主要テレビ局の第3四半期決算短信から有望性を試算してみる…(2)安全性

2010/04/04 12:10

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試算中の様子その2【日経新聞の決算短信から有望性を試算してみる】【お財布事情は毎日が一番……主要新聞社の短信から有望性を試算してみる】のように、『週刊東洋経済の2010年3月20日号「データが読めれば、経済がわかる!」』を元にした指標を計算し、在京キー局の上場テレビ局5局をチェックする記事パート2。前記事で指標の具体的な計算式を挙げたわけだが、まずは「安全性」の4項目について具体的なグラフ化をしてみることにする。


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まずは流動比率。これは1年以内に得られる現金その他同等物を、同じく1年以内に返済すべき負債で割ったもの。100%を下回るといわゆる「自転車操業」になる。先の新聞社の短信では4社中2社が100%を下回るという、目も当てられない状態だったが……。

↑ 流動比率
↑ 流動比率

TBSホールディングスがやや低めなのが気になるが、これは恐らく主要、もとい副次事業の土地事業関連が影響しているものと思われる。ともあれ全社「自転車操業」ということは無く、1年以内に破綻するリスクはほぼゼロといえる。

続いて固定比率。これは長期保有資産(固定資産)のうち、自分のお金(自己資本)で買った比率。つまり即時現金化不可能な資産を、自分のお金の何倍購入しているか。これが高いと突発性の資金が必要な時(例えば銀行からの前倒し返済要求)に頭を抱える。

↑ 固定比率
↑ 固定比率

他4社が100%を切って安全圏にあるのに対し、TBSホールディングスだけが100%を大きく超えている。これもやはり不動産関連事業によるもの。フジ・メディア・ホールディングスがやや高めなのも、持ち株会社化により多種多彩な事業を抱えていることを起因とする。

手元流動性は現預金・有価証券を足したものを月商で割ったもので、この数字が低いと、資金繰りに窮している形となる(流動比率より一層短期間の「資金繰り」度のようなもの)。1(か月分)以上が望ましい。先の新聞社の場合は毎日新聞がボーダーラインの1.00を割り込んでいたが、テレビ局はどうだろうか。

↑ 手元流動性
↑ 手元流動性

TBSホールディングスの低さは言わずもがなだが、テレビ東京がそれ以上に低めなのが気になる。

最後に自己資本比率。これは総資本に対する自己資本の割合で、一般の上場株式会社でも良く話題にのぼる値。もちろん高い方が良いが、業種によって平均的・ボーダーラインの割合が異なるので、15%云々というのはあくまでも一つの目安。もっとも今件は同業種同士(……とはいえ厳密にはフジやTBSと、他の局を比べるのはやや難があるが)なので、さほど問題にはならない。

↑ 自己資本比率
↑ 自己資本比率

TBSとテレビ東京がやや低めで不安なのは、先の「手元流動性の低さ」と連動するところがある。結構こういう点でも連動するものなのか、と考えると興味深い。

総括は後ほど行うが、少なくとも安全性の面では、TBS、そしてテレビ東京に少々疑問符がつく面もあるものの、概して黄色信号のレベル。あまり不安視する必要は無い、というあたりでまとめることができよう。

(続く)

※続きはリンクの修正と合わせ、今日の夜便で配信予定です。しばらくお待ちください。


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