共働き世帯の増え方をグラフ化してみる

2010/04/09 05:18

先に【年金生活をしているお年寄り世帯のお金のやりくりをグラフ化してみる】【貯蓄率減少は本当なの? 家計の貯蓄率をグラフ化してみる】で総務省統計局の【家計調査】でデータを精査していた際に気になる値が目に留まった。「世帯主の配偶者のうち女の有業率」の割合が年々増加しているように見えたのだ。世帯主が男性とは限らないのでこの値がすべて「妻も働いている共働き世帯」を示すわけではないが、やはり共働きの世帯は増えているのではないだろうか……ということで、今回は記事題名にもあるように、共働き世帯の増え方をグラフ化してみることにした。

スポンサードリンク


さてデータそのものは前述の通り、家計調査のデータを使うわけにはいかない。全体比では少数ではあるものの、男性が主夫、女性が雇用者(他人に雇われ、報酬を受けて働いている者)の世帯もあるからだ。そこで、【平成20年版厚生労働白書】の第2章第2節から「図表2-2-12 共働き等世帯数の推移」のデータを抽出。これに【平成21年版 男女共同参画白書】や元データの総務省「労働力調査(詳細集計)」(年平均)などを用いて2008年まで補完し、生成したのが次のグラフ。

↑ 共働き等世帯数の推移(万世帯)
↑ 共働き等世帯数の推移(万世帯)

いくつか留意点を挙げておくと、

「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」……夫が非農林雇用者で、妻が非就業者(非労働力人口か完全失業者)

「雇用者の共働き世帯」……夫婦ともに非農林業雇用者の世帯

を指す。つまり今件では「単身世帯」「夫婦ともに非雇用世帯(年金生活者など)」「世帯主が事業者(経営者とか個人事業、商店主とか)」「農林業従事者世帯(農業で生活している人など)」などは含まれない。

ともあれ。「夫が勤め人、妻が専業主婦」という世帯と「夫も妻も勤め人」という共働き世帯数の推移としては、共働き世帯が1990年まで漸減、それ以降は横ばい、2000年以降は再び漸減の傾向を見せている。一方で共働き世帯は1900年まで漸増、それ以降は横ばい、2000以降は漸増。

両者の関係を見ると、1990年-2000年の間はほぼ同数で推移しているが、2000年以降は逆転現象が起きて「共働き世帯数>>夫が勤め人・妻が専業主婦世帯」という構図が維持さている。しかも両者の差は年々広がる傾向にある。これは夫の可処分所得の減少を妻がパートで補う、妻が働きやすい非正規雇用の仕組みが整備されたことなどを起因とする。

最初に触れた、「家計調査のデータを観る限りでは、共働き世帯って増えてないかな?」という疑問は間違っていなかったことになる。

視点を変えて……全世帯に占める割合を計算してみる
一応結論は出た、はずなのだが、なぜかまだ頭の中のもやもやが消えない。そこで世帯絶対数を出したのだから、「全世帯に占める割合」も算出してみることにした。つまり上記では該当しなかった世帯、「単身世帯」「夫婦ともに非雇用世帯(年金生活者など)」「世帯主が事業者(経営者とか個人事業、商店主とか)」「農林業従事者世帯(農業で生活している人など)」など全部をひっくるめた世帯に対し、「共働き世帯」などがどの程度の割合を占めているのか、についてだ。

世帯数推移については【e-Stat】から「平成20年国民生活基礎調査」中、2008年分の「2.世帯数-構成割合,世帯構造・年次別」を選べばすぐに抽出できる。年次で揃えて、「共働き世帯」数などと合わせて計算をした結果が次のグラフ。

↑ 共働き等世帯数の全世帯数に占める割合推移
↑ 共働き等世帯数の全世帯数に占める割合推移

意外といえば意外だし、当然といえば当然なのだが、「勤め夫に専業主婦」の割合が年々減少している(約30年で半減近く)のはともかく、「全世帯数に占める共働き世帯の占める割合」は1990年以降ほぼ横ばいを維持しているのが分かる。

これは【「お年寄りがいる家」のうち1/4・414万世帯は「一人きり」】でも触れたように、日本の世帯数そのものが増加現象にあること、そして年金生活者や単身生活者が増加していることにより、(共働き世帯数そのものが増加していても)比率としては一定率が維持されたままの状態になっているわけだ。

ある意味不思議な現象だが、社会構造学的にこのような均衡がとれるようになっているのかもしれない。逆にいえばこの比率がさらに上向くようなら、社会全体として大きな変化が生じていることのシグナルととらえるべきだろう。

スポンサードリンク




▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2017 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー