「俺はもう地位もいらない」のサントリーボスが大奮闘(テレビCM出稿量動向:2010年3月分)

2010/04/24 07:11

シーエムナビは2010年4月23日、関東・関西・名古屋主要三地区のテレビCM(コマーシャル)の2010年3月度各種ランキングデータを発表した。それによると、同月における関東・関西合計の「テレビCM放送回数」「テレビCM放送秒数」は、回数がサントリー、放送秒数はP&Gジャパンがトップについた。新年度を間近にひかえ、各社とも新商品展開のための広告展開を強化しているようにも見受けられる。

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データの取得場所の解説や各種データの意味などの説明は、一連の記事まとめページ【定期更新記事:テレビCM出稿量動向(シーエムナビ)】に収録されている。そちらで確認をしてほしい。

公開データを元に、関東・関西(名古屋は数が少なめなど統計上の理由で略、以下同)の各値を合計し、全国区に近い形でのランキングを生成したのが次の図。

月間 テレビCM放送回数 広告主ベスト10(2010年3月、関東・関西地区合計)
↑ 月間 テレビCM放送回数 広告主ベスト10(2010年3月、関東・関西地区合計)

月間 テレビCM放送秒数 広告主ベスト10(2010年3月、関東・関西地区合計)
↑ 月間 テレビCM放送秒数 広告主ベスト10(2010年3月、関東・関西地区合計)

・新年度に向けて
長め・繰り返しの展開!?
全般的な傾向だが、まず最初に気がつくのは先月と比べて放送回数・秒数共に上位陣の数字が大きい事。1CMあたりの放送秒数が同じでも回数が増えれば秒数も増えるのは当然だから、「回数のみが増えた」「回数も、1回あたりの秒数も増えた」のかまでは分からないが、ともあれ上位陣が「より多くの露出」を求めて攻勢をかけていることは把握できる。

【花王(4452)】の順位は先月からさらに落ちており、放送回数・秒数も減少している。これは【大企業のテレビCM出稿量推移をグラフ化してみる……(1)花王】でも触れているように、毎年年末に向けて同社が行っている「広報攻勢」がピークを越えて平常運転モードに移行したものと想定される。ハウス食品や興和新薬などの「フリースポット契約」がメインの企業は、前社はトップテン圏外、後者も下位層にあることから、やはり新年度に向けての各社CM攻勢が進んでいる状況が確認できる。

●個別案件:サントリーとグリー
個別で気になる動きをあげると、まずはサントリー。「俺はもう地位もいらない」ではじまる、【サントリーコーヒー ボス 大人の流儀 -脂肪ゼロ・砂糖ゼロ-】のテレビCMの大攻勢をかけている。

サントリーの「ボス」シリーズはこれまでもユニークで、短時間の中にも物語性を見せつつ、シリーズ的な展開も用意するなど、「単発でも連続でも視聴者に印象を深めさせる」広告を送りだしている。その手法は大企業ならではのものだが、非常に上手いやり方でもある。今回、放送回数がトップについているあたり、15秒タイプのものを繰り返し放送することで、たたみかけるように印象付けさせようとしている姿勢が見て取れる。他のCMと比べて落ち着いた雰囲気なのも好印象。

グリーCMまた、携帯電話コンテンツの「グリー」が回数ランキングで上位についているが、これは非常にシンプルで分かりやすいCM。15秒の間に「若年層に身近な芸能人が楽しそうに携帯電話で遊んでいる場面(芸能人+ゲーム画面を並行して表示)」「検索窓にキーワード『グリー』を表示している画面を写し、『これで検索してね』の指示」の2シーンで終わってしまう。芸能人達の遊んでいる状況に親近感を覚えた、コンテンツのターゲット層たちは、こぞって検索を行い「グリー」のサイトにアクセスするという次第。

これは【「詳しくは●×を検索」で検索率が2.4倍-ネットとテレビ広告の連動成果が明らかに】【テレビと相性の良いケータイ検索・目当ては「タレント」と「お店」】でも示したように、テレビと携帯電話の相性の良さ・検索を活用した賢い誘導方法を巧みに用いた手法といえる。特に「グリー」はジュースや家電のように物理的な商品を買って欲しいのではなく、携帯電話上のコンテンツにアクセスして欲しい以上、このスタイルによる告知手法は必要不可欠。同社は上位20位にはしばしば顔を出しており、テレビを良く見る年齢層のうち、ごく若年層をメインターゲットに据えていることがよくわかる構図となっている。

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