と比べてバランスの取れた国別であることが分かる。これは天然ガスそのものが環境負荷の少ないエネルギーであること、地域的なかたよりも少ないことが原因。日本は2008年度で6814万トンものLNGを輸入しており、これは一国としては世界最大量とのこと。また、今後も石油や石炭と比して「地球にやさしい」「地域リスクの小さい」エネルギーとして注目を集めることには間違いない。



石油・石炭・LNGに限っても、日本が実に多くの国に頼ってエネルギーを確保しているのかがよくわかる。これらは実際に素材を運ぶ輸送手段の担当会社はもちろん、売り買いをまかなう商社や輸入元の開発業者、そして国レベルで多種多彩な交渉・駆け引きを行う人たちの努力が蓄積されて得られた成果に他ならない。

別記事でも触れているが、電力やガソリンなどに「●×産」のような産地名が描かれているわけではないので、やもすると自分達が普段何気なく利用しているエネルギーの取得元など、考えたこともない人が多いかもしれない。しかしそれらはすべてこれまでの、そして今現在懸命に働いてきた・いる人たちの存在あってこそのものだと認識すべき。気まぐれや薄っぺらい虚栄心、独りよがりな主義主張で投げ捨ててはならない、日本全体の「蓄財」なのだから。

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