平均持家率は71.9%、そのうちローン支払い世帯は35.7%…持家・賃貸住宅の割合をグラフ化してみる

2010/04/12 12:00

マイホーム先に【年金生活をしているお年寄り世帯のお金のやりくりをグラフ化してみる】【貯蓄率減少は本当なの? 家計の貯蓄率をグラフ化してみる】などで、総務省統計局の【家計調査】を元にいくつかの視点からグラフを作成し検証を行った。今回もその類の記事で、特に貯蓄率の記事を掲載した後に寄せられた反応「持家の人の方が生活が楽では?」「住宅ローンを払い終わった高齢者世帯の方が出費の負担が低いと思うけど」に関連している。具体的には「世帯主の年齢階層別に、今住んでいる家が賃貸なのか持家なのか、持家の場合はローンを払っている最中なのか払い済みなのかを検証」するというものだ。

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賃貸住宅の場合は毎月家賃の支払いがあるし、更新時には更新料が必要になる。一方持家の場合はローンを組んで購入した場合には月々・ボーナス払いでのローン返済の負担がある。持家でも一括購入をしたり遺産などで取得した場合、そしてローンを完済した場合はローンの負担は無いが、固定資産税・修繕費などが発生するため、まったく負担が無いわけではない(ただし同規模の場合、やはり家賃と比べれば負担は軽い)。

そこでまずは、世帯主の年齢階層別に見た持家率をグラフ化する。ローン完済組・支払い中組を合わせたものだ。なお、年金生活者などの状況を含めて見るには「全国・全世帯」でグラフ化した方がよいのだが、「住宅ローン支払い世帯」が値として元データとして計上されていないため、後のグラフ生成で不都合が生じるため、「全国・勤労者世帯」で取得をした。例えば先の【年金生活をしているお年寄り世帯のお金のやりくりをグラフ化してみる】の対象となった「年金と貯蓄の切り崩しだけで生活している世帯」は対象外となる。

↑ 世帯主の年齢階層別持家率(勤労者世帯、2009年)
↑ 世帯主の年齢階層別持家率(勤労者世帯、2009年)

当然といえば当然だか、若年層世帯の方が持家率が低い。むしろ20代前半で1割も持家世帯があることの方が驚き。ただし後述するがこのうちローン支払い中組は1.2%しかないので、多くは「一発当てて現金払い」「遺産などの贈与」などによる取得と思われる。

居住スタイルには「親の家で同居する」パターンなどもあるため、「世帯全体」-「持家世帯」=「賃貸世帯」ではない。しかし家賃・地代を支払っている賃貸世帯の全体的な傾向としてはやはり、持家世帯とは逆転する形になっている。

↑ 世帯主の年齢階層別家賃・地代を支払っている世帯率(勤労者世帯、2009年)
↑ 世帯主の年齢階層別家賃・地代を支払っている世帯率(勤労者世帯、2009年)

20代は7割強が賃貸住まい、対して50代以降になると賃貸住まいは1割前後にまで落ち込む。高齢者になるとやや値が上がるのは【「お年寄りがいる家」のうち1/4・414万世帯は「一人きり」】などでも触れているように、手持ちの資産を整理したお年寄りが賃貸住宅に引っ越す事情もあるのだろう。

さて肝心の「持家世帯で、ローンを支払い終えた・ローン支払いの必要が無い世帯の方が家計の負担が軽い云々」の件。次のグラフは持家世帯のうち、ローンを支払い中の世帯と、支払い済み・支払い不必要世帯に分けた積上げ棒グラフ。当然といえばそれまでだが、世帯主の年齢が上がるほど、ローン返済の必要が無い・終えた持家が増加しているのが分かる。

↑ 世帯主の年齢階層別持家率(勤労者世帯、2009年)(ローンの支払い状況別)
↑ 世帯主の年齢階層別持家率(勤労者世帯、2009年)(ローンの支払い状況別)

世帯主の年齢階層別に、生活の苦しさ・楽さを見る際には単なる収入の額(可処分所得にあらず)だけではなく、どんな住まいに住んでいるか、ローンの支払いは済んでいるのかも考慮する必要がある。その観点で見れば、やはり若年層世帯はふところ事情が厳しい、と判断せざるを得ない。



ついでながら【値上がりする住宅はローンの積み増しで購入!? 増加する住宅ローン総額平均】や月次の住宅着工のレポートなどでしばしば触れている、「不動産市場が下落しているので、若年-中堅層が多少背伸びをしてでも持家を購入する傾向」について、それを裏付けるデータを一つ算出しておく。

これは持家のうち住宅ローン支払い中の世帯比率を毎年抽出し、2000年から2009年までの推移をグラフ化したもの。20代はまだ財務的腰が据えていないこともあるので省略し、30代から50代前半に限って見たものだが、どの年齢階層でも少しずつではあるものの、増加する傾向を見せている。

↑ 持家のうち住宅ローン支払い世帯推移(中堅層、勤労者世帯)
↑ 持家のうち住宅ローン支払い世帯推移(中堅層、勤労者世帯)

特に30代世帯は持家率(ローン支払い中)の増加が著しい。今後もしばらくは増加傾向を続けることは容易に想像されるので、住宅(市場)事情も少しずつこれまでとは変化していく可能性も、十分考えられよう。

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